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“渋滞都市”京都が大変化!? 壮大な「堀川通バイパストンネル」計画が進行中 悲願の「信号ゼロ」実現までどこまで進んだのか

くるまのニュース / 2024年11月15日 16時40分

京都市中心部を南北に貫く大動脈「堀川通」に「信号ゼロ」を実現する「バイパストンネル」計画があります。進展はどうなっているのでしょうか。

■京都市内の道路事情に大変化!?

 京都市中心部を南北に貫く大動脈が「堀川通」です。
 
 とにかく朝夕など慢性的な渋滞に悩まされている京都中心部にあって、この堀川通に「信号ゼロ」を実現する「バイパストンネル」計画があります。

 堀川通は京都中心部の中でも数少ない、郊外まで丸ごと市街を貫くため、重宝される存在。京都駅へのアクセスも便利で、南下すればそのまま第二京阪道路になります。いっぽうすぐ東側の「烏丸通」は京都駅で分断され、西大路通は西に離れすぎています。そのほかは生活道路の域を出ません。

 そんな堀川通は、もともと川だったところに作った経緯もあり、最大8車線という大通りっぷりです。

 しかし最大の欠点が、京都市特有の「碁盤の目」であることによる「信号だらけ」状態です。2018年の調査では、北行きは朝8~10時台、南行きは17時をピークに昼過ぎから渋滞が激しくなっています。

 特にひどいのが「四条堀川」、国道9号(五条通)と接続する「堀川五条」、そしてJRを越える塩小路通~十条通の区間です。堀川塩小路では南行きが朝から晩まで延々と渋滞している状況です。

 根本解決策は立体交差です。高架で越えるか、地下を抜けることで、信号をスルーする構造です。堀川通の道幅も都合良く、スペースには余裕があるといえます。京都市では景観への配慮などで、昔からトンネル案が前提で構想されてきました。

 実現すれば、第二京阪道路の「京都中心部直通」となり、観光客を苦しめた「そもそも洛中に入るまでが果てしない」という状況が改善され、大阪方面からいきなり二条城や金閣寺まで直行することができるようになります。

 この「堀川通バイパストンネル」は2021年に国が策定した「新広域道路交通計画」にも記載され、調査路線として生きています。この計画図ではとりあえずJRをくぐる部分と、堀川五条をクリアすればいいという考え方で、調査ラインは国道9号(堀川五条)が北端となっています。

■にわかに動き出した「堀川トンネル」計画 今後どうなる?

 気になる進捗ですが、事業への最初の一歩である概要ルート決定の「計画段階評価」すら始まっていません。京都市議会でも、「なぜ計画を中止しないのですか」といった質問は毎年のように上がっていますが、それ以外は特段の進展も表に出てきません。

JR京都駅(画像:Google Earth)。JR京都駅(画像:Google Earth)。

 いっぽうで、堀川通の渋滞対策自体は、現在進行形となっています。「京都府域渋滞対策協議会」では特定の交差点でスポット的な対策工事が進められ、2020年に悪名高い堀川塩小路交差点で、横断歩道や停止線の位置、区画線の引き直しなどが行われました。

「左折待ちに引っかかって直進車が滞留する」などの状況が多少改善し、平均旅行速度は南行きで19%、北行きで6%改善したとしています。あくまで焼け石に水な対症療法にすぎず、依然として混雑に大きな改善は見られていません。

 そこで、大きな動きがあったのが2024年8月です。京都府の国会議員・府議・市議により「堀川バイパス建設促進議員連盟」が設立されたのです。

 議員が集まれば、国に対して要望をおこなう強い窓口となります。さしあたり来年2025年度の国土交通省予算からはじまり、何らかの「進展」、具体的にはまとまった調査費の計上が実現するかもしれません。ただし衆議院選挙で自民党が大敗し、政局は動きつつあるため、土木予算に対してここ数年とは違う風潮がやってくる可能性もあります。

 ところで、似た内容の大プロジェクトが、北海道札幌市で動き始めています。同じ「碁盤の目」街区である札幌市では、札樽道からまっすぐ南下して札幌駅へ直結する「創成川通バイパス地下トンネル」計画が、2021年に事業化したばかり。すでに土質調査や測量が行われ、詳細設計へ向かおうとしています。

 このプロジェクトは、北海道新幹線の札幌延伸とあわせて機運が高まったもの。同じ状況は、京都市でも「北陸新幹線の延伸」でにわかに目前に迫っています。

 果たして事業化へ達するのはいつになるのか、まずは2025年度予算から、今後の動向に注目です。

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