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ホンダ新型「コンパクトミニバン」登場! 新旧モデル乗り比べで分かった「4WDの進化」とは? 新型「フリード」雪上試乗してみた!

くるまのニュース / 2024年7月30日 18時40分

2024年6月に発売されたホンダ新型「フリード」を、同年2月に開催された雪上試乗会で、ひと足お先に試乗しました。新旧モデルを乗り比べして感じた新型フリードの進化とは一体どこにあるのでしょうか。

■新型フリードの注目は「4WD性能」

「ホンダ」と「4WD」は昔から設定はありましたが、「レジェンド」や「NSX」に採用された独立モーター式の「スポーツハイブリッドSH-AWD」以外は、「積雪地域向けにとりあえず用意しました」と言ったシステムで、特に積極的なアピールはしていませんでした。
 
 しかし、2018年に登場した「CR-V」から方向転換を行ない、「ヴェゼル」、「ZR-V」などは4WDの存在を強くアピールしています。
 
 なぜ、今なのか? それは電動化パワートレインである「e:HEV」との組み合わせにより、今まで以上に強力な武器になったからでしょう。
 
 ここでは2024年6月28日発売されたばかりの新型フリードに搭載された、ホンダ“最新”の4WDについて紹介していきたいと思います。

 筆者(山本シンヤ)は同年2月、北海道にあるホンダ鷹栖プルーピンググラウンドで一足お先に試乗してきました。

 現在、ホンダが持つ4WDシステムは大きく2つあります。

 1つは軽自動車や「フィット」に搭載されるビスカスカップリング式4WD、もう1つが「フリード」をはじめ上のクラスまでカバーするリアルタイムAWDです。

 この2つの4WDシステムに共通するのは、プロペラシャフトを用いた“メカニカル”4WDである事です。

「電動化パワートレインなのに、なぜ?」と思う人もいるでしょう。

 ちなみにライバルの多くはプロペラシャフトを持たず、独立したリアモーターを搭載した「電動4WD」が主流となっています。

 実はホンダは仕方なくではなく、積極的にメカニカル4WDを選択しています。

 その理由は単純明快で、e:HEVとリアタイヤをプロペラシャフトで直結すると、高出力なモーターの駆動力を常に4輪に最適配分できるからです。

 加えて、電動4WDよりシンプルな構造にできるので、FFモデルとの重量差も最小限に抑えられると言う強みもあるのです。

 ちなみに新型フリードに搭載されるリアルタイムAWDはシステム的には先代と同じ、動力伝達機構に電子制御多版クラッチを採用したアクティブトルクスプリット式で、前後の駆動力配分はクラッチの締結力でコントロールします。

 ただし、従来モデルに対して後輪への駆動力を10%アップ。

 要するに、フロントタイヤへの依存度を減らす事で、より「曲がる4WD」を目指したわけです。

 加えて、この4WDをコントロールする頭脳を刷新。

 従来モデルではフロントの滑りを検知してリアに駆動を伝える「フィードバック制御」でしたが、新型ではフロントが滑る前から予測を行いながらリアに駆動を伝える「フィードフォワード制御」になっています。

 それに合わせて車両の状態をより詳しくセンシングすべく、従来のアクセル開度、車輪速、前後Gセンサーに加えて、ヨーレートセンサーとステアリング舵角センサーをプラス。

 その結果、ネーミングの通り「リアルタイム」に理想の前後駆動配分を可能にしています。

 更に内輪にブレーキを掛けヨー方向の動きを生み出し旋回をサポートするアジャイルハンドリングアシストやトラクションコントロールも統合制御し、車両挙動を総合的にコントロールしています。

■新旧比較で感じた「曲がり」の進化

 新型フリードの前に、従来型の4WDを確認します。

雪上試乗会では従来型のホンダ「フリード ハイブリッド クロスター」も用意された雪上試乗会では従来型のホンダ「フリード ハイブリッド クロスター」も用意された

 もちろんFFよりは安心して走れますが、アンダーかと思ったらオーバーと挙動変化が大きく、VSAは常にピカピカ点灯。

 更に1モーターのスポーツハイブリッドi-DCDはアクセルを踏んでからのラグが大きい事もあり、駆動で曲がるのも難しく、他社のように「4WDで良かったね」と言う安心は感じられませんでした。

 続いて新型に乗り換えます。

 ちなみにFFモデルに対してリアルタイム4WDモデルの車高は15mmアップで、最低地上高は150mm。

 「日常+α」の使い方であれば十分なクリアランスでしょう。

 ノーマルモデルの「エアー」だとタイヤとフェンダーの隙間が気になりますが、アウトドアテイストがプラスされた「クロスター」は、むしろデザインのバランスは良いと感じました。

 同じコースを同じ速度、同じ操作を心がけて走らせてみて感じたのは、「スタッドレスタイヤ替えた?」と思うくらいグリップを感じる事、そして常に安定方向にクルマを導いてくれる事です。

 この辺りはフィードフォワード制御で駆動力配分をより緻密にコントロールできている証拠と言えます。

 リアの駆動力アップで余裕ができたフロントのグリップ感は、「曲がれるかも」ではなく「曲がれる」と思える安心感を生みます。

 そして、そこからアクセルONでリアを僅かに巻き込みながら旋回していく様は、まさに「駆動で曲がる」を実感できます。

 この辺りは「リアルタイムに四輪を駆動」が活きています。

 加えて、高応答かつトルクフルなのにスムーズなフィーリングのe:HEVとのマッチングも良く、意のままのコントロールが「誰でも」「楽に」「安心して」できました。

 ちなみに他社のように四駆を声高らかに主張せず、あくまでも黒子のようにそっと背中を押す制御なので、「グイグイ曲がる」ではなく「自然に曲がる」イメージです。

 そういう意味ではドラマチックではありませんが、ミニバンのキャラクターを考えれば正しいと思います。

 ただ、リアの駆動トルクをもう少し上げられると、「フリード・アブソルート」は夢じゃないかもしれません。

 更に雪道での不安要素の1つである登坂路での発進も試してみました。

 従来モデルはアクセルONで左右に振られてしまったのに対して、新型は何事もなくスッと発進。

 この辺りはフィードフォワード制御で始めから後輪の駆動が掛かる事が強みになっています。

 また、雪道で走らせていて4WDと同じくらい驚いたのは、「視界の良さ」から来る安心感でした。

 新型フリードは最新ホンダデザインに則った水平基調でノイズレスなインパネ周りやガラスエリアの広さ、左右の資格の少なさ、そして目線の高さが効いています。

 普段より慎重になる雪道での走行でも、負担が減る、緊張感が減るので、結果的に安全運転になると言うわけです。

 そろそろ結論に行きましょう。

 かつては「ホンダの4WDは雪に弱い」と言われる事もありましたが、「新型フリード×リアルタイム4WD」の組み合わせは、その汚名を返上できるポテンシャルが備わっています。

 酷暑の中で冬の話をするのもアレですが、ウィンターシーズンの強い武器になるのは間違いないので、今から注目しておいてほしいです。

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