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「道路が…地面に刺さってる!?」不可解な光景に絶句!SNSでも話題に 舗装路面が「天に向かって伸びる」納得の理由とは

くるまのニュース / 2024年8月17日 16時10分

高知県香南市では、空から道路が落ちてきて刺さっているかのような衝撃的な光景が見られます。いったいどういうことなのでしょうか、またなぜこういった光景が生まれたのでしょうか。

■あまりにインパクトの強い橋

 高知県には、まるで「空から道路が落ちてきて刺さっている」かのような衝撃的な光景が見られ、SNSでも観光スポットとして話題になっています。

 いったいこの光景の正体は何なのでしょうか、またなぜこういった光景が生まれたのでしょうか。

 実はこれ、高知県香南市夜須町にある、「手結港可動橋(ていこうかどうきょう)」という名称の橋なのです。2002年9月に市内の掘り込み港である手結港に設置されました。

 手結港は日本最古の堀り込み港と言われる港で、江戸時代初期に土佐藩家老・野中兼山によってつくられ、現在でも漁船が通行しています。手結港可動橋は漁船が多く集まる手結港の真ん中に架けられており、夜須町の南北を繋ぐ役割を果たすのです。

 港から出発する漁船が通行できるようにするために、道路の片側が跳ね上がって壁のように変形する跳開式可動橋という特殊な形を採用しました。長さは約32.8m、幅員は7mから9mとなります。傾斜角度は最大70度と垂直に近く、まさしく壁と言えるでしょう。

 なお、可動橋より海側に面している港は手結外港(新外港)、石積みの岸壁を持つ内陸側の港は手結内港と呼ばれています。

 そもそも手結港にどうして橋を設置する必要が発生したのでしょうか。高知県中央東土木事務所の担当者は次のように話します。

「手結港には、海水浴場、歴史港湾、漁業拠点、大手の浜などがあり、これらの施設を連結する臨港道路の一部として可動橋を建設いたしました」

 長い歴史を持つ手結港にはそれだけ多様な施設があります。利便性を考慮して、それらを陸上交通で結ぶ必要があるのも当然と言えるでしょう。

■通行できるのは「1日合計7時間」だけ!? 構造も不思議な橋のヒミツ

 また、陸上交通を水上交通と両立させるために可動橋としたことで、他には見られない独自の特徴があります。

通行可能時の手結港可動橋(画像:Google Earth)。通行可能時の手結港可動橋(画像:Google Earth)。

 最も特徴的なのはその開閉間隔です。当然ずっと開いたままや閉じたままでは意味がないため、閉じている時間、すなわち道路として通行できる時間が規定されているのです。

 具体的には6時30分〜8時、9時〜10時、11時〜12時、13時〜14時30分、15時〜16時、17時〜18時だけで、道路としてヒトやクルマが通行できるのは1日で合計7時間のみです。

 橋の両端には踏切と同じ警報器と遮断機が設置されており、警報機がなり始めると遮断機が下り、2基の油圧シリンダーによって橋はゆっくり上がり始めます。この作業により開閉に要する時間は約6分です。

 なお、手結港の付近には迂回ルートがあり、手結港可動橋を通行しなくても夜須町の南北を行き来することができます。

 ところで、船舶を通すための可動橋の形式は跳開橋だけでなく、橋桁が水平方向に回転する旋回橋という選択肢もあります。また、跳開橋のなかにも手結港可動橋のように片側だけ開く一葉跳開橋に対して、両側が観音開きのように開く二葉跳開橋もあります。

 そのなかで、橋を設置する際に一葉跳開橋という形になったのはどういった経緯によるものなのでしょうか。前出の担当者は次のように話します。

「まず固定橋と可動橋の比較検討を行い、可動橋案を採用いたしました。

 次に可動形式について、わが国最初の堀込み港湾であり350年以上続く歴史港湾との景観にマッチすること・機能性・経済性・航行船舶の安全性などの比較検討を行った結果、片跳式の可動橋を採用することとなりました」

※ ※ ※

 港湾の歴史と水上と陸上双方の利用者の利便性を鑑みた結果、空から道路が落ちてきたような非現実的な光景が生まれたようです。手結港可動橋を訪れる際は、光景が生まれた経緯にも思いを馳せてみると良いかもしれません。

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