「55万円」以上オトクな日産の新「軽ワゴン」登場! 「国内シェアナンバー1」の静音モデルに乗って分かった“軽の概念”を覆す「サクラ」の実力とは?
くるまのニュース / 2024年11月5日 20時10分
2024年6月に日産は「サクラ」の一部改良モデルを発売しました。デビュー当初から国内EVシェアナンバー1を誇る同車ですが、試乗して分かった実力とは一体どのようなものなのでしょうか。
■国内EVシェアナンバー1の理由とは?
2024年6月に日産は、軽自動車のEV(電気自動車)モデルである「サクラ」の一部改良モデルを発売しました。
これにより初めてのアップデートを受けた同車ですが、デビューして以降これまで国内EV販売でナンバー1を獲得し続けてきました。
今回はそんなサクラの最新モデルに試乗したのですが、そこから分かった実力とは一体どのようなものなのでしょうか。
サクラは、日産初の軽ハイトワゴンEVとして2022年に登場しました。
車名には、日本で最も親しみやすく愛されている花の「桜」に由来し、いつでも一緒に思い出を作っていくパートナーのようなクルマになって欲しいという想いが込められています。
軽自動車独自の小回り性能に加え、2010年に世界初の量販EVとして登場した「リーフ」の開発で培った技術がフル投入されました。
EVならではの静粛性や力強くなめらかな加速がユーザーの心を射貫き、国内のEV販売ランキングにおいては、デビュー年の2022年度以降からずっと首位を獲得。
2024年度上記国内EV販売においても約1万100台とトップを記録し、約34%のEVシェアを誇るほどの人気を博しています。
実際にユーザーから寄せられたサクラのお気に入りポイントについて、チーフマーケティングマネージャーの近藤さんは、
「国や地方からの補助金があること、自宅で簡単に充電ができる利便性、ランニングコストの安さ、そして車内が非常に静かだということと運転のしやすさ。
この5つが、お客様の気に入ったポイントとしてローンチから変わらず挙げられています」
と語っていました。
燃費20km/lの軽自動車との比較で、月750km走行、ガソリン単価175円、電気単価31円/kWhとした場合、5年間で約30万円もランニングコストがオトクになるとのこと。
補助金に関しては、価格(消費税込み)259万9300円から308万2200円で展開されているのに対して、全グレードに55万円の補助金(令和5年度補正予算クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)が国から支給されるのは大きな魅力です。
さらに、各自治体によってはさらに補助金がプラスされるとのこと。
つまり実質200万円前後からサクラを購入することができ、一気にEVが身近な存在となったと感じさせます。
またランニングコストにおいても、同サイズのガソリン軽自動車と比較して消耗部品が少なくメンテナンスコストが抑えられるうえ、エネルギーコストも大幅に圧縮できるといいます。
これらのメリットから、個人のユーザー以外にも自治体や法人でも活用されており、サステナビリティの推進に一役買っているようです。
■試乗して分かった“軽自動車超え”の魅力とは?
そんなサクラを今回は、日産グローバル本社(神奈川県横浜市)から、狭い道や登り坂の多い神奈川県逗子市、鎌倉市を中心としたコースを試乗しました。
至る所に日本伝統のモチーフが散りばめられているデザインも魅力的
試乗車は最上級モデルにあたる「Gグレード」で、高速道路単一車線での運転支援技術「プロパイロット」の標準装備にくわえて、革巻きステアリングホイールを含む「プレミアムインテリアパッケージ」やオプションの15インチホイールを装備していました。
ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1655mm、ホイールベース2495mmです。
そのコンパクトなボディに、日本の美意識を感じさせる水引デザインが内外装各所に散りばめられているほか、グリルやテールランプなどには格子(こうし)がモチーフとして表現されるなど、車名にも通じる和の世界観で統一されているデザインとなっています。
また一部改良によって、テールゲートにあるEVを主張するエンブレムが「Zero Emission」から「100%EV」に変更されていました。
登り坂でもストレスなく加速する日産「サクラ」
この日は雨が降り寒かったことから、まずはシートヒーターをオン。
以前は運転席のみだったシートヒーターも、一部改良で助手席にも標準装備(Gグレードのみ)となったのも嬉しいポイントです。
すぐに効くエアコンも相まって暖かな状態で試乗をスタートすることができました。
動き始めて最初に、軽自動車とは思えないほど車内が静かであることに驚きます。
軽自動車の多くは走行時のエンジン音やロードノイズが気になることがありますが、サクラではそれらがほとんど気になりません。
くわえて、20kWhのリチウムイオンバッテリーを車体の下部に配置し低重心化が実現されていることから、凹凸のある路面でも跳ねるような不安定な動きがなく、コーナリング時や高速道路での車線変更でもしっかりとした安心感がありました。
次に高速道路に乗って合流する時に感じたのは、ストレスのない加速性能です。
前輪を駆動するモーターの最高出力は47kW(約64馬力)、最大トルクは195Nmという、特にトルクに関しては、2リッターのガソリン車に匹敵するほどのスペックを有しています。
「エコ」「スタンダード」「スポーツ」と、3つの走行モードが設けられているのですが、街中から高速道路上においては「エコ」で必要十分に対応できるほどの加速で、モーター特有の即応性と力強さが感じられました。
その後、かなり勾配のキツイ登り坂では「スタンダード」や「スポーツ」に切り替えてみたのですが、アクセル開度に応じてストレスなくグングン登っていくのです。
アクセルをべた踏みして「ブーン」のエンジンが大きく唸る軽自動車のイメージが大きく覆された瞬間でした。
また、アクセルペダルの操作のみで速度調整が可能になる「e-Pedal」をオンにすると、アクセルオフで回生ブレーキが働くのですが、特にワインディングの下り坂では大活躍。
あまりEVに乗り慣れていない筆者でもすぐ感覚に慣れ、違和感なく運転することができました。
※ ※ ※
今回、街中から高速道路まで約60km前後の距離を試乗してみて、運転の疲れを感じなかったのも大きな魅力と言えます。
また航続距離(WLTCモード)180kmを誇ることもあって、道中バッテリー切れを気にすることなかったことから、通勤や買い物などの日常づかいから隣県くらいまでのお出かけなら、その役割を十分に担ってくれることと思います。
静粛性、トルク性能、安定感、そして快適装備を含め、これぞEVならではの環境であり、まるで軽自動車ではないひとクラス上のクルマに乗っているかのような印象を受けました。
そんなサクラは、日常のあらゆる移動シーンを豊かにしてくれる1台といえるでしょう。
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