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ホンダの新型「フィットRS」なぜMTが無い? 歴代モデルにはあったのに… 将来的に「MT設定」ありえる? リアルな「期待度」とは

くるまのニュース / 2024年9月20日 11時30分

ホンダ「シビック」にMT専用車の「RS」が新設されました。「フィット」にもRSグレードがあるのですが、こちらにはMT車がありません。待望論はあるものの、実現が難しい理由とはどのようなことなのでしょうか。

■MT専用の新型「シビックRS」設定! 「フィットRS」はどうなる?

 ホンダ「シビック」が2024年9月13日にマイナーチェンジを実施し、新たなグレードとして「RS」が追加されました。
 
 新たに設定されたRSは、1.5リッターVTECターボエンジンを搭載するガソリンモデルに6速MTのみの組み合わせとし、軽快かつ意のままに操る喜びを味わえるグレードとして投入されます。

 そんなシビックには、ホッテストモデルとして「タイプR」が存在しています。タイプRは“本籍がサーキット”と言われるほどハードなモデルに仕上がっており、公道でその実力を全て解き放つのは不可能といってもいいほどのスペックを誇ります。

 その辺りはホンダとしても心得ていたようで、また、従来モデルのシビックのMT比率は58%へとかなり高く、日常使いとスポーティな走りを両立する“ちょうどいいグレード”として、MT専用の新型シビックRSを開発したというわけです。

 そして、新型シビックRSは専用の内外装や足回りの採用など特別な装備が盛り込まれているのですが、その一方で、419万8700円(消費税込)という気軽には買いづらい価格となっているのも事実。

 従来モデルでは、MT車も選べたエントリーグレード(LX)は319万円というプライスタグが付けられていたのですが、今回のマイナーチェンジでMT車はRSのみとなったため、安価に購入できるシビックのMTはなくなってしまったといえるでしょう。

 ホンダのMT車といえば、ほかにも「N-ONE RS」があり、こちらは216万400円と新型シビックRSの半額近くという価格ですが、軽自動車という点がネックという声も聞かれます。

 そこで待望論があるのが、「フィットRS」へのMTモデルの追加です。

 2020年2月に販売が開始された現行型の4代目フィットは、2022年10月にマイナーチェンジを実施し、ハイブリッドモデルのe:HEVではモーター出力の向上が、ガソリンモデルでは1.3リッターから1.5リッターへエンジンを置き換えることで走行性能を底上げし、新グレードとしてRSが追加されました。

 フィットは初代からMTが設定されており、2代目からはRSが登場し、3ペダルMTも搭載されてきたことから4代目で追加設定された現行のRSでもMTの追加が期待されましたが、現在までMTは設定されていないのが現状です。

 2024年9月5日には一部改良した新しいフィットが発売され、全グレードにオートリトラミラー、全席オートパワーウィンドウ、助手席シートバックポケット、ラゲッジルームランプなどを標準装備。

 RSには運転席シートバックポケットのほか、ガソリンモデルにシートバックスマートフォンポケット、e:HEVモデルにリアセンターアームレストを追加するなど各部がアップデートされたものの、MT車の追加は実現していません。

 実は市販車をベースに戦うスーパー耐久では現行型のフィットに旧型フィットの6速MTを移植した車両が特認制度によって出場しており、華麗な走りを披露しています。

 過酷なモータースポーツの舞台でも活躍できるほどのポテンシャルを備えているのであれば、市販車にMTが搭載されても何らおかしくないと思われるかもしれません。

 しかし、市販車では義務化が進んでいる先進安全装備とのマッチングも図らなければならず、単にトランスミッションを載せ替えるだけでOKとはいかないのが、フィットRSにMT車が追加されない大きな理由と言えるでしょう。

 現行フィットは日本だけでなく、世界各国へ輸出されていますが、海外仕様にも3ペダルMTの設定がないため、もし設定しようとすれば開発費用だけでも相当なものがかかることが想像できます。

 残念ながら現行フィットは当初の予定よりも販売台数が少なめに推移しており、コアなファンはいるものの爆発的な販売増に繋がるとは考えにくいMTの追加設定は現在のところ望み薄というのが現状となっているのです。

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