全長4.1mで600馬力! 日産「超“コンパクト”GT-R」がスゴい! 「V6ツインターボ」×4WDでまさかの“市販化”実現! 4ドアボディの「スーパースポーツSUV」どんなモデル?
くるまのニュース / 2024年11月28日 8時10分
2024年3月、日産「GT-R」の生産終了が発表されました。国内でも屈指の高いパフォーマンスを誇るスーパースポーツモデルですが、実はこのパワートレインをコンパクトSUVに移植してしまった異例のモデルが存在しました。
■日産公式が「売っちゃった」ヤバいモデル
2024年3月、日産は「GT-R」の2025年改良モデルを発表するとともに、この改良モデルをもって生産を終了すると明らかにしました。
登場から17年が経過してもなお、第一級のハイパフォーマンスを発揮しますが、このGT-Rのパワートレインを「コンパクトSUV」に凝縮した異例のモデルが販売されていたのです。
それが日産「ジュークR」。2010年にデビューしたコンパクトSUV「ジューク」をベースにしています。
ジュークはコンパクトなサイズにスポーツカーらしいスタイリッシュなイメージとSUVの力強さを融合させたモデルです。
デザインは直線や曲線、多角形を用いる奇抜なもので、精密機械のようなメカメカしさと、生き物のようなしなやかさを結合。非常に斬新で独創的なものとなっています。
ボディサイズは全長4135-4165mm×全幅1765-1770mm×全高1565mm、ホイールベースは2530mm。
パワートレインは1.5リッターガソリンエンジンまたは1.6リッターガソリンターボエンジンが用意され、トランスミッションはCVTのみ、駆動方式はFFおよび4WDが設定されました。
当初、あまりにも独特なデザインだったことからさまざまな声があったものの、扱いやすいサイズが人気を獲得。現在のコンパクトSUV人気の火付け役という存在になりました。
日本では2019年末に販売終了しましたが、同年に欧州で2代目が発表され、キープコンセプトのまま海外専用車として現在もラインナップされています。
そんなジュークですが、日産の欧州法人は2011年10月4日、初代ジュークをベースにしたジュークRを突如発表。同月25日にはスペインでサプライズ公開しました。
開発は欧州日産のテクノロジーセンター(NTC-E)が手掛け、製造は英国のモータースポーツ大手RMLが担当。「世界最速のクロスオーバー」と称していました。
「R」の名称の通り、パワーユニットにはGT-Rと同型の3.8リッターV型6気筒ツインターボエンジン「VR38DETT」型に6速DCTと4WDシステム「アテーサE-TS」を組み合わせ、487馬力を発揮。
ボディはロールケージが組まれ、高剛性のハイパフォーマンスサスペンションの採用など、ボディワークにも手が入れられ、Rの名に恥じぬ高性能車となっています。
GT-Rよりもホイールベースが短いことから、専用品のプロペラシャフトを取り付け、重量配分も考慮されました。
エクステリアはマットブラックに塗装され、ホイールはGT-Rと同じエンケイ製20インチの鍛造品を装着。フロントバンパーは5つの丸いロアダクトを備え、2分割リアスポイラーを装備するなど、ジュークの独特なデザインにレーシングカーのような凄みを与えられ、強烈な存在感を発揮しました。
インテリアは「R」エンブレムを装着したGT-Rと同形状のステアリングやシートなどが取り付けられています。
なお、デビュー当初はワンオフのショーカー(厳密には左右ハンドル仕様があるため少なくとも2台存在)となるはずでしたが、2012年5月、英国日産はこのジュークRを限定で市販することを発表。
市販モデルは改良が加えられたGT-R 2012年モデルをベースとすることで、553馬力へとパワーアップしました。当時の価格は5000万円程度となっています。
そして2015年6月、英国で開催されたモータースポーツイベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」において、「ジュークR 2.0」が公開。
バージョン「2.0」の言葉が意味するとおり、各部のアップデートが図られています。ベースはGT-Rのハイエンドモデル「GT-R NISMO」で、最高出力は600馬力。
デザインもよりGT-Rに近づいた形状のバンパーの装着をはじめ、一部変更。正統な進化を遂げています。なおジュークR 2.0は残念ながら市販されませんでした。
※ ※ ※
「スカイラインGT-R」を発端とするGT-Rの系譜が2025年、消滅することになります。海外のスーパースポーツとも対等に戦える国産モデルとして、歴代GT-R同様に「R35型」も語り継がれる存在となりそうです。
そのときは「コンパクトGT-R」へと変身したジュークRもまた、伝説的なモデルと言われるに違いありません。
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