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カーエアコン「キンキン」に冷やしたい! エアコンガス補充は効果なし!? まさかの「注射」で復活させる方法とは

くるまのニュース / 2024年8月4日 12時0分

古いクルマでカーエアコンの効きが悪い場合、エアコンガスが漏れているのではなく、エアコンガスの配管内にオイルが付着し、配管が目詰まりしている可能性もあるようです。どうやったら改善できるのでしょうか。

■ カーエアコン不調の原因は「ガス不足」だけじゃない!?

 クルマのカーエアコンの効きが悪いと感じたとき、まずはエアコンガスの不足を疑いますが、それが原因ではないこともあるようです。
 
 真夏のこの時期、カーエアコンの不調は健康だけでなく運転にも悪影響を及ぼします。快適な空調空間を維持するためにも、エアコンの効きが悪いと感じたら、早めに対処したほうが良さそうです。
 
 神奈川県の現役整備士H氏に聞いてみました。

「カーエアコンの効きが悪くなる原因はいくつもあります。近年の高い外気温に対して冷風が出にくくなることがありますが、その多くはエアコンシステムの各部に経年による汚れの付着や劣化・故障などが考えられます。

 よくカー用品店などで推奨されている『カーエアコンガスの補充』も、それだけでは十分な効果が得られないことも多いのです」

 H整備士いわく、ガスを補充する前に風量や設定温度などを調節して、本当に効きを悪くしている原因を見つけるトラブルシューティングが重要だといいます。

「冷媒とも呼ばれるエアコンガスは、液体から気体、気体から液体に変化を繰り返しています。

 理論上は減ることがないと言われていますが、実際はごく少量ずつ減っていきます。また経年による水分や不純物の混入で、ガス自体の性能が落ちるとも言われています」

 システムの構造上あまり減ることがないエアコンガスが極端に減ってしまう場合は、エバポレーターやエクスパンションバルブからガスが漏れている可能性もありそうです。

「エアコンガスを循環させるためのコンプレッサーが不具合を起こしているケースもありますが、その場合は症状ですぐにわかるかと思います。

 これもコンプレッサー本体の故障というより、電流をコントロールするリレーや温度を計測するサーミスタ、空気の流道を調整するサーボモーターの故障などもあります。

 また、故障でもないのに効きが悪い場合は、エアコンガスを循環させる配管が目詰まりを起こしている可能性もあります」(H整備士)

 カーエアコン内の配管にオイル残留物が蓄積し、エアコンオイルとエアコンガスがエバポレーター内に蓄積されてしまう現象を「オイルファウリング」と呼びます。

 ただ、カーエアコンの配管は非常に細く、また内部のどこで目詰まりしているのかを診断するのは非常に至難の技。プロはそんな配管の目詰まりをどう解消させるのでしょうか。

「カーエアコンの配管トラブル用に、専用の添加剤が販売されています。

 これがなかなか優秀で、配管内に溜まった残留物を分解するもの、また配管の漏れている部分を特殊な溶剤で蛍光色に光らせるもの、配管の漏れを目詰まりさせることなく補修してくれるものなどがあります。

 これによって、エアコンの効きが復活することもあります」(H整備士)

 ちなみにこの添加剤はドイツ製で注射器の形をしているのが特徴。取り扱いには専門知識が必要となるので、カー用品店では手に入らないかもしれません。整備工場などに相談してみるといいでしょう。

「カーエアコンで熱交換を担うエバポレーターは、その構造上ホコリやゴミが付着しやすいだけでなく、結露もしやすいのです。

 こちらも目詰まりと言いますか汚れが溜まると、より一層カビ菌などが繁殖しやすくなります。これも欠かせない大切なパーツですので、併せて清掃することで、エアコンの効きはかなり改善されると思います」(H整備士)

※ ※ ※

 カーエアコンは家庭用と違い、あまりお手入れされない傾向にあり、たいていは不具合が出てから慌てて修理を依頼するという人が多いかもしれません。

 昨今は残暑も厳しく、暑さ日が長く続くことを考えると、早めに対策したほうが良さそうです。

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