スズキ最新「8人乗りミニバン」はスポーティな“大型グリル”採用! 3ナンバーの「スズキ最大級ミニバン」なぜ誕生した? 意外な“歴史”誇る「ランディ」とは!
くるまのニュース / 2024年10月25日 8時10分
小さなモデルを得意とする印象のスズキですが、実は大人8人が快適に乗れる立派なサイズの「ミニバン」も販売しています。一体どのようなモデルなのでしょうか。
■スズキの最新「8人乗りミニバン」特徴は!?
スズキといえば、「アルト」や「ワゴンR」をはじめとする軽自動車や、「ソリオ」「スイフト」などのコンパクトカーでお馴染みの自動車メーカーです。
比較的小さなモデルを得意とする印象のスズキですが、実は大人8人が快適に乗れる立派なサイズの「ミニバン」も販売しています。
そのモデルは、ミドルサイズミニバン「ランディ」です。
2007年に初代モデルが登場した同車は、幾度のフルモデルチェンジを繰り返し、現行は2022年に発売した4代目という、歴史のあるモデルとなっています。
このように17年にわたって販売の続いているランディですが、実はそこには少々複雑な経緯が存在。
実は初代ランディは、日産からミニバン「セレナ(3代目)」の供給を受けてスズキで販売する、いわゆるOEM車だったのです。
当時、スズキと日産が提携していたことから誕生した初代ランディは、フロントグリルやエンブレムをスズキ仕様に変えた以外は外観に大きな変更は無く、いわば「セレナっぽいけどなぜかスズキのエンブレムが付いている不思議なクルマ」でした。
また装備面ではセレナに存在する一部装備やオプションが省かれていたり、“ハイウェイスター”などの上級グレードが用意されないなど、供給元より若干淋しい設定となっていました。
しかし初代ランディはマイナーチェンジを行いながら2010年11月まで生産され、同年12月に2代目ランディが登場します。
この2代目ランディも日産のセレナ(4代目)」がベース車で、初代ランディ同様に、外観はグリルとエンブレムが異なる程度。
グレード展開は、セレナのベースグレードに相当する「2.0S」と、アクティブAFSなどの装備が追加された「2.0G」のシンプルな2グレード構成で、「2.0S」には装備を追加するセットオプションも用意されていました。
そして2016年12月には3代目ランディが登場します。
ベース車は、同年11月にデビューした5代目セレナへと改められましたが、これまで同様にデザインはフロントのグリルとエンブレムの変更にとどまり、大きな変更は無し。
一方で、セレナで評判だったハーフバックドアや乗り降りのしやすい後列スライドドアもそのまま引き継がれ、使い勝手は上々でしたが、「e-POWER」や「プロパイロット」はランディに搭載されませんでした。
またこの3代目ランディは、自動ブレーキを掛けて衝突を防ぐ「エマージェンシーブレーキ」や「踏み間違い衝突防止アシスト」などの安全装備が充実しているのも特徴で、2020年のマイナーチェンジでは「後側方衝突防止支援システム」や「車線逸脱防止支援システム」なども追加されるなど、より安全かつ使いやすいモデルへと磨きをかけていたのも事実です。
しかし2022年6月、これまで長年続いていた日産からのOEM供給が終了します。
2022年7月にフルモデルチェンジが発表され登場した4代目ランディは、トヨタのミニバン「ノア(4代目)」のOEM車に生まれ変わりました。
これにはスズキがトヨタと提携したことが関係していますが、ノアをベースとすることでランディは車体サイズがアップ。
3代目までは全幅1700mm未満の「5ナンバー」でしたが、4代目は全幅1730mmへと広がり「3ナンバー」に変わっています。
また気になる4代目ランディのスタイリングですが、歴代同様にエンブレムがスズキ仕様になるだけでなく、フードモールディングがシルバーからボディ同色に変更され、ベース車のノアとは明確に差別化が図られています。
そして機能としては、カギを持っている状態でセンサー部分に足先をかざすとスライドドアの開閉が可能な、「ハンズフリーデュアルパワースライドドア」を全車標準装備。
車両や歩行者を感知する「プリクラッシュセーフティ」などの安全装備も強化されており、より家族と安全かつ快適にドライブできるミニバンへと進化しました。
※ ※ ※
このように、スズキらしからぬサイズ感を持つランディの正体は、日産やトヨタからスズキがOEM供給を受けて販売しているミドルサイズミニバンだったのです。
また系譜は異なるものの、かつてスズキが販売していた軽自動車ベースのコンパクトミニバン「エブリイランディ」から車名を引き継いでいるところも、スズキの歴史を感じるユニークなポイントです。
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