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新しい「マイナ“免許証”」3月に交付スタートへ! 「マイナ保険証」に続く“カード一体化” どんなメリットがある? 「手数料が高くなる」「失くすと大変」注意点も存在

くるまのニュース / 2024年12月4日 9時10分

「マイナ保険証」が本格的に運用開始されましたが、2025年3月には運転免許証とマイナンバーカードが一体化します。一体どのようなものになるのでしょうか。

■保険証に続いて「運転免許証」も! どんなもの?

 政府は2024年12月2日、従来の保険証の新規発行を停止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」の本格運用を開始しました。
 
 さらに2025年3月、クルマの運転免許証とマイナンバーカードが2025年3月、一体化し、新たに「マイナ免許証」として運用がはじまります。一体どのようなものになるのでしょうか。

 マイナンバーカードは2016年から交付されました。数字12桁が個人に割り当てられており、住民基本台帳カードのように、各種証明書の発行や行政手続きで利用できます。

 また顔写真付きであることから本人確認としても使え、銀行口座開設などもオンラインでできるようになっています。

 一方で、管理体制の不行き届きなどから取り扱いミスや個人情報漏えいがあったり、「取得は任意」としつつも公的サービスではマイナンバーカードによる手続きに移管が進んでいることから、事実上強制取得の動きになっているという見方もあります。

 そうしたなか、マイナ保険証の運用が開始されました。医療機関などにかかるときは、保険証ではなくマイナンバーカードを使うことになります。マイナンバーカードを持っていない人は、交付される「資格確認書」を提出します。

 現在使っている保険証は、2025年12月2日をもって使えなくなります(有効期限が12月1日より前の場合は、その有効期限が切れるときまで)。

 そして、このマイナ保険証に続き、2025年3月24日からは「マイナ免許証」の運用が開始されます。

 マイナ免許証は、すでに持っているマイナンバーカードのチップに、運転免許証番号と有効期限、免許の種類、免許の条件、免許の顔写真が記録され、免許証とマイナンバーカードが一体化するものです。

 マイナンバーカードの見た目は変わりませんが、効力は通常の運転免許証と同じで、マイナ免許証を持っていればクルマを運転することができます。

 なお、マイナ免許証は現在のところ「必ずしも一体化しなければならない」というわけではありません。あくまで「希望者が対象」となっていて、従来の運転免許証も引き続き取得することができます。

また従来の免許証とマイナ免許証を「2枚持ち」することができ、運転時はマイナ免許証を持たずに、従来の運転免許証だけを持つことも可能です。

 では、マイナ免許証を持つことで、生活はどう便利になるのでしょうか。主に3つがあります。

 まず1つ目が、免許の更新時に受講する「優良運転者講習」「一般運転者講習」を「オンラインで受講」できるようになる点です。

 わざわざ運転免許センターなどに出向く必要がなくなり、都合の良い時間・場所で講習を受講でき、更新にかかる時間も短縮されます。

 一方で、視力検査や写真撮影、免許情報の書き換えは、引き続き運転免許センターや警察署で行う必要があります。また、違反運転者の「違反運転者講習」や、免許を新規取得した人がはじめて受ける「初回運転者講習」は受けられません。

 2つ目が、住所・氏名の変更がひとつの手続きで完了(ワンストップ)する点です。

 転居や結婚などで名前が変わったり、住所の変更があったりしたとき、まずは自治体で届け出してから、運転免許センターや警察署に行く必要があり、非常に煩雑でした。

 しかし、マイナ免許証にすると、自治体に届け出すれば免許証の住所や氏名も紐づけられるため、一緒に書き換えることができ、時間と労力を無駄にせずに済みます。

 そして3つ目が免許取得時と更新時の手数料が少し安くなる点です。

 マイナ免許証のみの場合、新規取得の手数料は2050円でしたが1550円に変更。更新時も2500円だったのが2100円になります。

 一方、従来の運転免許証では新規取得時が300円高い2350円に、更新時も350円高い2850円になります。

 マイナ免許証と従来の運転免許証の「2枚持ち」の場合は、新規取得が2450円、更新時は2950円と高くなります。

 ちなみに、マイナ免許証への切り替え自体には、1500円の手数料がかかります。

■なくしたらどうするの? 「1本化」デメリットは大きい

 手続きの面では非常に楽になるものの、デメリットもあります。

 1つ目が、マイナンバーカード本体が免許証の代わりになるため、券面に表示される情報が少ないことです。

 これはスマートフォンで読み取り専用のアプリをダウンロードすることで情報がわかるようになっていますが、有効期限や免許証番号が「その場ですぐ必要」なときなどは、確認が少し面倒になります。

 特に有効期限の記載がない点では、うっかり失効させてしまう可能性もあるため、十分注意が必要です。

マイナンバーカードと運転免許証マイナンバーカードと運転免許証

 2つ目が、海外でクルマを運転する場合に、やはり従来の運転免許証が必要な点です。

 国際運転免許証は、所持している免許証を翻訳したものであり、海外でクルマに乗る場合は原本の所持が必要になります。マイナ免許証にすると、免許証としての効力を持たないため、必然的に2枚持ちが必須です。

 そして、もっとも大きなデメリットは、マイナンバーカードを紛失したときのリスクが極めて大きいことです。

 これはマイナ免許証へ一体化し、従来の運転免許証を取得しなかった場合に発生するもので、もしマイナンバーカード本体を失くしてしまうと、免許証も使えず、さらに保険証としても使うことができなくなります。

 単にクルマを運転できなくなり、医療機関などにかかれないだけでなく、顔写真付きの本人確認書類がほぼないという状態になり、例えばマイナンバーカードをクレジットカードやキャッシュカードといっしょに財布に入れて紛失した場合などでは、それらのカードの再発行手続きが非常に困難になります。

 もしマイナ免許証に1本化する場合は、免許証・保険証・マイナンバーカード・印鑑証明書を取得する印鑑カードなどがすべて1つになったものという認識を深め、管理を徹底する必要があるでしょう。

※ ※ ※

 マイナンバーカードのICチップには、こうした情報だけでなく、マイナンバーカードの利用拡大に向けてたくさんの情報を取り込めるように十分な記憶容量が確保されています。

 政府では今後、マイナンバーカードの活用について議論を進めていく方針であり、その用途について注視していくことが重要です。

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