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外環道「東名~湾岸」延伸計画はどうなった? 夢の「第三京浜直結」も!? 超便利な環状ルート「最後の1区間」がなかなか進展しない「最大の理由」とは

くるまのニュース / 2024年11月25日 16時40分

都心郊外をぐるりと回る高速道路「外環道」。関越道~東名高速からさらに延伸して、首都高湾岸線までつながる計画があります。どこまで話が進んでいるのでしょうか。

■ぐるり都心郊外の「環状バイパス」

 都心郊外をぐるりと回る高速道路「外環道」が、関越道からさらに南下して、中央道と東名高速まで接続するべく、工事中となっています。
 
 ところで、外環道は最終的に、そこからさらに延伸して、首都高湾岸線までつながる計画です。
 
 完成すればどれだけ便利になるのでしょうか。また話はどこまで進んでいるのでしょうか。

 外環道は1992年に、最初の区間である「和光IC~三郷JCT」が開通。1年半後に大泉JCTまで延伸し、関越道~東北道~常磐道をつなぐ埼玉区間が完成しました。

 そこから首都高湾岸線・東関東道の「高谷JCT」までつながるのは、四半世紀が経過した2018年のこと。反対側では大泉JCTから東名JCTまでの工事が行われていますが、ペースが遅く、まだ開通めどは立っていません。

 さて、気になる「最終工区」である、その先の「東名~湾岸」工区はどうなっているのでしょうか。

 大まかなルートは、多摩川に沿って南東へ向きを変え、羽田空港もしくは東京湾アクアラインへ直結するようなものになります。

 都内で宙ぶらりんな存在になっている有料道路「第三京浜」も、高速道路ネットワークに組み込まれることとなり、首都圏北部から横浜方面へ「信号ゼロ」ルートを提供します。

■ところで、いつになったら着工するの?

 気になる進捗ですが、道路計画は一般的に「計画段階評価」で概略ルートを決定し、それをもとに都市計画決定と環境アセスメントを完了させて、事業化を待つ段階になります。

東京湾アクアラインの玄関口である川崎浮島JCT(画像:写真AC)。東京湾アクアラインの玄関口である川崎浮島JCT(画像:写真AC)。

 計画段階評価を始める方針が示されれば、いよいよ「計画が具体化するんだな」という状況です。

 では、外環道 東名~湾岸はというと、国や沿線自治体などからなる「東京外かく環状道路(東名高速~湾岸道路間)計画検討協議会」が2016年に設立され、2023年2月に第6回目会議が開かれるなど、具体化へ向けた動き自体は続いています。

 いよいよ計画段階評価まで進めるかというと、それ以前の課題があり、頭を悩ませています。

 その課題は、「川崎縦貫道路」との計画一本化です。多摩川南岸を走る国道409号を高規格化するもので、東京湾アクアラインをそのまま西へ延伸し、登戸方面へ直結させる計画です。

 これが外環道と完全に並行することになるため、計画一本化させないと、外環道の概略ルートも、多摩川の「都内ルート」なのか「川崎市内ルート」なのか、検討しにくくなります。

 つまり、外環道 東名~湾岸を次の段階へ進めるためには、政治的判断が必要になっている状況といえます。国や沿線自治体がしっかり話を詰めて、ただ一言「川崎縦貫道路は外環道へ一本化する」という決定を行えばいいのです。

 とはいえ、第6回会議からはや2年が経過しようとしています。なかなか話が進展しないため、東京都は6月に国あて要望で「2023年2月以降開催されていない」と、会議のテンポの遅さをハッキリと指弾。そのうえで「計画を具体化するためのステップに早期に移行することが求められる」と求めているほどです。

 もっとも、関越~東名の区間すら、あと何年で完成するのか、あるいは数十年単位の話になるのかすら、判然としません。陥没箇所の果てしない地質改良作業と、北からの地道な本線掘シールド掘削を、少しずつ進めているのみです。そんななかで「その先」の話をしても、いつになるのかという思いもあるのかもしれません。

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