LEG2 SS2ではリアショック破損にコースミスも!? 大トラブル発生でもチームが次のステージを走れるようになった理由とは【AXCR2024レポート Vol.5】
くるまのニュース / 2024年8月14日 18時40分
世界一過酷と言われるラリー競技、アジアクロスカントリーラリー(通称AXCR)の本番が8月12日(月)から始まりました。5年ぶりの参戦となるランドクルーザー専門店「FLEX」のチーム「FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYOTIRES」の戦いを追いかけます。
■LEG2は合計120kmの競技区間! 状況変化にどう対応するかが鍵となる
2024年8月13日、アジアクロスカントリーラリー(通称AXCR)LEG2の競技区間であるSS2は、前半約80km、後半約40kmが競技区間として設定されています。この区間は、ドライバーやナビゲーターにとって技術的な挑戦が多く、さまざまな地形やコンディションが待ち受ける本格的なセクションに突入します。
特にLEG2は森林や丘陵地帯がコースに含まれ、難易度が非常に高くなります。加えて今大会最長とも言われる431kmものリエゾン区間があるため、無事にゴールしてもサービスがあるホテルまで時間内に戻らなければならず、ぺース配分も重要になってきます。
ナビゲーターにも正確なルート指示が求められるので、特に道幅の狭い区間や視界が限られるエリア、さらに民家や学校がある場所はスピードリミットが厳しく制限されています。競技中でも状況の変化に対応する素早い判断が求められるため、ドライバーとナビゲーターのチームワークが非常に重要になってくるのは言うまでもないでしょう。
この区間をいかに速く、かつ安全にクリアできるかが、ラリー全体の順位にも大きく影響してくることは間違いありません。
かなりの太さがあるダンパーのロッドだが、AXCRではこれほど強靭(きょうじん)なダンパーでも折れてしまうことがある
FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYOTIRESチームは、SS2で連続して厳しいトラブルに見舞われました。まず、コマ図の読み間違いによるミスコースが発生し、さらに追い打ちをかけるように、リアショックのシャフトが折れるという深刻なメカニカルトラブルが発生しました。
ミスコースから正しいルートに戻る過程で起こったこのトラブルでは、車両の後部サスペンションがまったく機能しなくなり、走行不能にはなりませんでしたが、車体の安定性が大幅に損なわれたまま走行を続けなければいけない事態になりました。オフロード走行という過酷な条件下では、サスペンションが機能しなくなる事態は非常に危険であり、チームは競技を続行することすら危ぶまれる状況に直面しました。
しかし、この連続したアクシデントにもかかわらず、ドライバーの川畑選手とナビゲーターのデイチャポン選手は冷静さを保ち、可能な限りのリカバリーを試みました。メカニックチームも現場での応急処置を行い、最低限の走行が可能になるよう全力を尽くしました。その結果として、チームは大幅なタイムロスを抱えながらも、なんとかSS2を完走することができました。
■SS後半の走行中止が功を奏し 車両の修理に全力を尽くすことができた
LEG2のSS前半では大きなトラブルに直面しましたが、幸いにもSS後半が中止になったため、FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYOTIRESチームはさらなるトラブルを避けることができました。ミスコースやリアショックのトラブルによってすでに大幅なタイムロスを抱えていたチームにとって、このキャンセルは大きな救いとなりました。
コ・ドラのデイチャポン選手が手配してくれたショックも到着。チームは戦略を立て直すことになった
SS後半がキャンセルされた理由は、天候の悪化やコース状況の悪化、またはその他の安全上の理由による運営の判断であり、公平な措置です。このSS後半のキャンセルによって、われわれのチームはさらなるリスクを負うことなく、次のステージに向けて車両のメンテナンスや戦略の立て直しに集中する時間が得られたのは幸運だったと言うほかありません。
われわれのチームはこのチャンスを生かして車両の修理に全力を注ぎ、リアショックが機能しない問題を解決するために、メカニックチームが迅速かつ徹底的に作業を進めました。また、ナビゲーションの確認や戦略の再考も行い、次のレグに向けて万全の準備を整えました。
SS2前半で起こったトラブルにより、FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYOTIRESチームは総合順位を後退させる結果となってしまいました。しかしこの状況に対して、コ・ドラのデイチャポン選手は迅速にショックアブソーバーを手配し、LEG2の夜には新しいショックアブソーバーがわれわれのチームに届いていました。
中央自動車第学校の学生とフレックスメカニックによって作業は夜通し行われた
夜通しの作業が再び始まりましたが、フレックスチームと中央自動車大学校の学生たちは、車両を万全な状態に戻そうと懸命に取り組み、無事ショックアブソーバーの交換を終えることができました。結果的にこの作業はチーム全体の士気を再び高め、次のステージで勝つための団結力をさらに高めた夜になりました。
今回の苦境を乗り越え、チームは再び上位進出を目指し、次のレグに全力で挑むことでしょう。
LEG3の8月14日は、168kmのSS3と193kmのリエゾン区間という非常に長いコースが待ち受けています。このロングコースは、車両の耐久性とドライバーの忍耐力、そしてチーム全体の戦略と対応力が試される重要なステージとなります。
大きなトラブルを乗り越え チームはさらに団結力を高めていく
FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYOTIRESチームにとっては、夜通しのメンテナンス作業を経て、翌日の過酷なレグに挑むことになります。特に、SS3は距離が長く、コースの多様性も高いため、これまでのトラブルを乗り越えた車両の性能と、ドライバーとナビゲーターのコンビネーションが勝敗を左右することでしょう。
われわれのチームは、LEG3の長丁場を走り切り、どう巻き返せるかによって最終的な総合順位が大きく変わってくることを強く理解しています。
チームメンバー全員が一丸となり、次のステージとなるLEG3に向けて準備を整えています。引き続き応援よろしくお願いします。
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