ホンダ新型「“大きな”オデッセイ」初公開! 「NSX」デザイン&3.5リッターV6採用! 顔面刷新の「上品“ミニバン”」米に登場
くるまのニュース / 2024年8月8日 6時40分
2024年7月22日、ホンダの米国法人は新型「オデッセイ」2025年モデルを発売しましたが、その際に「スーパーカーからの部品流用」をしたことで話題を呼びました。この“北米”オデッセイが日本のオデッセイと異なる理由について紹介します。
■「NSX」の部品流用で話題に! “北米”「オデッセイ」とはどんなクルマ!?
ホンダの米国法人は2024年7月22日、マイナーチェンジを実施した新型「オデッセイ」2025年モデルを発売しました。
デザインの小変更をおこなうなか、クルマ好きの間ではいま新型は「スーパーカーからの部品流用」で話題となっています。日本のオデッセイとは異なるスタイルですが、どのようなクルマなのでしょうか。
なんとリアバンパーには“第2世代NSX”と同じリフレクター(反射板)が組み込まれている!
そんな“部品流用”が話題となっているのが北米「オデッセイ」の最新モデルです。
この7月にマイナーチェンジを受け、2025モデルとして進化。フロントとリアのデザインを大きくリフレッシュしました。
その新しい意匠のリアバンパーに、NSXと同じリフレクターが組み込まれているというわけです。
ところで、そんな北米仕様のオデッセイを見て「同じ車名なのに日本仕様とずいぶん違うクルマだね」と感じた人もいるかもしれません。
「日本と海外では同じ車名だけど、違うクルマを売っている」というのはホンダに限らずよくある例で、この北米仕様オデッセイもそのひとつ。
しかしながら車名だけでなくクルマのキャラクターもほぼ同じなのでちょっとわかりにくいですね。
そこで、日本向けオデッセイとアメリカ版オデッセイの違いをまとめてみました。
日本仕様と北米仕様の違いとして、もっとも大きいのはサイズです。
日本のオデッセイは全長4860mm×全幅1820mm。いっぽう北米仕様は5212mm×1994mm。北米のほうがひとまわり大きなボディとなり、そのぶん室内空間も広がっています。
もうひとつ大きな違いはパワートレイン。
日本向けは現在ハイブリッドのみで、エンジンは排気量2リッターの直列4気筒と組み合わされています。
いっぽう北米向けはハイブリッドではなく純ガソリン車で、3.5リッターのV型6気筒エンジンと低回転域のトルクを求められるアメリカらしい選択と言っていいでしょう。
最高出力は284psで、トランスミッションはなんと10速ATです。
現行世代がデビューした2018年、ホンダ車としても、ミニバンとしても世界初搭載となったものです。
シートレイアウトにも違いがあります。
現在の日本仕様は、2列目に左右席が独立したセパレートシート(キャプテンシート)を組み込む7人乗りのみ。そのかわりオットマンや大型アームレストを備え、シート調整も電動式とした上級仕立てのシートを採用しています。
いっぽう北米仕様の2列目は、実用性重視の3人掛けシートを装備し、8人乗りとしています。
しかしながら、中央席を外すことでセパレートシート状態にトランスフォームし、また左右スライド機能によって2席を連結して“2人掛けベンチシート”としつつ、3列目への通路を広く確保して3つめへのアクセスを容易にするアレンジも可能な構造としました。
プレミアムミニバンとして磨きをかけた日本向けに対し、北米仕様はあくまで実用性を求めた設計とその方向性の違いが表れているのです。
■「オデッセイ」が北米と日本で「異なる進化」を遂げた理由とは
どうして同じオデッセイながら日本向けとアメリカ向けに違いがあるのでしょうか。
その理由は、現地のニーズに他なりません。
北米でのニーズを反映しながら独自の進化を続けてきた「“北米”オデッセイ」最新モデル
たとえば実用性の高いシートアレンジは「本当に使える3列目を必要とする人のためのクルマ」と考えれば、豪華なことよりも使って便利な設計を選んだのは当然の選択。
同様に大きな車体も居住性を高めるためであり、道路や駐車場が広いから車体の大きさに対して日本ほどデメリットがないアメリカでは、日本向けよりも大型化するのは当然の成り行きと言えるでしょう。
また、内装の違いに関してはミニバンを求めるユーザーの考え方の違いもあります。
日本における今のオデッセイが価格も高額な高級ミニバンで、とうぜんそれに対応するインテリアが求められます。
いっぽうアメリカでは、あくまで実用的なファミリーカー。SUVではフォローできない実用的な3列目を求める人のためのクルマだから、高級感よりも使い勝手の良さが求められるというわけです。
またパワートレインに関しては、アメリカではフリーウェイに合流する際の強い加速が大切。ロサンゼルスなどでは時として入り口手前の信号で停止が求められた後に、わずかな距離で本線の流れに乗れる速度まで加速する力強さが求められます(日本と違ってみんな勢い良く加速します)。
そこで力不足を感じさせるようでは「フリーウェイでの合流が怖いクルマ」というレッテルを貼られてしまうので、トルクの太い大排気量エンジンが好まれるというわけ。だから3.5リッター6気筒なのです。
ただしアメリカでも燃費を求めてハイブリッドの人気が高まりつつあるので、今後は北米向けのオデッセイもハイブリッド化されるかもしれません。
ちなみに北米向けオデッセイといえば、2016年モデル(現行型に対してフルモデルチェンジ前の後期型)ではラゲッジルームの壁に掃除機が搭載されたことでも大きな話題になりました。
しかし残念ながら、現行モデルでは装備から外されています。
ところで、ホンダの「ラグレイト」というミニバンをご存じでしょうか。
日本で1999年から2004年にかけて販売されていたこのミニバンは、何を隠そう北米向けオデッセイの2世代目(初代は日本と同じモデルを販売)。それを日本仕様としてカナダから輸入されたものでした。
当時の日本のオデッセイよりも車体が大きく、また実用性を求めてスライドドア(日本向けのオデッセイはスイングドア)を採用していたのも特徴でした。
もちろん、エンジンは排気量3.5リッターのV6だったのは言うまでもありません。
その当時日本向けオデッセイにもV6が用意されていましたが、ひとまわり小さな3リッターでした。
その進化版が、現在の北米向けオデッセイなのです。
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