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“V10エンジン”搭載!? ホンダの「“2ドア”クーペ」がスゴイ! ド迫力の超「ロングノーズモデル」! 500馬力超え目された“NSX後継機”「スポーツカーC」とは

くるまのニュース / 2024年9月5日 12時30分

初代NSXの後継車がFR(後輪駆動)モデルだった…と聞いて、にわかに信じられないと思います。しかし、実際にホンダはアキュラブランドから「アドバンスド スポーツカー コンセプト」というコンセプトカーを発表したことがありました。このコンセプトカーは、どのようなクルマだったのでしょうか。

■2代目NSXは「まさかのFR車」だったかもしれない!?

 残念ながら現在では過去のモデルとなってしまいましたが、ホンダ(北米ではアキュラ)「NSX」は、日本を代表するスーパースポーツカーといえる存在でした。 

 初代は1989年に発表。1990年から2005年に販売されました。そしてしばらく間をあけた2014年、2代目がコンセプトモデルとしてデビュー。2016年からは2代目の生産がスタートするも、こちらは2022年で販売を終えています。

 ちなみに2代目は北米生産だったため、日本には「逆輸入」するかたちで販売が行われました。

 ところでNSX といえば、エンジンをドライバーズシート後方に置いた「ミッドシップレイアウト(MR)」のイメージが強く、それ以外は想像もできない!という人が多いかもしれません。

 なお2代目は4輪駆動車でしたが、あくまでもMRベースの4WDでした。

 しかし2代目NSXは、ひょっとして後輪駆動(FR)ベースの4WD車として出現していたかもしれない……と聞いて、にわかに信じられるでしょうか。

 スタイルやスペックが初代NSXと近く、NSXの後継車と噂されたコンセプトカー「HSC」が2003年の東京モーターショーで公開されるも、HSC以外にも「NSXの後継を開発中」としたホンダは、その言葉通り2007年のデトロイトショーでアキュラ「アドバンスド スポーツカー コンセプト(Acura Advanced Sports Car Concept)」を展示。

 しかもこのモデルでは、正式に「NSX後継」と発表されていました。

 しかしアドバンスド スポーツカー コンセプトでは、初代NSXのMRと異なりFRを採用。そのため、ボンネット内にV10エンジンを収めたロングノーズ・ショートデッキスタイルとなっていました。

 駆動方式はホンダの4輪駆動技術「SH-4WD」(スーパーハンドリング・オールホイールドライブ:Super Handling All-Wheel-Drive 日本語では「四輪駆動力自在制御システム」と称する)を採用。500ps以上と噂されたV10エンジンの高性能を、余すことなく路面に伝えることできたに違いありません。

 ロサンゼルスのHRA(ホンダR&Dアメリカ)がデザインを担当したデザインは、シボレー「コルベット」のようなマッチョなイメージ。

 ボディサイズは全長4610mm×全幅1990mm×全高1222mm、ホイールベースは2764mmで、初代NSXよりもひと回り以上大柄でした。

 いかにもアメリカ市場で受け入れられそうな外観で、プロポーションも初代NSX とまったく異なっており、「これをNSXと呼ばれても」「このデザインはどうなのだろう」と困惑する声があがるほどでした。

 ではなぜ「NSX」の後継にFRのスポーツカーが選ばれたのでしょうか。これには、市場の問題や、「高級車の常識」的な問題があったと考えられます。

 アキュラの市場は、高性能車でもMRよりFRのクルマのほうが馴染み深いアメリカ。実際にアキュラのライバルブランド・レクサスも、2005年に500psを発生するV10エンジンをフロントに載せると紹介されたコンセプトカー「LF-A」を発表しています(のちに市販化)。

 同様にアメリカを主戦場とするフェラーリも、歴代フラッグシップモデルでは一部を除いてFRを採用してきました。

 2010年発売とされた「アドバンスド スポーツカー コンセプト」の開発は進み、2008年には、ドイツのニュルブルクリンクサーキットで快音を響かせて走行しているシーンが目撃されています。

 この際は偽装が施されており、詳細は確認できませんでしたが、ディティール・フォルムともにコンセプトカーとは様子が異なっていたようでした。

 しかしホンダは世界的金融危機を理由に、「アドバンスド スポーツカー コンセプト」の開発を凍結。その後、結果として「アドバンスド スポーツカー コンセプト」はスーパーGT用のマシン「HSV-010」に、NSXは前述のように2代目のリリースを迎えることになりました。

 もし2代目NSXが「アドバンスド スポーツカー コンセプト」の市販モデルとなっていたら、今どうなっていたか…なんていう「if」を考えてみるのも楽しいかもしれません。

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