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相次ぐ「逆走事故」 もし見かけたらどう対処? 東名・中央道では2日連続で発生 いまだ減らない現状… 「正面衝突」による重大事故も

くるまのニュース / 2024年10月18日 13時50分

高速道路で、逆走車を見かけたらどうすればいいのでしょうか。

■「2日に1回」起こる逆走 遭遇したらどうする?

 高速道路での「逆走」が相次いでいます。この逆走は、2日に1回のペースで発生しているといい、逆走したクルマと正面衝突し、死亡事故も起きています。
 
 もし、高速道路を走行中に逆走車を見かけたら、どう対処すればいいのでしょうか。

 2024年10月18日未明、甲府市の中央道下り線で、乗用車と大型トラックが衝突し、乗用車を運転していた男性が死亡。この乗用車は逆走車だったということです。

 そして17日夜にも、愛知県岡崎市の東名高速上り線でも逆走車が発生。この逆走に伴う事故は起きなかったものの、一時岡崎IC→豊川ICの間が通行止めとなっています。

 連日発生する逆走車ですが、国土交通省が公表しているデータによれば、確認が取れたもので毎年200件程度の逆走事案が発生しています。2023年では224件で、これは2日に1回以上のペースで発生していることになります。

 さらに、2023年の逆走事案のうち、事故(物損、負傷、死亡)の割合は17%と、約2割が何らかの事故に発展しています。

 NEXCO各社や各道路会社は、こうした状況を受け、公式サイトやSNSなどで逆走車を見かけた場合の対処法を紹介しています。

 まず逆走車を見つけたら、まず周囲を確認し安全を確保したうえで、すみやかに停止することが大切です。

 このときに、ハザードを点灯させることで、後続車への注意喚起となります。

 2024年6月の伊勢湾岸道での逆走事故では、周囲のクルマによるハザード点灯で衝突を避けることができました。

 NEXCO中日本 名古屋支社は「大型車が早めに気づいたことで正面衝突とならず、さらに周りのクルマがハザードを点灯し合図することで、事故を防ぐことができました」とし、周囲のクルマ同士でのコミュニケーションの重要性を示しています。

 また、NECXO東日本によると、逆走車の多くは「追越車線」を走行するといいます。

 これは、逆走するドライバーは「逆走の認識」をもっておらず、左側通行の原則のもと、無意識的に走行しているからなのです。

 実際に過去に起きた逆走事故で、逆走したドライバーは「周囲が逆向きで走っていて、おかしいと思った」「対面通行だと思った」などと話しており、自分が正しいと思って走行していることがわかります。

 そのため、正面衝突を避けるためには、高速道路では不必要に追越車線や右側車線を走行しつづけないことも大切です。

 衝突を回避できたら、110番や道路緊急ダイヤル「#9910」、最寄りの非常電話での通報、もしくは料金所で係員に申し出ることが大切です。

 もし通報がなければ、逆走車がさらに先を走ってしまい、事故のリスクが非常に高まるため、一刻も早い通報が大切です。

 通報を受けると、交通機動隊や高速パトロールカーの出動に加えて、道路情報版に「逆走車有」などと表示されるほか、ハイウェイラジオなどでも通行しているクルマに対し、注意を呼びかけます。

 また、逆走車が走行している区間を通行止めにする規制も実施されます。

 走行中の区間でこうした表示を見かけたら、左に寄って十分に減速し、周囲の安全を十分に確かめ、衝突しないようにしましょう。

■そもそも「原因」は何なのか 「認知症の増加」も背景?

 そもそも逆走が発生する背景にはどのようなことがあるのでしょうか。

 国土交通省では2015年12月から「高速道路での逆走対策に関する有識者委員会」を設けており、原因の追求や対策方法について議論を進めています。

 そこでは、逆走事案は年齢に関係ないとしつつも、高齢者への対策や認知症のヒアリングが必要との見方を示しており、高齢者や認知症ドライバーへの対応が必要だとしています。

 また内閣府が2016年に発表した交通安全白書の概要でも、高齢化の進展や、認知症問題の顕在化といった社会状況を一因として挙げています。

高齢運転標識高齢運転標識

 実際、2023年の逆走事案224件では、65歳以上の高齢者が約7割を占めています。すべての要因別では認知症が約3割を占め、2015年〜2022年までのデータよりも増加傾向にあることがわかっています。

 こうしたことから、一定の違反行為をしたドライバーに対する臨時認知機能検査の実施をはじめ、認知症ドライバーの早期発見や免許の返納義務化などの必要性が問われています。

 一方で、道路や施設の複雑な構造が逆走を招くという見方もあります。

 高速道路は他車のスピードも速く、進路を判断できる時間が限られているうえ、さらに合流などでは全周囲の安全確認をしつつ、入り乱れる「ランプ」を通行しなくてはなりません。

 先出の国土交通省のデータでは、逆走し始める地点がICもしくはJCTだった事案が2023年では約7割となっているほか、逆走の要因としては道の間違いを発端とするものが約6割を占めています。

 また、中央道の逆走事故では、逆走車のドライバーが20代だったと報道されており、SNSなどでも初心者マークをつけたクルマによる逆走も投稿されています。

 さらに、SA・PAからの逆走も起こっており、場内の進路が非常にわかりにくいことも挙げられます。

 NEXCOや道路会社、国土交通省などは、2014年より逆走車に対する対策を検討し、実施しており、逆走を視覚的に示す看板やラバーポール、ボラード(地面埋込み型の可動式バー)の設置、カラー舗装といったものに加え、バーとともに聴覚的に抑止する音声装置を試行するといった取り組みも行われています。

 しかし、逆走ドライバーは、そもそも周りの声や案内を見聞きしようとしなかったり、自分が正しいと思い込む自己防衛心が働いているのではという声も見られます。

 そのため、海外のようにスパイクでクルマを壊すなど、物理的に逆走車を停止させる手段が必要という意見もあり、現時点では逆走車に対する有効な抑止策は見つかっておらず、一刻も早い法整備や抑止手段の実施が必要です。

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