35年以上続いた「SUV」&マツダ「セダン」も消滅!? 2024年「販売を終えた」クルマ7車種とは
くるまのニュース / 2024年12月31日 17時10分
2024年はさまざまな新型車が登場しましたが、その一方で人知れず消滅したモデルもあります。今回はそんな2024年に生産を終えた車種について紹介します。
■新型EV(電気自動車)が多数登場したなかで消えてしまったモデルも
2024年も残すことあと1か月となりました。数々の注目の新車が発売された半面、ひっそりと姿を消した車種もあります。
今回は、残念ながら2024年に生産終了したモデルについて振り返ります。
●ホンダ「Honda e」
ホンダのEV(電気自動車)「Honda e」は、2020年8月に発表されたコンパクトなEV専用モデルです。
駆動方式はRR。室内には大型のワイドな液晶パネルを備え、サイドカメラミラーシステム(電子式ドアミラー)やフラッシュアウターハンドル(フラット式ドアノブ)を備えるなど、単にEVをコンパクトカーに仕上げるだけではなく、数々の特徴的な装備も採用され、話題のモデルでした。
しかし、2024年1月に生産終了、2024年7月までの販売となりました。
日本でのEVを取り巻く環境は厳しい面もありましたが、意欲的なモデルであっただけに海外の需要も含めて取り込めなかった点は残念です。
なお、ずばりの後継モデルは登場しませんでしたが、ホンダのEVとしては、軽商用バン「N-VAN e:」が2024年10月10日に発売されました。 新たなコンセプトでEV市場への再挑戦も注目ですね。
●トヨタ「C+pod(シーポッド)」
トヨタも同様にコンパクトなEVモデルを2024年に終了しています。
EVコンパクトなEV「C+pod(シーポッド)」は、2020年12月に法人と自治体向けに限定販売が開始され、その2021年12月から個人へのリースとして展開された2人乗りの超小型モビリティです。
大手コンビニチェーンなどで活用されている、トヨタ車体が手掛ける1人乗りの電気自動車「コムス」と比べるとシーポッドは、2人で乗車できてしっかりとしたドアを備え、ミリ波レーダーと単眼カメラを備えたプリクラッシュセーフティシステムを備えており、より軽自動車に近い立ち位置の超小型モビリティとして仕上げられておりました。
しかし個人向けにはリースという形にとどまり、個人向け販売は行われませんでした。
なお生産台数は約2000台とのことなので、街中でもほとんど見かけることもなく2024年7月に生産が終了。2024年8月に販売を終了しました。
軽EVの日産「サクラ」の販売が好調なことから、コンパクトなEVの需要はある程度あることはわかってきているので、別の形で再トライを期待したいですね。
●スズキ「イグニス」
コンパクトモデルといえば、スズキ「イグニス」も2024年に販売が終了となりました。
2016年に小型クロスオーバーSUVとして登場したイグニスは、コンパクトカーでありながらスズキの過去のモデルを想起させるデザインとSUV的な要素も盛り込まれた意欲的な新型車でした。
ちなみに、イグニスという名前自身は初代「スイフト」の海外名として使われた歴史はありますが、全世界スイフトで全世界が統一されたので、イグニスという名前は一度お蔵入りの車名となっていた状況でした。
そのため、このモデルが初代イグニスと言えるモデルとなっています。
そんなイグニスですが、スズキには、より大きな空間を備えた軽の「ハスラー」や「スペーシアギア」、コンパクトカーの「クロスビー」などもあり、結果として中途半端な立ち位置となってしまったせいか、後継モデルが出ることがなく、2024年4月に販売終了となりました。
■長い歴史を持つ伝統のモデル名も多く終了!
