「エコ機能なのに…」なぜ廃止? 「アイドリングストップ」見かけなくなった? 「振動がヤダ」の声も! スイッチ無くなった理由とは
くるまのニュース / 2024年9月27日 9時10分
かつて環境に良いエコな機能として国産車の多くには信号待ちなどの停車の際、自動的にエンジンをストップさせる機能が「アイドリングストップ機能」が備わっていました。しかし最近では見かけなくなっています。なぜエコな機能なのに廃止されるのでしょうか。
■本当に必要なのか?アイドリングストップに対する消費者の声
信号待ちなどの停車の際、自動的にエンジンをストップさせる機能が「アイドリングストップ機能」です。
以前は多くのクルマにこのアイドリングストップが搭載されていましたが、最近のクルマでは見かけることが少なくなりました。何か理由があるのでしょうか。
アイドリングストップは、燃費向上や排出ガスの抑制などのメリットが享受できるため、多くの国産車に導入されていました。
また環境面以外においてもエンジン音の騒音防止などの効果があり、とくに夜間の停車の際には効果を発揮します。
アイドリングストップは国産車に採用されることが多かったですが、近年では導入車両が減少傾向にあります。
これまで、ほとんどのクルマに搭載されていたアイドリングストップ機能の減少の理由について、とある国産メーカーAの担当者は次のように話しています。
「アイドリングストップが採用された時代はメーカー、ユーザーともに燃費を意識していました。
しかし近年では表記方法の変更や、過度な燃費数値への期待も薄まったことが廃止される理由に挙げられます。
また技術革新によりアイドリングストップを採用しないでも環境性能が十分なこと、さらにはユーザーからの反響などもあり、徐々に減っています」
では、ユーザーからはどのような反響があったのでしょうか。
国産メーカーBの販売店担当者は次のように語ります。
「以前からアイドリングストップはあまり人気ではありませんでした。
実際に『渋滞時にアイドリングストップすると余計に燃費が悪くなる』や『エンジンを再始動するときに揺れるのが嫌』といった声がありました。
実際に渋滞でエンジンの停止、再始動を何度も繰り返すと、アイドリングした場合と比べて燃費が悪くなってしまいます。
その上、アイドリングストップ機能をつけようとすると通常のバッテリーと比べると大型なものが必要になり、場合によってはバッテリーの値段が二倍になってしまうことがありました。
そのため、現在はガソリン車のアイドリングストップ機能の廃止がすすめられています」
どうやら、ユーザーからすると燃費節約の恩恵は感じられず、むしろ燃費悪化や運転がしにくくなるといったデメリットを感じることが多かったようです。
また、別の国産メーカーCの販売店担当者は、以下のように話します。
「以前は多くの車両に装備されていたアイドリングストップ機能ですが、ここ数年で廃止されつつあります。
その理由としては、『本当に必要な機能なのか分からない』という声が多くあったからだと考えられます」
このようにアイドリングストップ機能によるメリットを体感できるという声がほとんど見受けられなくなったのが現状のようです。
実際にアイドリングストップ機能は燃費向上や騒音防止に対する効果は期待できますが、それ以上にクルマへの負荷がかかります。
たとえばアイドリングストップからの再始動はバッテリーやスターターモーターなどに大きな負担がかかり、実際にアイドリングストップ搭載車ではこれらの機能が強化されています。
そのため、アイドリングストップ搭載車でのバッテリー交換は、高性能なバッテリーが必要となるため、コストがかかるといえるでしょう。
このようなこともあって、アイドリングストップ車両は徐々にラインナップから姿を消していき、それまで搭載されていたモデルでもマイナーチェンジや改良などのタイミングで廃止されています。
ただし、ハイブリッド車は停車時や発進・低速時などはバッテリーの電気を使うため、アイドリングストップ機能のような働きは残っています。
そんな近年、姿を消しつつあるアイドリングストップ機能ですが、ユーザーからはどのような意見があるのでしょうか。
前述の国産メーカーAの販売店担当者は「お客様からは『余計な振動を感じなくて快適』といった反響をいただいております」と話します。
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