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苦手な「前向き駐車」なぜコンビニでは推奨される? 「バック駐車」じゃない“意外な理由”とは? 守らなかったらどうなるのか?

くるまのニュース / 2024年10月20日 9時10分

コンビニの駐車場では「前向き駐車でお願いします」という注意書きをよく見かけます。日本ではたいていの駐車場で「バック駐車」をするのに、なぜコンビニは「前向き駐車」なのでしょうか。

■コンビニで「前向き駐車」が推奨される理由とは?

 日常的にクルマを利用する人にとって、駐車場が完備された「コンビニエンスストア(以下、コンビニ)」は安全に駐車して休憩できるオアシスとも言える存在です。
 
 そんなコンビニの駐車場でよく目にするのが、「前向き駐車でお願いします」という看板です。

 日本では商業施設の駐車場などで「バック駐車」が主流なのに、コンビニでは「前向き駐車」を推奨しています。

 なぜお店の方に“頭を向けて”駐車するように指示されるのでしょうか。大手コンビニのT店長に聞いてみました。

「隣接する近隣住民の方への配慮から、前向き駐車をお願いしています。

 通常のバック駐車の場合、排気音が店舗に跳ね返って反響し、近隣に騒音として迷惑をおかけしてしまうことを避けるためだと聞いております。

 また、アイドリング状態だと排ガスが店舗に向けられ、来店したお客様に不快な思いをさせてしまう恐れがあります。

 ただし、店舗から十分離れている駐車スペースにおいては、前向き駐車でなくても問題ありません」

 ちなみに、コンビニで前向き駐車を推奨していても、法的拘束力はありません。

 ただし、駐車スペースと店舗との距離が近いなどの事情があって推奨していることが考えられ、地域で営業する以上、近隣住民とのトラブルを回避したいという気持ちもよく分かります。

■前向き駐車するときのコツとは?

 バック駐車がメインの日本では、コンビニの前向き駐車に抵抗を感じる人も多いようです。

 海外ではほとんどの人が前向き駐車しているのですが、これは、バックするだけの十分なスペースを確保できるから。

 駐車場が狭い日本では、バック駐車のほうが退出しやすく、コンビニ以外ではバック駐車がメインとなっています。

バック駐車でキレイに整列する日本の駐車場バック駐車でキレイに整列する日本の駐車場

 そして、我々日本人にとって、バック駐車よりも前向き駐車のほうが難しいと感じる場合もあるのかもしれません。教習所の元指導員のI氏にも聞いてみました。

「日本の教習所ではバック駐車を基本とした駐車方法を学びます。

 前向き駐車は難しいテクニックはいらないのですが、場所によっては出庫時のバックでの切り返しのほうが確認しにくいため、前向き駐車が苦手な人も多いのでしょう」

 最近のクルマは死角も多いものの、バックカメラを装着することも増えたため(2022年以降のクルマは義務化)、モニターで後方を確認しながらできるバック駐車のほうがしやすいと感じる人もいるようです。

 さらにフロントはバンパー形状などが変化し、前方の車両間隔が掴みにくいことも、前向き駐車に苦手意識を持つ要因のひとつかもしれないとI氏はいいます。

「車種によっては、前向き駐車時に車輪止めにフロントバンパーぶつけてしまう可能性があります。

 たいてい車輪止めの高さは150mm前後となっていますので、スポーツカーなど車高の低いクルマはより慎重にならざるをえないでしょう」

 また、前出のT店長いわく、コンビニなどの店舗敷地の問題もあり、街道沿いなどで切り返すスペースが十分でない駐車スペースの店舗では、前向き駐車が増えてしまうそうです。

 前向き駐車のほうがバック駐車よりも駐車する時間を短縮できることから、店舗前の道路で渋滞を発生させない目的もあるかもしれません。

 ただし、前向き駐車は内輪差の関係でバック駐車よりも小回りが効きにくく、まっすぐ停めにくいことも多々あります。

 また、買い物が終わってバックで街道に出庫する場合は、後続車や歩行者の有無を十分確認して後退し、敷地内でも周囲のクルマとの接触に注意する必要があります。

 これは施設側に改善を望んでも難しいため、運転スキルを上げるしか方法がないのかもしれません。

「コツとしては、少し大回りしながら前向き駐車することです。一度でスパッと駐車できなくても切り返しなどで1台のスペース内になるべくまっすぐ停めること。

 またバック出庫では慌てずに、目視はもちろん、バックカメラの映像なども十分確認しながら出庫しましょう」(元指導員 I氏)

※ ※ ※

 前向き駐車が難しいと感じるときは、車両間隔も掴みにくい、間違ったドライビングポジションをとっている可能性もあります。

 シートバックを起こして正しい姿勢に近づければ、より車両間隔も掴みやすくなるので、運転姿勢に着目してみてもいいでしょう。

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