●スズキ「エスクード」
スズキではイグニスのほか、長い歴史のあるコンパクトSUV「エスクード」も販売終了となりました。
1988年に初代モデルが発売されエスクードは、クロスカントリーモデルのような走行性能をもつコンパクトRV(レクレーショナルビークル)として人気を博しました。
35年以上続いたスズキ「SUV」も消滅!『写真は初代モデル』
発売時は3ドアモデルのみでしたが、のちに、より乗員空間の広い5ドアモデルの「エスクードノマド」も加わり、その人気に拍車がかかりました。
その後RVのブームが終わり、販売台数が減少。4代目は日本生産ではなくハンガリーからの輸入モデルとなりました。
その4代目となる現行モデルも、ついに2024年4月18日に公式ウェブサイト「カーラインナップ」の掲載が終了し、国内での販売がひっそりと終了しました。
エスクードの歴史は終了してしまいましたが、2024年10月16日に実質的な後継モデルともいえるコンパクトSUVの「フロンクス」が発売されました。
このモデルは各社車両価格がUPしている中、ナビ付で254.1万円からのコスパの良いモデルとして登場した点も人気の一因となり、10月末時点で受注が1万台を突破するなど、いきなり大人気モデルになっています。
●三菱「RVR」
歴史のあるコンパクトSUVといえば、三菱のコンパクトSUVの「RVR」終了となっています。
1991年2月に発売され、RVブームとともに大人気モデルとなったRVR(Recreational Vehicle Runner)。
単なるRV(多目的レジャー用車両)というだけではなく、当時人気だった「ランサーエボリューション」向けのハイパワーエンジンをRVR用にデチューンしたエンジンを搭載したハイパフォーマンスモデルや、電動で前席のルーフが収納されるオープンモデルなども展開され、多彩な需要にこたえられるラインナップとなっていました。
なお、RVRをロングボディ化されたミニバンは2代目「シャリオ」として販売されるなど、様々なニーズに合わせた展開も魅力でした。
しかしRVブームが終わると、キープコンセプトの2代目RVRは2003年販売が終了。
一旦RVRの歴史はここで終了したかに思えましたが、SUVブームの広がりとともに、2010年にコンパクトSUVスタイルに変貌し復活しています。
その後14年間販売は継続しましたが、2024年4月に国内向けの生産が終了。9月30日には国内向けの販売も終了し、再びRVRの歴史に終止符が打たれました。
ちなみに、RVRは海外では「ASX」という名称で販売されており、こちらは2023年3月からルノー「キャプチャー」のOEM版として販売が継続されています。
RVRはこのまま終わってしまうのか、日本でもルノー「キャプチャー」ベースのRVRが登場するのか、またはインドネシアで生産し、2023年11月からインドネシアで発売が開始された「エクスフォース」にバトンを渡すのか今後の展開が注目ですね。
●マツダ「MAZDA6」
SUVといえば、マツダはSUV人気の時代にあわせて、SUV中心のラインナップにシフトしていますが、マツダ「MAZDA6」もその波にのまれ今年販売が終了しています。
MAZDA6はセダンとステーションワゴンをラインナップしたマツダのフラッグシップモデルとして、2019年7月に発売されたクルマです。
1970年にセダンタイプの乗用車として登場したマツダ「カペラ」は、セダンや5ドアハッチバック、3ドアクーペ、ステーションワゴンなどを展開しながら、海外では「Mazda616/618/626」などと名前を変えて人気を博しました。
そしてこのカペラは、2002年から後継モデルの「アテンザ」に日本ではバトンが渡され、同時に海外名は「Mazda626」から“Mazda6”という車名に変更されました。
なお、2012年から販売されていた3代目アテンザは2019年に7月にマイナーチェンジされ、日本でも海外と同様にMazda6という名前に統一されました。
1970年発売のカペラから脈々と続いてきたマツダのミドルクラスのセダン、ステーションワゴンの長い歴史は、2024年4月の生産終了をもって、後継モデルが用意されることなくその長い歴史に幕を閉じました。
■海外では主力のモデルも日本では受け入れられず!?
●トヨタ「グランエース」
長い歴史を終了するモデルもありますが、後継モデルとしての期待もあったものの販売終了となってしまったのが、トヨタ「グランエース」です。
わずか5年で消えてしまったトヨタ「グランエース」
グランエースは、2019年12月に発売された海外向け「ハイエース」(300系:日本未発売)ベースという、トヨタで最も大きなミニバンです。
全長5.3m、全幅1.97mのボディサイズは「アルファード」や「ヴェルファイア」よりも大きく、後席にもキャプテンシートなどを備え、多人数で快適に移動できるコミューターとして独自の立ち位置となっていたモデルでした。
ちなみに歴代ハイエースは、H10系~50系、H100系、H200系と世代交代してきました。
前述の通りH300系が海外ではH200系ハイエースの後継モデルとして売られています。
しかし日本ではH200系ハイエースが継続販売されており、グランエースと併売されていたものの、2024年4月にグランエースのみ生産終了となってしまいました。
日本の道路環境にはハイエースのサイズ感がフィットしており、様々なカスタマイズのベース車両としても大人気のモデルとなっています。
グランエースはハイエースの進化・拡大版ではありましたが、アルファードを超える巨大サイズゆえか、ハイエースの根強い人気を超える需要は得られませんでした。
※ ※ ※
2024年はコンパクトなEV2車種が市場のニーズにマッチせず販売が終了。
SUVの人気が高まっている中、新たな魅力あるSUVの登場で「3車種のSUV」と「セダン・ステーションワゴン」を備えた歴史あるモデルも終了し、根強い従来モデルの人気にはかなわず大型ミニバンが終了するなど、様々な要因で惜しまれつつ販売が終了してしまいました。
2025年3月には、スバル「レガシィ アウトバック」も販売終了との発表もあり、歴史あるモデルがまた1台無くなってしまう状況です。
ユーザ―ニーズの変化によって売れなくなってしまったモデルは市場から退場することになりますが、結果として特にステーションワゴンやセダンの選択肢が減ってしまうことは少し寂しい気もします。
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