5速MT搭載! ダイハツ「斬新タフすぎ軽トラ」がスゴい! 全長3.4m“カクカク”デザインに「300mm超え地上高」確保! 活躍間違いナシの「マッドマスターC」は今欲しい1台
くるまのニュース / 2024年11月19日 8時10分
軽トラックが趣味の道具として一般にも支持される現在、アウトドアに最適な「タフな軽トラ」があれば支持されること間違いありません。しかしかつて、ダイハツはそうしたタフ軽トラを披露していました。
■脱着可能な「アタッチメントボディ」で趣味も仕事もOK
ダイハツ「ハイゼットトラック」は1960年の登場以来、軽トラックの定番モデルとして親しまれ、主に農業などで支持されてきました。近年ではアウトドアレジャーが浸透し、「趣味の道具」として一般ユーザーが所有することも増えています。
一方、こうした一般向けの軽トラックとして、アウトドアギアとして活躍が期待された、非常に魅力的なモデルがかつて公開されていました。
それが、ダイハツが2007年10月開催の第40回「東京モーターショー」で参考出品したコンセプトカー「MUD MASTER-C(マッドマスターC)」です。
ボディサイズは全長3395mm×全幅1600mm×全高1960mm。全幅のみ軽自動車規格(1480mm以下)を超えているため、厳密には軽トラックではないものの660ccエンジンと合わせ、「ほぼ軽トラック」といえるでしょう。
2007年の公開当時、ダイハツは「小ささと軽さが生み出す高い走破性に加えて、フレーム付ボディの圧倒的な耐久性と積載性をあわせ持つスモール&タフなトランスポーター」と説明しています。
トランスポーターとはバイクや自転車などを目的地まで運ぶクルマを指し、「トランポ」などとも呼ばれています。特にオフロードバイクやマウンテンバイクといった悪路向けの競技車両を運ぶ例が多く見られます。
マッドマスターCはまさにこうしたトランポとして設計され、サイクルスポーツ界を代表する鈴木 雷太氏と共同企画されました。
そのため、荷台は通常のトラックとは異なり、サイクリストがマウンテンバイクを収納してアウトドアへ出かけられる多彩な装備や機能を確保。具体的には居住部と連続させ、軽バンのような積載力を実現しました。
サイドは大型トラックのウイング車のように側面パネルが開き、マウンテンバイクを横から積載できるものとなっています。
なお、荷台は「アタッチメントボディ」機構を採用。マウンテンバイクの積載のみならず、各種アタッチメント脱着することでアウトドアスポーツから過酷地での仕事にも適応する、マルチなトラックとして提唱。
日常使いも仕事も趣味も、さまざまな用途に対応していたのでした。
エクステリアは非常にシンプルにまとめ、機能性を重視したスクエアなボディを採用。奇抜なデザインが多いコンセプトカーとしては現実的なもので、大きくスクエアな前後ライトやフロントグリル、ドアハンドルなどは親しみやすくタフなイメージを付与。
ボディサイドはヘッドライトから荷台まで続く太いラインを施し、ワイド感を与えています。
足回りは大径16インチオフロードタイヤを装備。フレームシャシと軽量なボディを組み合わせ、高い堅牢性を確保しました。
さらに、最低地上高は370mmを実現。悪路走破性能を示す3アングル(アプローチ・ランプブレークオーバー・デパーチャー)は具体的な数値は公表されていませんが、「余裕を確保」したといいます。
これにより、マウンテンバイクを走らせる不整地のフィールドでも十分走行できる体躯を持っていました。
パワートレインは、先述の通り660ccエンジンを搭載。ドライブシャフトとハブの接続部分にはギヤを組込んだ「ハブリダクションシステム」を採用し、高い踏破性・耐冠水性を実現。本格四輪駆動車並みの信頼性も持っていました。
詳細スペックは不明で、組み合わされるミッションや駆動方式なども明かされませんでしたが、センターコンソールのシフトパターンから5速MTを採用していたと見られます。
インテリアは加飾を減らした非常にまとまりのあるインパネに、撥水素材のシートを組み合わせ、アウトドアでの使い勝手を向上。しかし、商用車のような簡素なものではなく、当時まだ画期的だった大型ディスプレイも備え、一般ユーザーの使用を想定しています。
そんなマッドマスターCは、2007年の公開当初も非常に高い注目を浴び、十分実現しうるデザインやパッケージングから市販化への期待が大いに高まっていました。
しかし、公開から現在まで直接的な市販モデルは一切登場していません。
それから17年が経過した現在、コロナをきっかけにキャンプなどのアウトドアレジャーが一般に浸透。さらに、在宅ワークの促進などから地方への移住や田舎暮らしといった新たな生活スタイルも広がっています。
かつては仕事道具だった軽トラックが、アウトドアにおける趣味の道具としての活路が見出された今、非常に登場が待ち遠しい1台といえます。
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