「運転免許証もってるのに…」“うっかり無免許”に注意! 意外と知らない「無免許運転」の定義は? 違反すると「重罪」になるワケ
くるまのニュース / 2024年8月16日 21時10分
クルマの運転には「運転免許証」が必要です。そして、取得せずに運転すると「無免許運転」になりますが、免許を取得しているにもかかわらず、無免許運転に該当する場合があるといいます。どういうことなのでしょうか。
■免許を取得していても“無免許運転”になることがある!?
いわゆる「無免許運転」とは、運転免許を取得せずにクルマやバイクなどを運転すると適用される交通違反であることは知られています。
一方で、運転免許を取得していても、状況によっては「無免許」扱いとなる場合があるのです。
一体どういうことなのでしょうか。
免許を取得していても無免許とみなされる状況がいくつかあります。まずは「種別外」で運転した場合です。
免許自体を取得していても、“自分が取得していない種類の車両”を運転すると無免許運転とみなされるというもの。
例えば「第一種免許」しか持っていないのに、「第二種免許」が必要なバスやタクシーでお客さんを乗せる仕事をしたり、クルマの免許しかないのに普通二輪車に乗ったりすると種別外の運転になります。
次は「取り消し」を受けていながら運転した場合です。
交通違反や交通事故を起こした場合、その内容に応じて行政処分の違反点数が付けられ、累積15点以上だと免許取り消しになります。
取り消しには免許の再取得ができない「欠格期間」が定められており、最短3年、最長10年となっており、点数に応じて年数が変わります。
この期間が終わったらもう一度免許を取得することになります。
その他に、ドライバーが特定の病気や身体障害、酒酔い運転、アルコール・麻薬・覚醒剤中毒などの状況であれば、道路交通法第103条により、免許の取り消し、または6か月を超えない期間で免許停止となります。
ちなみに無免許運転も行政処分は15点以上なので、取り消しの対象です。
また「免許停止中」や「仮停止中」も免許証は手元にない状態なので、運転したらもちろん無免許運転となります。
次は「有効期限切れ」で、免許証の有効期限が切れた状態での運転も、無免許運転に該当します。
忙しかったり、更新する場所が遠いと、免許の更新を先延ばししてしまうかもしれませんが、うっかり忘れていたというのは言い訳になりません。更新のハガキが届いたら、速やかに更新に行きましょう。
次は「免許証の交付前」に運転した場合です。つまり、教習所内の運転試験には合格していても、免許証をまだ手に入れてない段階で運転すれば無免許運転に当たります。
運転試験に合格し、免許センターなどで筆記試験に合格した後、免許証を交付されてからようやく運転可能である旨は、道路交通法第92条「免許証の交付」に記載されています。
そして「仮免許中」で、練習目的以外の運転をした場合も無免許運転とみなされます。
仮免許中では教習の時間や試験、また横30cm、縦17cm以上の木材や金属の板に「仮免許練習中」と記載し、車体の前後に付けた上で助手席に第二種免許を持っている人や、免許を取得してから3年以上経つ人を乗せた練習目的のみでしか運転できません。
ただし、仮免許証は教習所によっては持ち出しを禁止していたり、仮免許の状態で事故を起こすと仮免許の取り消しや行政処分の点数が付けられたりするので、リスクを考えると教習以外では乗らないのが無難でしょう。
無免許運転の罰則は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」で行政処分では違反点数が25点であり、前歴が0回だったとしても取り消しと欠格期間が2年となります。
実は2013年までは無免許運転の罰則は1年以下の懲役又は30万円以下の罰金で、違反点数は19点という現在より軽い罰則でした。
しかし2010年代前半に無免許運転の事故が多発したことで罰則が引き上げられ、今日のような内容となっており、国としても無免許運転に対して厳しい姿勢を強めています。
またあまり知られていないかもしれませんが、無免許と分かっていながら同乗したり、車両を提供したりした場合も「無免許運転幇助(ほうじょ)罪」として罰せられます。
自動車等を提供した場合は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金、自動車等の同乗は2年以下の懲役又は30万円以下の罰金で、行政処分は無免許運転をした者と同等の処分になります。
つまり無免許運転をした人と同じ25点なので、無免許運転幇助も重い罪だということが分かります。
※ ※ ※
無免許運転と一口に言っても定義は幅広く、誰でも無免許運転にうっかり該当してしまう可能性があります。
免許を取得していないのに運転するのは言語道断ですが、免許を持っていても無免許に該当していないか気を付けることが大切です。
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