「車検のシールをガラス真ん中ではなく運転席の上に貼られました。貼り直しできますか?」質問に回答殺到!?「ダメだろ」「分かっていますか?」の声も 法律ではどう決まってる?
くるまのニュース / 2024年11月3日 7時10分
2023年7月3日より、車検ステッカーの貼付け位置が変更となりましたが、未だにユーザーからさまざまな意見が寄せられています。どのような意見が集まっているのでしょうか。
■回答殺到!?
「車検証のシールをフロントガラス真ん中らへんではなく運転席の上段付近に貼られました、貼り直しできますか?」
そんな質問が大手質問投稿サイトに投稿され、話題を集めています。10月30日時点で回答は21件にものぼり、様々な反響があったようです。
いったいどんな声があり、実際どんな問題があるのでしょうか。
投稿者はこの質問文以外に特段の解説をしていませんが、おそらく今までは車検シールの貼付位置がフロントガラスの真ん中だったのに、「今回の車検で、貼られる場所が変わった」ということを気にしているのかもしれません。
シールは一般的に、販売店や整備工場といった代行業者が貼ってくれるので、ドライバーが「貼る位置を気にする」ことはあまりありません。逆に自分で車検場まで持っていく「ユーザー車検」の場合は自分で貼りますし、今回の質問のように「貼りなおしたい」という人もいます。
この質問に対し、「出来ません」「禁止されています」「ダメになってます」「違反です」と回答が殺到しています。
一体どういうことでしょうか。実は、最近になって“ルール”が変わったのです。
※ ※ ※
まず「車検証のシール」というのは、正式には「検査標章」と言います。これは自動車検査証の有効期間が満了する時期を示すものです。
検査標章を貼ることは、義務になっています。法律では、道路運送車両法第66条で以下のように規定されています。
「自動車は、自動車検査証を備え付け、かつ、国土交通省令で定めるところにより検査標章を表示しなければ、運行の用に供してはならない」
これに反した場合、同法第109条では「50万円以下の罰金」の対象となる可能性があります。
■「貼る位置」何で決まる? 「そういう問題じゃない」の声も
では、検査標章の「貼る場所」はどう決められているのでしょうか。それは同法の「施行規則第37条の3」に以下のように規定されています。
検査標章のイメージ
「検査標章は、自動車の前面ガラスの内側に前方から見易いように貼り付けることによつて表示するものとする」
ここまでが法律で決まっていることです。次は、「前面ガラスの中でもどのあたりに貼るのか」のルールです。これが、最近変わったのです。
要請しているのは、車検を管轄する「国土交通省 自動車局 整備課」です。具体的には2023年7月、以下のように変更されました。
●変更前:前方から見やすい位置
↓
●変更後:前方かつ、運転席から見やすい位置
変更した理由ですが、もともと「車検切れを外からチェックしやすいため」に真ん中にしていたのを、「ドライバーが自分でも車検切れに気づきやすいように」運転席側に変えたのです。
これについては国土交通省がお願いしているだけなので、罰則はありません。もっと言えば、「前面ガラスに貼るべし」という施行規則に対しても、罰則が規定されていないのが実情です。
しかし「ルール・要請無視」に対し、警察や国交省車検担当、保険会社などの心証を悪くするのは間違いなく、何らかのトラブルが起きた際に「このドライバーはルールを守らない性格です!」という事実が不利に働くかもしれません。だから車検代行業者は国交省の要請をきちんと守りますし、ドライバーもきちんと守りましょう。
※ ※ ※
なお、回答ではそもそもそういう問題以前に「剥がそうとした時点で破れるからNG」「あれは一度剥がしたら貼り直しできないです」「ステッカーですが1度剥がすと綺麗に再貼り付けはできません」と、物理的に難しいというアドバイスも多数寄せられています。
中には「事務手数料支払って再発行してもらえばいいだけの事です」という人も。
「サイドの三角の窓に張ったことがありますが、警察からは何も言われませんでした」という経験談も寄せられています。
とはいえ、先述のとおり、「こうしてください」と言われたことを守っていれば、のちのち不用意なトラブルを防げるというのは自動車の世界に限らず、どこでもあること。
国交省も「運転者の視野を妨げる場合は例外」としているので、よほどの運転の支障になるのであれば一考の余地はありますので、それ以外の場合は素直に所定の場所に貼られたままが「賢明」といえます。
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