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「追越車線に遅いクルマがいたので詰めたら、急ブレーキをかけられました。左車線から追い抜くと、抜かし返して幅寄せ。私が悪いのですか?」投稿に回答殺到!?「違反だろ」「迷惑」危険な思考回路に「国がとった行動」とは

くるまのニュース / 2024年12月2日 12時0分

「運転中、相手のクルマとトラブルになりました。どちらが悪いのでしょうか?」そんな質問が、大手質問投稿サイトに投稿され、話題を集めています。

■「追越車線に遅いクルマがいたので詰めたら、急ブレーキをかけられました」質問が

「東名高速道路で意味の無いブレーキをかけられました。こちらが煽ったのは非常に反省していますが、皆さんならどうしますか?」
 
 そんな質問が、大手質問投稿サイトに投稿され、話題を集めていました。回答は95件にのぼり、多くの反響があったようです。
 
 一体どんな声があり、実際どんな問題があるのでしょうか。

 投稿者は、日曜日の午後に、子どもを連れて名古屋から東京方面に走行中でしたが、急いでいることもあり「130km/h台後半のスピードで走行していました」とのこと。

 追い越し車線を走り、前に遅いクルマがいたら「少し車間を詰め気味にして、どいてもらっていました」として、さらにどいてもらえない場合は「仕方なく走行車線から抜かせてもらっていました」としています。

 ところが、豊川ICを過ぎたあたりで、トラブルが発生します。いつものように前の遅いクルマに対し車間距離を詰めたところ、詰められたドライバーは怒りをあらわに。何度も突然急ブレーキをかけて、あわや追突という状況になったそうです。

 投稿者もイライラして、グイグイ煽った挙句、左車線から追い抜きました。

 しかし、煽られて抜かれたドライバーは、さらに激怒。投稿者は「追いかけてきたり、路肩に止めるよう促すような幅寄せやウインカーで挑発された」といいます。

 投稿者にも火が付いて「一言言ってやろう」として、「駐車帯でもなんでもないところで2台縦列で停車」することに。

 結局、相手が何者かわからないこともあり、そのまま発進したのですが、その後も「抜かし返して来てはブレーキングや幅寄せなどさんざん嫌がらせをされた」と話します。

 投稿者は「正直、ビビりました…怖かったです」と語ったうえで、きっかけとなった自分の行動について「ウインカーや煽りで『どかす』のではなく、少し車間を詰めて急いでいる事を知ってもらって、なおかつ、どいてもらっていたんですが…」と。

 最後に「急いでいるのに前が空いているのに、前の車がずっと100kmで走っていたらどうしますか?」と質問しています。

■ユーザー達の反応は…

 寄せられた回答では「どうこう言う前に違反しています」「おめえの運転マナーが悪いことが一番の問題だろうが」「法律違反して被害者面は、いかがなものかと思います」「あなたの行動は、間違いなく煽りです。いろんな人間がいる世の中ですから。スピードを上げて詰めてくるだけでも、煽りととる人が多数いますよ」と、車間距離を詰めることを咎める声があります。

画像はイメージ画像はイメージ

 一方で、前を走っていたクルマに対して「追い越し車線を制限速度で走行されては大変迷惑!」「追い越し車線をチンタラ走っている車なんてゴミだからスピンでも誘発してやれ!」といった声も。

 また、同様の被害にあったユーザーは「後ろからものすごい煽りとパッシングを受けたことがあります。悪質ドライバーが逆切れして僕の車を追い越した後、急にブレーキをかけたり幅寄せの嫌がらせをしてきました」と話します。

 その悪質ドライバーはパトロールしていた警官に現行犯逮捕されたようで、逮捕を見届けたユーザーは「僕は、悪質ドライバーに馬鹿野郎と言い残し、すがすがしい気分でその場を立ち去りました」と話しています。

 多く見られたコメントは、車間距離を詰めるようなことをせず「最初からスッと左車線から抜けばいいだろ」という声でした。

■時代を感じる質問の「真相」 そして国が動いた…!?

 実はこの質問が投稿されたのは、今から16年前、2008年のこと。

 あおり運転の問題がクローズアップされた「東名高速夫婦死亡事故」が2017年のことですから、それよりも10年近く前のこととなります。

画像はイメージ画像はイメージ

「あおり運転」という概念が市民権を得ていない時代で、まだ「前の遅いクルマがいれば、詰めてどいてもらう」といった感覚が当たり前で、「急に抜かして前で急ブレーキを踏む」といった報復行動も、この頃から当たり前のように見られます。

「左車線から抜けばいいじゃないか」という声もありますが、この行為は道路交通法第28条に違反し、違反点数2点、普通車で9000円の反則金を科される可能性があります。

 というのは、追い抜くために後ろからわざわざ進路変更して再び前に出る、つまり「追い越し」という行動は、「原則として右側から行う」と規定されているからです。

 いっぽう、追い越し車線をいつまでも走り続ける行為も、交通違反になります。道路交通法第20条第1項では、「車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない」とされており、それ以外の車線を追い越し目的以外にずっと走り続けていると「通行帯違反」として、違反点数1点、普通車で反則金6000円が科される可能性があります。

 ※ ※ ※

 ところで、今回の案件は「あおり運転」に関する問題行動のオンパレードと言えるでしょう。

 どかせるために「車間距離を詰める」、それに対して「急ブレーキを踏む」、さらに「追い抜いて進路妨害をする」、挙句に「本線上で停車」。互いのドライバーが、危険行為の見本市のような様相を呈しています。

 すべては「自分は正しい。なのにアイツはけしからん。許せない!」という思考回路で展開されているのがよくわかるでしょう。

 自分と相手が同じように「自分は悪くない。アイツは悪い。アイツには何をしても許される」と考えると、どちらかが白旗を上げるまで戦闘が続きます。道路上の場合は互いに妨害運転が勃発し、クルマを武器にして決闘が行われます。周囲にとってはあまりに危険で、迷惑極まりない行動です。

 結局こうした短気な人間の心が変わることはないので、強烈な罰則で押さえつけるしか有効な方法が無いと、政府は判断しました。これを「性悪説」といいます。

 2017年の東名高速夫婦死亡事故をきっかけに、あおり運転は厳罰化。2020年に「妨害運転罪」が創設され、一発免停に。上に挙がった行為はことごとく「妨害運転」の類型にリストアップされています。

 飲酒運転と同様に、結局は厳罰化でようやく「あおり運転」が沈静化する様相を見せています。しかし、人間の突発的怒りは、時には全ての思考を超越するので、撲滅は不可能でしょう。これからは、「取り締まりがより確実に行われる仕組み」づくりも必要かもしれません。

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