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660ccの「小さな高級車」ってサイコー! 超ラグジュアリーで快適すぎる「オトナの軽自動車」が存在! ダイハツ渾身のモデル「エグゼ」とは

くるまのニュース / 2024年10月24日 18時10分

小さなサイズと安価な車両価格が魅力の「軽自動車」ですが、中には高級感も兼ね備えた「ラグジュアリー仕様」のモデルも存在しました。

■オトナの「高級な軽自動車」!

「軽自動車」は、小さな車体を活かした取り回しの良さや車両価格の安さが魅力ですが、一方で「内外装の高級感が物足りない」と感じる人も。
 
 しかし過去を振り返ると、コンパクトさに高級感も兼ね備えた“上質な軽自動車”が存在しました。

 そのクルマとは、ダイハツが2009年に発売した「タントエグゼ」です。

 同車は、広々とした車内空間を確保した軽スーパーハイトワゴン「タント」の2代目モデルをベースに開発された派生モデル。

「広さ」にくわえて内外装の「高級感」も身につけており、最大の特徴が、「グラマラスシート」と名付けられた座席でした。

 これは座席の厚みをたっぷりと確保し、さらに座面に起伏を設けることで、従来の軽自動車では成し得なかった上質な座り心地を実現したシートです。

 また、シート高をベースのタントよりも15mm高く、室内高も20mm拡大したことで、先述の乗り心地にくわえて視界の良さと開放感も向上させています。

 そんなタントエグゼのインテリアは、ベージュとブラックを組み合わせた、大人に似合う落ち着いた雰囲気を採用。

 エクステリアはAピラーを大きく寝かせるなど、タントとは全く異なるスタイリッシュなデザインとし、タントシリーズの中でも大きく差別化されています。

 さらに見どころと言えるのが、リアドアに「スライドドア」ではなく高級車のような「スイング式ドア」を採用した点で、いかにダイハツがタントエグゼの開発に力を入れていたのかが垣間見えます。

 パワーユニットは、標準タイプに最高出力58馬力を発揮する直列3気筒エンジンを搭載。

 またカスタムタイプの「タントエグゼカスタム」には、最高出力64馬力の直列3気筒ターボエンジンが搭載され、トランスミッションはいずれもCVTを組み合わせていました。(タントエグゼ4WD仕様のみ4速AT)

 このように、もともと快適性が高いと評判のタントシリーズにおいても異色の存在として登場した、高級仕様モデルのタントエグゼ。

 しかし外装デザインや上質なインテリア、座り心地の良いシートは高く評価されたものの、実際の販売台数は伸びず当初の予測を下回ります。

 その理由として挙げられるのが、開発にあたって「あえてスライドドアを採用しなかったこと」だといいます。

 当時すでに軽ハイトワゴン市場では、乗り降りに便利なスライドドアをリアドアに装備することが一般的という状況でした。

 そんな中で、意図的な差別化としてスイング式ドアを採用したタントエグゼの選択が、残念ながら裏目に出てしまったのです。

 これに対しダイハツは、魅力を伸ばして商品力を高めようと、2011年にはマイナーチェンジを実施。

 外装デザインをより高級感のあるデザインに刷新するものの、それでも販売上での苦戦は続きます。

 また間の悪いことに、この頃の軽スーパーハイトワゴン市場ではホンダ「N-BOX」の初代モデルが発売されており、大きな人気を獲得していました。

 軽自動車という枠の中でかつてない上質感を備えていたタントエグゼでしたが、その魅力を多くのユーザー層に伝えきれないまま、ついに2014年9月で販売を終了。

 販売台数は約10万台となり「善戦」したとは言えるものの、後継モデルも発売されず約5年で姿を消してしまったのです。

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