ホンダの「快適コンパクトSUV」なぜ売れている? 全長4.3m級ボディにクラス超え「上質内装」がイイ? “日本一売れたSUV”「ヴェゼル」人気の理由とは
くるまのニュース / 2024年8月25日 14時10分
2024年上半期に最も売れたSUVであるホンダ「ヴェゼル」。一体なぜ人気なのでしょうか。
■なぜ「ヴェゼル」が売れている?
突然ですが、2024年の上半期に最も売れたSUVをご存じでしょうか。
それはホンダ「ヴェゼル」。2024年の1月から6月にかけて4万4164台を販売し、車名別にカウントすると上半期のSUV新車販売台数で第1位に輝きました。
ちなみに2024年1月から月ごとに販売台数を見ていくと、1月が7458台、2月7520台、3月8855台、4月7752台、5月5717台、6月6862台、そして7月6107台と堅調に売れていることが分かります。
同車は4月の終わりにマイナーチェンジしていますが、その前後でも販売台数の大きな変化は起きていないと考えていいでしょう。
ところで、ヴェゼルが高い人気を誇る理由はどこにあるのでしょうか。
ひとつはちょうどいいサイズ感です。
全長4340mm×全幅1790mmのボディはコンパクトハッチバックの「フィット」よりは大きいですが、“小ささ”に定評のある「フリード」と長さはだいたい同じ。全幅は「ステップワゴン」+αです(ステップワゴンは1750mm)。
大きすぎることなく、駐車場などでも扱いやすいサイズ。「大きなSUVは苦手」という人でも安心して運転できる範囲と言えるでしょう。
ホンダにはヴェゼルより大きなSUVとして「ZR-V」が存在しますが、その車体サイズは全長4570mm×全幅1840mmと、長さで230mm、幅で50mmのサイズアップ。
さすがにそこまで大型化すると、ボディの大きさを感じる人も少なくないでしょう。しかし、ヴェゼルなら許容範囲という人がたくさんいるのです。
いっぽうで、室内が広いのもヴェゼルの魅力。リアシートに座れば、その広さに驚くに驚くことでしょう。
トヨタの「ヤリスクロス」や「カローラクロス」といったライバルよりも後席は明確に広く、ファミリーユーザーでも十分な余裕があります。また、ラゲッジルームも広く確保されているから、荷物の多い人でも安心です。
ボディはコンパクトながら、後席やラゲッジルームは広く確保。そんな高効率のパッケージングがヴェゼルの大きな魅力と言えるでしょう。
ところで、単純に後席やラゲッジルームの広さでいえば、同じくホンダ車でほぼ同じボディサイズの「WR-V」には及びません。
しかし、そんなWR-Vと比べてヴェゼルが勝っていることがあります。それは室内の上質感。
ソフトパッドを組み合わせたインパネ表面の仕上げから、空調操作ダイヤルなどスイッチ類の精密感、そしてシート表皮などの質感はWR-Vより明らかに上で、同じコンパクトSUVながらひとクラス上のクルマであることを実感します。
ヴェゼルはコンパクトSUVのなかでも上級クラスといっていいポジションで、それも人気の理由となっているのは間違いありません。
■「ヴェゼルからヴェゼル」ユーザーもかなり多い?
現在、ヴェゼルの販売はハイブリッドモデルが中心となっていますが、「e:HEV(イー・エイチ・イー・ブイ)」と呼ぶハイブリッドはスムーズで滑らかなのも魅力。
e:HEVは高速領域を除きエンジンは発電機に徹し、そこで起こした電気を使ってモーターを回して駆動力とするのが特徴です(高速領域はエンジンの力を直接駆動力として使うモードに入る)。
モーター走行はシームレスで滑らかだから、とても快適。それもヴェゼルのセールスポイントと言っていいでしょう。
改良後の「ヴェゼル e:HEV X HuNTパッケージ」
車体サイズは小さくて運転しやすいいっぽうで、パッケージングが良くて居住性も積載性も十分。さらに室内の仕立てが上質で、走りも滑らか。そんなバランスの良さがヴェゼルの人気の大きな理由と言ってよさそうです。
そして実は、そんなヴェゼルの販売台数を押し上げるもう一つの背景があります。それは買い替え需要。
ヴェゼルは従来モデルもたくさん売れ、保有しているユーザーがたくさんいます。
そんなユーザーがクルマを買い替える際、再びヴェゼルというパターンも少なくありません。いやむしろ「かなり多い」といっていいでしょう。
つまり、ヴェゼルには根強い買い替え需要が存在する状態。それが販売台数に貢献しているのは間違いありません。
ちなみに2位以下を見ると、ヤリスクロスの上半期の販売が4万4070台ほど。カローラクロスは約4万90台でした。
ヤリスクロスはトヨタの認証問題で出荷停止となった影響で登録台数の少ない期間がありましたが、もしそれがなければヴェゼルを超えていた可能性も考えられます。
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