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「マフラーをプレゼントしたいです…」 人によっては「防寒具」「カーパーツ」を連想!? なぜ同じ発音? 用途異なるも「包む」は共通! 実は遠い親戚だった?

くるまのニュース / 2025年1月1日 21時10分

彼氏へのプレゼントとして、「マフラーをあげる」という人もいるかもしれません。でもクルマ好きからすると一瞬、「首に巻くマフラー」か「クルマのエキゾーストのマフラー」と悩むことも。防寒具のマフラーとクルマのマフラーはどちらも同じ発音ですが、それぞれに共通点はあるのでしょうか。そのルーツを探ってみました。

■クルマのマフラーと防寒具のマフラー、ルーツは同じ?

 防寒、そして冬のオシャレには欠かせないアイテムであるマフラーですが、クルマの部品にもマフラーと呼ばれるものがあります。
 
 それぞれに共通点はあるのでしょうか。そのルーツを探ってみました。

 クルマにおけるマフラーとは、エンジンから出る排気音を低減させる部分、つまり消音器のことを指します。

 広義では、排気システム全体、あるいはそのなかでも外から見える部分だけを指すこともあります。

 その用途はまったく異なる2つの「マフラー」ですが、そこに共通点はあるのでしょうか。

 どちらのマフラーも英語では「Muffler」と表記します。これは「Muffle」に接尾辞の「-er」を加えたものです。

 そして「Muffle」を辞書で引くと「(音などを小さくするために)何かを包む」といった説明がなされています。

 クルマのマフラーの基本的な構造は、排気管を吸音材で包むことで消音するというものであるため、この説明と合致します。

 一方、1700年代後半のフランスでは、防寒具や装飾品としてカシミアや毛皮のマフラーがすでに存在していたようです。

 実際、「Muffle」という単語の歴史をさかのぼると、1400年代初頭には「何かを包んで保護すること」という意味で使用されており、さらに1500年代半ばには「首元を包むもの」という意味で用いられています。

 このことから、どちらのマフラーも「何かを包む」という意味の「Muffle」に由来していると考えられます。

 そのうえで、歴史的には防寒具のマフラーのほうが先に登場しており、クルマのマフラーはあとから追加された意味であると言えそうです。

 しかし、ここで気になるのは、現在の「Muffle」には「音などを小さくするために」という「消音」の意味が加わっていることです。

 言うまでもなく、防寒具のマフラーにはそうした意味はありません。

 では、どのタイミングで「Muffle」が「消音」の意味を持つようになったのでしょうか。

■なぜ「Muffle」は「消音」を意味するようになったのか

 文献をひもといていくと、「Muffle」が「消音」の意味を持つようになったのは1700年代前半のことと考えられています。

 ただ、この時点では内燃機関を搭載した現代的なクルマは存在しておらず、それは手漕ぎの舟に関する言葉として用いられていたようです。

 手漕ぎの舟は、オールを支えるオールロックという部分に負荷が集中するため、漕ぐたびに「ギィーギィー」という音が発生します。

 そして、この音を低減させるためにオールロックの周辺を布などでおおうことを、当時は「Muffle」という言葉で表現していたようです。

 その結果、それまでは「何かを包む」あるいは「何かを包んで保護する」という意味を持っていた「Muffle」に、「消音」という意味が加わったものと推測されます。

最近のクルマでは後方からマフラーが見えづらくなっている?(画像は新型プリウス)最近のクルマでは後方からマフラーが見えづらくなっている?(画像は新型プリウス)

 1800年代に入ると、「Muffle」は「防寒や保護のために包む」と「消音のために包む」という2つの意味へとくっきりとわかれていきます。

 興味深いのは、1850年代の時点で、すでに機械工学の世界では「Muffle」が消音器という意味で用いられているということです。

 クルマの消音器に対して「Muffle」が用いられた確実な記録があるのは、世界最初のクルマのひとつとされるメルセデス・ベンツ「パテント・モトール・ヴァーゲン」が登場しておよそ10年が経過した1895年ころのことです。

 しかし、こうした背景を考えると、クルマの消音器をマフラーと呼ぶのはさらに古くからあったと見て間違いなさそうです。

※ ※ ※

 このように、クルマのマフラーと防寒具のマフラーは、もともとは同じ単語から派生したものであると考えられます。

 ちなみに、「Muffle」という単語をさらにさかのぼると、厚手の手袋(=ミトン)を意味するフランス語の「Moufle」に行き着くようです。

 つまり、クルマのマフラーと防寒具のマフラー、そして料理道具のミトンは、「遠い親戚」であると言えそうです。

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