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「バイク“すり抜け”容認?」 二輪・四輪で異なる「停止線」何のため? 謎の「二段停止線」全国で減少なぜ?目的や廃止の理由を元警察官が解説

くるまのニュース / 2024年9月26日 9時10分

道路上にはときどき、二輪(バイク)用の停止線の後ろに四輪用の停止線が引かれた「二段停止線」と呼ばれる道路標示があり、二段停止線がある場所では基本的に二輪車・四輪車がそれぞれの停止線で止まらなければいけません。この二段停止線は一体何のために設置されているのでしょうか。

■二段停止線が「バイクのすり抜けを助長する」との指摘も

 道路上においてはときどき、クルマの停止線の前にバイク用の停止線がある「二段停止線」がみられます。
 
 では、この二段停止線は一体何のために設置されているのでしょうか。

 道路上にはときどき、二輪(バイク)用の停止線の後ろに四輪用の停止線が引かれた「二段停止線」と呼ばれる道路標示があり、二段停止線がある場所では基本的に二輪車・四輪車がそれぞれの停止線で止まらなければいけません。

 この二段停止線に関してSNS上では、京都府や兵庫県、香川県、徳島県など「関西・四国で見かけた」という目撃情報が寄せられた一方、「私の地域では見たことがない」という声も聞かれ、地域によって設置状況にバラつきがある様子がうかがえました。

 では、この二段停止線は一体どのような目的で設置されたのでしょうか。

 実は二段停止線はもともと、トラックをはじめ四輪車が左折時にバイクを巻き込む事故を防ぐために設置されたものです。二輪車が四輪車の前方にいれば、四輪車から二輪車を認識しやすく、また二輪車も四輪車の死角に入らずに済みます。

 経緯としては1990年代のバイクブームによってバイクの事故が増加したことを受け、1992年6月に「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」の改正案が規定され、交通量の多い交差点を中心に二段停止線の設置が広まりました。

 しかし最近では、「いかなる状況でも二輪車は二段停止線まで進まなければいけない」という誤った認識を持ったドライバーによるバイクのすり抜け行為が横行しており、問題視されています。

 たとえば信号待ちで並んでいるクルマとクルマの間にバイクがいるとき、バイクがすり抜けをして二輪の停止線まで移動する光景がみられますが、そのような状況であればバイクはその場にとどまり、停止線まで進む必要はありません。

 つまりバイクで車両の先頭になったときのみ、二輪の停止線で停止すれば良いというワケです。

 上記のように二段停止線は本来バイクの巻込み事故を防止するための設備ですが、かえって「バイクのすり抜けを助長して危険である」として、現在は全国的に廃止される傾向にあります。

 警察庁によると、全国における二段停止線の数は1996年度の9070箇所をピークに減少が続き、2022年度末には2546箇所とピーク時の3分の1以下まで減っているほか、東京都や北海道、神奈川県などでは二段停止線がすでに無くなっています。

 とはいえ二段停止線は2022年度末時点で23府県に設置されており、該当する地域の人は二段停止線を今後も利用する可能性があります。

 もしバイクで二段停止線のある交差点を通行する場合は、すり抜けをしないよう注意すべきといえるでしょう。

 バイクのすり抜けは他の車両と接触するおそれがあるだけでなく、すり抜けの方法によっては交通違反に当たります。

 一例として道路交通法第30条では、交差点や交差点の手前30m以内の部分など特定の場所における追い越しを禁止しており、バイクのすり抜けによってこのような追い越しをすれば、「追越し違反」に該当する可能性があります。

 加えて、道路交通法第32条においては赤信号で停車中の車両や渋滞中の車両の間をすり抜けて前に出る割り込み行為を禁止しており、すり抜け状況によっては「割込み等」の違反にも当たります。

 そのほか歩行者用のスペースである「路側帯」が設置されている道路で、バイクが路側帯を通行してすり抜ければ、道路交通法第17条第1項に規定する「通行区分違反」となるケースも考えられます。

※ ※ ※

 二段停止線は本来バイクの巻き込み事故を防止する目的で設置されたものの、現在は「バイクのすり抜けを助長する」として全国的に廃止傾向にあります。

 交差点付近での交通事故を防止するためバイクはすり抜けをしない、クルマも左折時の巻き込み確認を徹底するなど、お互いを尊重し合って運転することが重要といえるでしょう。

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