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”国産車”の「速度計」なぜ「上限180km/h」まで? そんなに出しちゃ「ダメ」なのに…決定理由には「諸説」あり!?

くるまのニュース / 2025年1月1日 6時40分

国産車の速度メーターは、普通車の場合、多くのクルマで「180km/h(時速180キロ)」が上限となっています。なぜ多くのクルマの上限値は時速180キロとなっているのでしょうか。

■「時速180キロ上限」となった理由とは

 国産車の速度メーターは、多くのクルマで「180km/h(時速180キロ)」が上限となっています(軽自動車は140km/h)。
 
 コンパクトカーなどはさておき、セダンやSUVなどはもっと速度が出るような気がしますが、なぜ多くのクルマで上限値は時速180キロとなっているのでしょうか。

 現在市販されているすべての国産車には、時速180キロ以上は出すことができないよう、到達すると燃料の供給を止める燃料カットを行う「速度リミッター」が採用されています。

 そのためハイパフォーマンスエンジンを積んだ日産「GT-R」やホンダ「シビック タイプR」などのスポーツカーであっても、国産車は例外なく、公道で時速180キロ以上を出すことはできません(欧州基準で製造されたトヨタ「GRスープラ」は、速度リミッターが時速260キロ)。

 これは交通事故を減らすために取り入れられた、メーカーによる自主規制によるものです。

 速度超過への対策としては、かつては時速105キロを越えると「キンコン」と鳴る速度超過警告ブザー(速度警告音)なども導入されていましたが、音によって集中力を欠くなどの理由で、速度リミッターに置き換わったのです。

 時速180キロまでしか出すことができないため、多くのクルマで表示の上限も「180km/h」となっているのです。

 そもそも、燃料カットの速度を時速180キロとした理由については諸説あるようです。

 高速道路で時速100キロを維持して勾配6%の坂道を登るためには、平坦路を時速180キロが出せる性能が必要だったという説。

 表示上限を時速180キロにすると、高速走行しているときにさっと確認しやすいという説。

 そんななか筆者(自動車ジャーナリスト 吉川 賢一)は、多くの自動車メーカーが「たまたま」使っていた上限時速180キロ表示に、各メーカーが示し合わせたというのが理由ではないか、と考えています。

 似たような話で、1989年に当時の運輸省(今の国土交通省)が認定した日産の4代目「フェアレディZ」(Z32型)の最高出力280馬力をもって、自工会が自主規制ラインを280馬力にした、という件もあります。

 おそらく、自動車メーカーが時速180キロ上限としていた理由も実はそれほど根拠がなく、「なんとなくこのくらいでいいんじゃないの」というレベルだったのではないでしょうか。

※ ※ ※

 昨今は、日産GT-Rや「スカイライン NISMO」、レクサス各モデルなど、国産車でも時速180キロ以上を表示させているクルマも増えてきています。

 一方でスポーツカーにデジタルメーターを採用し、針のメーターを廃止するクルマも増えており、GRスープラや「GR86」、「GRカローラ」、シビック タイプRなどでは針のメーターのかわりに、レーシングカーのようにタコメーターを大きく中央へ表示し、シフトチェンジのタイミングを分かり易くしています。

 どんなメーター表示であっても、国産車は時速180キロ以上を出すことができないことには変わりがありません。

 フルスケール「300km/h超」のメーターを積んだスポーツカーに心躍らされるクルマ好きとしては、デジタルメーターの採用は、少々寂しくも感じます。

 視認性や無駄を排除して突き詰めれば、針の速度メーターの廃止は当然のことなのかもしれませんが、デジタルディスプレイであっても、クラシカルな針のメーター表示も残してほしいなと筆者は思います。

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