ダイハツの「4人乗り軽トラ」がスゴい! 旧車デザイン×斬新「屋根開きスタイル」採用! 超オシャレな“4WDマシン”「バスケット」とは
くるまのニュース / 2024年12月31日 16時10分
2009年の東京モーターショーで発表されたコンセプトカー、ダイハツ「バスケット」。斬新なコンセプトを持つ同車は、どのようなクルマだったのでしょうか。
■ダイハツのオープン軽トラック「バスケット」とは?
2009年の東京モーターショーで発表されたコンセプトカー、ダイハツ「バスケット」
その開発には当時の社会的・経済的な背景やダイハツの戦略的な目的が深く関わっている。
開発の目的の一つにあったのは、新しい市場の開拓であったろう。バスケットは、単なる移動手段ではなく、ユーザーの生活シーンを豊かにする「ライフスタイル提案型」の車として企画されたコンセプトカーだ。
都市部での使い勝手と郊外や自然でのレジャー活動、両方に対応できる柔軟性を持たせるような多用途性の追求が目的だった。
ダイハツは、親しみやすく楽しいブランドイメージを強化するため、バスケットにレトロで温かみのあるデザインを採用し、このコンセプトカーを通じてダイハツの技術力と革新的なデザイン力を内外に示す狙いがあったと思われる。
バスケットは、オープン4シーターと広いデッキで、オープンエアースタイルの軽トラックタイプであり、「スローライフビークル」と称されていた。
全長3395mm×全幅1475mm×全高1550mm、ホイールベース2490mmというボディサイズは軽規格枠に収まっている。
前席のキャンバストップと後席の取り外し可能なハードトップにより、天候や用途に合わせて車内空間を変化させることで、開放的な空間を提供している。
また、その開放的なデザインは、アウトドアシーンでの使い勝手を向上させ、自然との一体感の演出にも一役勝っているようだ。
淡いライトモスグリーンのエクステリアは、自然な風合いを感じさせるやわらかなカラーで、丸型ヘッドライトと一直線状のグリル、3本のダクトを備えるフロントフェイスは、とてもシンプルなデザインに仕上げられている。
丸みを帯びたボディラインやシンプルな造形は、懐かしさと新しさを融合させレトロな雰囲気を醸し出し、シンプルなデザインは、ユーザーが自分好みにアレンジしやすいというカスタマイズの利点も提供している。
低燃費・低排出ガスによって、軽自動車としての環境性能を最大限に活かし、エコカーとしての価値も追求している。
駆動方式には4WDを採用していたほか、乗用車のような佇まいであったことから、当時の乗用モデルをベースにしたものであったと思われる。
リアにもシートを設け、4人乗車を実現し、シートは前方に倒すことができ、デッキのスペースを拡張することが可能となっていた。
※ ※ ※
2000年代後半、日本の消費者のライフスタイルは多様化し、クルマに求める価値も移動手段から生活の一部へと変化していた時代。アウトドアやレジャー活動への関心が高まり、それに適した車が求められていた。
ユーザーは自分らしさを表現できるクルマを求め、ダイハツはそれに応える形でバスケットを企画したのである。
当時、軽自動車市場は競争が激しく、各メーカーが独自性のあるモデルを投入している。ダイハツは市場での存在感を強めるため、新しいコンセプトを持つ車の開発の必要性に迫られていたはずだ。
特に、2008年のリーマンショックにより世界的な経済不況が起こり、消費者の購買意欲が低下する中においては、経済的で実用的な車への需要が高まっていたことも影響したであろう。環境問題への意識が高まっており、低燃費・低排出ガスの車が注目されていたこも背景の一つだろう。
そして、都市生活のストレスから解放されるために、自然との触れ合いやゆったりとした生活を求める「スローライフ」志向も広がっており、キャンプやピクニックなどのアウトドア活動が人気を博し、それに適した車が求められていた。
バスケットはそのユニークなコンセプトとデザインで多くの注目を集めた。特に若い世代やアウトドア愛好家からの評価が高かったようだ。
ダイハツの技術力とデザイン力を示すだけでなく、クルマが持つ可能性を広げ、ユーザーの生活を豊かにするというビジョンを体現している。市販化には至らなかったが、「バスケット」が持つ革新的なアイデアは、今後の自動車開発にも影響を与え続けるだろう。
今後のダイハツの、ユーザーニーズに応えるための車作りを追求と、環境性能の向上や新しいライフスタイルへの対応など、未来のモビリティ社会に向けた取り組みに注目したい。
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