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MT車は駐車時に「謎の儀式」行うのなぜ? “1速”や“R”にギアを入れると「発進しない」!? クルマを守る「納得の理由」とは?

くるまのニュース / 2024年10月23日 11時50分

クルマを駐車後に、AT車ではパーキングレンジ(P)を使用してサイドブレーキを掛けるのが一般的ですが、MT車ではシフトレバーを1速またはRに入れて駐車します。一体なぜなのでしょうか。

■AT車とは異なる駐車方法! MT車ならではの儀式とは?

 MT車はドライバーが自分でシフト操作を行う点でAT車とは異なります。
 
 また、MT車にはパーキングレンジが存在せず、駐車時の操作方法も異なります。
 
 そのため、MT車の所有者が駐車する際、なぜ「1速に入れる」ことがあるのかについて疑問を抱く人もいるでしょう。

 MT車の数は近年減少しており、現在では販売される国産新車の大半がAT車です。

 実際に2023年の運転免許統計を見ると、全取得者116万4801人のうちAT限定免許は78万9713人で、約68%近くに達します。

 このことからも、AT車での運転が一般的となっていることが分かります。

 しかし、MT車にはAT車にはない独自の操作感や運転の楽しさがあるため、依然として根強い人気があります。

 具体的な違いとして、トランスミッションの操作方法にあります。

 クルマが走行するためにエンジンから発生する動力をタイヤに伝えるトランスミッションは、歯車などで構成されており、これを操作することで速度やトルクを調整することができます。

 AT車ではこの操作が自動的に行われますが、MT車ではドライバー自身がギアを選び、シフトチェンジを行います。

 MT車のシフトパターンは通常、1速~6速、後退(R)のようになっており、中央にはニュートラル(N)があります。

 対してAT車はP(パーキング)、R(リバース/後退)、N(ニュートラル)、D(ドライブ/前進)」などが用意されており、Pレンジを使って駐車時には車両を固定します。

 このような違いから駐車方法もMT車とAT車とでは異なるのです。

 大半を占めるAT車の場合、パーキングレンジ(P)を使用してサイドブレーキをかけるのが一般的です。

 対してMT車では、シフトレバーを1速またはRに入れて駐車します。

 これは、サイドブレーキが完全に効かない場合でもクルマが動きにくくするためであり、特に坂道で駐車する際には、上り坂では1速、下り坂ではリバースに入れることが推奨されています。

 これにより、万が一サイドブレーキが効かない状態でも、クルマが後退したり、前進したりすることを防ぐことができるのです。

 サイドブレーキはワイヤーを引っ張ることで後輪のブレーキパッドを締め付ける仕組みになっていますが、長期間の使用によりワイヤーが伸びたり、ブレーキシステム自体に問題が発生した場合に、サイドブレーキだけではクルマが完全に固定されないことがあります。

 その為、ギア比は低く設定されているかつ発進時のトルクが高い1速やRにギアを入れることで、サイドブレーキが不十分な場合でもクルマが動いてしまうリスクを大幅に低減することができるのです。

 近年では、MT車にも電子パーキングブレーキが採用されることが増えていますが、それでも従来の手動式サイドブレーキを搭載しているモデルが多数存在しています。

 そのため、現在でもMT車の所有者は駐車時に1速またはRに入れておくことが安全対策として重要視されています。

 MT車の操作はAT車と比べて難しいと感じるかもしれませんが、その分クルマを自分でコントロールしている感覚が強く、運転の楽しさを感じることができます。

 MT車が減少傾向にあるとはいえ、こうした独特の操作性やドライビングの魅力は、多くの愛好者に支持され続けることでしょう。

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