日本に世界が注目!? 公道激走バトルの「ラリー」開催! 3年目の「ラリージャパン」どんな感じ? トヨタ会長が語る
くるまのニュース / 2024年11月24日 9時50分
愛知県・岐阜県にてFIA世界ラリー選手権(WRC)最終戦「ラリージャパン 2024」が2024年11月21日から23日まで開催されています。ここでの開催は3年目となりますが、どのような現状なのでしょうか。
■3年目のラリージャパンどんな感じ?
2024年11月21日から23日まで愛知県・岐阜県で開催されているFIA世界ラリー選手権(WRC)最終戦「ラリージャパン 2024」。
現状での開催は3年目となりますが、どのような現状なのでしょうか。
WRC(FIA世界ラリー選手権[FIA World Rally Championship])は、FIA(国際自動車連盟)が主催するF1(フォーミュラ―1世界選手権)、WEC(世界耐久選手権)と並ぶ世界三大モータースポーツです。
1973年に創設され、伝統を誇る世界最高峰のラリー選手権となり、欧州などでは開催3日間で100万人以上を集客するビッグイベントとしても知られています。
そんなWRCは、年間を通じて世界各国の様々なコンディションの公道などを駆け抜ける競技です。
F1やWECと違い、普段その場所の住民が使っている道で世界最高峰をドライバーが駆け抜けるというのが最大の特徴と言えます。
細かな部分では、市販車をベースにしたマシンで、レースとは違い1台ずつ走行し、各競技区間(SS)のタイムを競います。
競技区間は、舗装された道だけでなく未舗装路や泥道、水たまり、雪道なども走ることになり、まさに世界一過酷な競技とも言われています。
一方で競技区間と競技区間の移動(リエゾン)は開催国の交通ルールを厳守しなければならず、稀に警察から取り締まられるチームも存在しています。
エンターテイメント要素が強い豊田スタジアム(クレジット表示: Rally Japan)
WRCの日本開催は、ラリージャパンとして2004年から2010年に北海道で開催。その後2022年11月に愛知・岐阜で12年ぶりに開催されました。
そして、2023年、2024年と主催者側に愛知県豊田市や岐阜県恵那市が参画して、自治体が中心となって運営されています。
またWRCの日本大会は、2026年から2028年まで開催することが決定済みです。
このような経緯を経た日本開催ですが、地元豊田市に拠点を置くトヨタはWRCに参戦するメーカーでもあります。
トヨタはラリートップカテゴリーのWRCをはじめ、全日本ラリーにも参戦。さらには日本でのエントリーカテゴリーとして「TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge」を全国で開催してきました。
こうしたトヨタのラリー活動は、地域の街興しも目的のひとつとして行われています。
話はラリージャパンに戻り、前回愛知県・岐阜県の開催が2年目となったラリージャパン2023の際に、豊田章男会長は次のように話していました。
「今まではWRCといえば北海道でしたが、この場所(愛知・岐阜)の開催が北海道と同じ新たな聖地になるかなと。
また2年続けて見て明らかに笑顔のシェアは増えました。まだまだ改善点は多いと思いますが、見る人、やる人、支える人、皆さんで協力する。
そうすると、こんな世界ができると多くの人に認識いただき、応援頂けるとありがたいです」
ラリーの朝は速く6時半にはすでにサービスパークで作業をしていた(筆者撮影)
そして、3年目となったラリージャパン2024。実際に競技初日となる木曜日でも豊田市駅周辺やサービスパーク(チーム拠点)がある豊田スタジアムは多くの人で賑わっていました。
さらに移動区間(リエゾン)でも平日の昼間ながら、多くのファンが沿道でWRCマシンを待ち構えているなど、この3年でファンの熱気や地元住民の理解は増えてきた印象です。
そんなラリージャパン2024について、筆者から「愛知・岐阜での開催は3年目を迎えますが、変わったこと。そして次の3年への期待を教えて下さい」という投げかけに対して、豊田章男会長は次のように話してくれました。
「まず変わったことは、明らかに来る人の数が増えました。それからニュースなどで話題になる数も変わりました。
それはもうメディアの皆さんが色々話題にしてくれたおかげってこともあると思います。
また、以前からオリンピックの時もそうでしたけど、モータースポーツも『スポーツ扱いしてよ』というように言ってきました。
そのなかで今回は、トヨタのスポーツのアスリートとモータースポーツのアスリートが一緒にトークショーをしていることで、同じスポーツの枠組に入れてきてくれてるというのが、この3年間での1番の変化だという風に思います。
それで、これから期待することは、やっぱりヨーロッパでやるWRCの3カ国(ドイツ、チェコ、オーストリア)を跨る『セントラルヨーロッパラリー』というようなものをやっていって欲しいです。
これが日本だと県を跨がるだけ、地方を跨るだけで自治体が変わって、色々な調整が大変なんです。
これをWRCのレベルでレベルでのラリー会場ということでいくと、是非とも県を超えて『これぞ日本の道』というのをもっともっと宣伝するような形でやっていただくといいなと思います。
いまその中心は豊田市がやりだしてますが、これ日本の景色を全世界で8億を超えて世界発信できてます。これは日本のプロモーションに抜群にいいと思います。
特にこの時期には紅葉が美しく、日本の8割は山ということもあり、山を駆け抜ける姿が映像が全世界に発信できるということは、自治体のがんばりも良いですが、やっぱり国の規模でやっていって欲しいですね。
ただ、国の規模といっても規制・規制という風にせずにファン目線でWRCを国際レベルに持ち上げていくのこの先だと思います。
いま、いい感じの3年間はもう進んでると思いますので、やっぱり2028年までという決断をして頂いた以上は、日本には、世界的に見てこれだけの自動車会社がある国だなっていうので終わるんじゃなくて。
モータースポーツ分野、WRCの会場としても、『ものすごく魅力的な場所』だなという風に思って頂きたいので、そこは長い勝負になりますけど、よろしくお願いをしたいと思います」
3年目の開催となったラリージャパンについて語ってくれたトヨタの豊田章男会長(筆者撮影)
※ ※ ※
このように着実にラリージャパンが定着しつつある現状ですが、日本のファンからの期待としてはトヨタ以外の日本メーカー参戦です。
現在、全日本ラリーにはスバルやダイハツなどが参戦していますが、WRCはトヨタのみで、海外メーカーでもヒョンデとフォードの3社。
かつてスバル、三菱もWRCに参戦し活躍し、ブランドを確立してきました。
その証拠にいまでも世界にはラリー参戦時代のカラーをまねたスバル車、三菱車が多く存在します。
一方で世界選手権への参加は膨大なお金と労力がかかるという現実もあり、一朝一夕には出来ないのも事実。
このあたりが上手い形で解決し、はじめの一歩はどんな形でもいいので、WRCの場に参戦してくれることをファンは願っています。
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