「正しい”右左折”」できてる!? 「あおりハンドル」やってる人多すぎ! 危険な“ローカルルール”にも惑わされない「正しい運転」とは
くるまのニュース / 2024年10月30日 9時10分
順守すべき「交通ルール」とは異なる、謎の「ローカルルール」を実行する迷惑なドライバーがいるといいます。こうしたケースから身を守るためには、どのようなことに気をつけるべきでしょうか。
■謎の「ローカルルール」にはどんなものがある!?
運転免許をもつドライバーならば、「交通ルール」はしっかり学習したはず。しかしこうした基本を無視し、交差点の「右左折」においてルールを無視した「謎のローカルルール」が横行している地域があるといい、なかには重大な事故が発生するケースも。
不意のトラブルに見舞われないために、ドライバーはどのように自衛すれば良いのでしょう。そして改めて「正しい曲がり方」について紹介します。
公道をクルマで走行するうえで、守らなければならない交通ルール。
ただ、免許取得から長い年月が経過し忘れてしまっていたり、本当は違うと分かっていながら「みんながやっているし…」と、ルールから外れた運転をしているケースもあるようです。
さらにはローカルルールのような、その土地独特の運転操作を「正しい」と思い込んで取り入れてしまっている人も。
実際、街中をクルマで走行していると、交差点を左折する際にいったん右に膨らんでから左へと曲がっていったり、右折をする際に、対向の直進車や左折車の進路を妨害しかねないタイミングで右折していったりと、驚くような運転をするドライバーを見かけることがあります。
こうしたドライバーの運転操作に関しては、「ご当地走り」といわれる、その土地の風習のように根付いてしまっているローカルルールもあり、それが「正しい」もしくは「マナー」だと勘違いしているドライバーも少なくない様子です。
たとえば茨城県では、通称「茨城ダッシュ」といわれる運転操作が根付いているといいます。
これは信号が青に変わった瞬間、もしくは青に変わる前に右折待ちのクルマが飛び出して、対向の直進車が交差点に進入してくるよりも先に右折していくというものです。
茨城県警が「茨城ダッシュは交通違反です!」とウェブサイトで注意喚起するほど、頻繁に行われているようです。
茨城県警ではこの危険な行為について「横断歩行者等妨害」「信号無視」「交差点右左折方法違反」「交差点優先車妨害」といった「交通違反に相当する」可能性が高いと説明します。
茨城ダッシュに相当する謎の右折方法は、愛媛県でも多いようです。
こちらは「伊予の早曲がり」といわれており、同様に愛媛県警では「『伊予の早曲がり』は危険な交通違反です!」と注意喚起をしています。
また山梨県では、右折車が突っ込んでくるというよりも、「右折車を優先させる」というローカルルールが根付いてしまっており、直進車が右折車に道を譲るような風習があるとのこと。
同様に長野県松本市でも、右折車を先に行かせるという風習があるようです。
旅先で知らずに運転していると、譲ってもらえると思い込んでいる右折車が不意に突っ込んでくる危険もあります。
しかし当然のように、これらは道路交通法に違反する行為です。
道路交通法第37条では「車両等は、交差点で右折する場合において、当該交差点において直進し、又は左折しようとする車両等があるときは、当該車両等の進行妨害をしてはならない」と規定されています。
ご当地走りのなかには、路地が狭い地域で渋滞となることを避けるため、右折車を優先させる風習が根付いたというものもあるようです。
しかしそのようなローカルルールは、ほかの土地から来た人にとっては非常に怖いもの。
これらの地域でも多くのドライバーが、正規のルールやマナーをしっかり守って運転をしていることと思いますが、道路交通法という全国統一の法律やルールに従ってほしいと思います。
■通称「あおりハンドル」も誤ったテクニック!
ご当地走りとは違いますが、左折に関しても、勘違いをしているドライバーは少なくありません。
先述したように、いったん右側に膨らんでから左折をしていくドライバーは非常に良く見かけます。これは通称「あおりハンドル」とも呼ばれています。
交差点は交通事故のリスクが極めて高い場所だけに、より慎重な運転が求められます[画像はイメージです]
道路交通法第34条において、左折は次のように定義されています。
「あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿って徐行しなければならない」
したがってあおりハンドルは、明確な違反行為であることがわかります。
こうした誤った運転をしてしまうのには、いくつかの理由が考えられます。
ひとつには、左折時に路肩などを巻き込むのが怖いことから、無意識にしてしまうケース。
また、曲がった後に対向車線へはみ出したくないという心理も影響しているかもしれません。
さらには、大型トラックドライバーがやっているのをみて「運転テクニックのひとつ」だと勘違いしているケースも考えられそうです。
周囲のクルマや自動二輪、軽車両にとって危険であるばかりでなく、特に狭い路地でもないのにあおらないと曲がれないという、自らの「下手な運転」を示しているようなものでしかありません。
交差点の手前で確実に減速して徐行速度で交差点へ侵入し、ハンドルを大きく回せば、クルマはきちんと曲がれます。
あおりハンドルをクセにしている人は、今すぐやめるようにしましょう。
※ ※ ※
もちろんローカルルールがある地域を訪れた際も、右折車を優先するなどのローカルルールに従う必要はありません。
しかし交差点で直進する際には「右折車が突っ込んでくるかもしれない」と予測しながら、より注意深く運転することは、危険回避のためにも必要なことといえるでしょう。
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