「トンネルの走行」なぜ怖い!? ドライバーの“視覚”が起こす「謎の現象」とは
くるまのニュース / 2024年12月26日 19時30分
景色が見えず、閉鎖された空間であるトンネル。実はトンネルを走っていると、ドライバーを襲う「目の錯覚」がいくつもあるといいます。どういうことでしょうか。
■トンネル走行中に陥るさまざまな「現象」とは
なぜか「トンネルの運転は怖い」と感じているドライバーは少なくないようです。
実はトンネル内を運転中のドライバーは、さまざまな「目の錯覚」と戦いながら運転をしているといいます。
トンネルの中を走行するドライバーを襲う錯覚のひとつが、「道幅が狭く感じる」というもの。
JAF(日本自動車連盟)はこの現象について「トンネル内では心理的な圧迫が強まることで、道幅が狭く感じることがある」と説明します。
そのためドライバーは、無意識のうちにアクセルペダルを緩める傾向があります。
またこのことによってトンネル内のクルマの流れは、その前後と比較し速度が緩やかになる傾向があるそうです。
加えて、道幅が狭く感じるため、右車線のクルマは無意識のうちに右側の壁から離れようとし、左車線のクルマも無意識のうちに左側の壁から離れようとします。
そのため、まるで隣の車線のクルマが幅寄せをしてきたかのような錯覚にも陥ってしまうのです。
こうして隣の車線を走るクルマが気になってしまうと、「視覚吸引作用」も引き起こしてしまう可能性があります。
首都高速道路は視覚吸引作用について、次のように説明します。
「視覚吸引作用とは、魅力的と感じた対象物や、危険と感じた対象物に、無意識のうちに身体が向かって行ってしまう人の習性のことです。
隣車線のクルマなどに注意を向けた結果、無意識に近づいて行ってしまう可能性があります」
また首都高は、トンネル内では「追従静止視界」という錯覚にも陥りやすいとしています。
ドライバーは、走行中に流れる風景によって速度を感じているのですが、トンネル内では風景が変わり映えしないため、ドライバーは速度を感じにくくなります。
そのため、クルマが止まっているかのように錯覚する“追従静止視界”に陥ってしまうのです。
さらに追従静止視界に陥ってしまうと、運転感覚も鈍ってしまいます。
そのためJAFでは、前走車がブレーキを踏んでもすぐに対応できない可能性があるほか、前走車の速度にあわせて走行していると、速度を出しすぎてしまう可能性もあると注意を呼び掛けています。
■トンネルを出入りする際に起こる「現象」にも注意が必要
またトンネルは、出る際の「ホワイトホール現象」にも注意が必要です。
ホワイトホール現象とは、暗いトンネルから急に外に出た際に、瞳孔の調整が追い付かず視界が白っぽくなってしまう現象のことをいいます。
トンネルは出入口付近でも十分な注意が必要です[画像はイメージです]
同様にトンネルに入ったときも、瞳孔の調整が追い付かないため前が見えにくくなる「ブラックホール現象」が起こり、こちらも注意が必要です。
こうしたさまざまな現象に対し、対応策はないのでしょうか。
JAFでは、道幅が狭く感じるために自然とアクセルを緩め、速度が低下することに対し「意識的にアクセルペダルを踏みこむ必要はなく、周囲の状況に合わせて適切に対応することが必要です」といいます。
もちろんほかのクルマの流れに影響がなければ、無理をせずそのままの速度で走行しても良いでしょう。
また視覚吸引作用を避けるために、少し前方の白線を意識して、直進性を保つ運転を心がけるとともに、追従静止視界による危険をさけるため、こまめにスピードメーターを確認しつつ、車間距離を十分にとる必要があります。
このほか、ホワイトホール現象による後続車からの追突を避けるためにも、尾灯(テールランプ)はトンネルを出た後も少しの間点灯させておくことを推奨しています。
※ ※ ※
運転は、認知して判断し、そして操作するの繰り返しです。
そして最初の認知の8割は、視覚による情報といわれます。
目の錯覚を招きやすい状況を理解しておくことは、安心安全な運転にもつながります。トンネルを運転する際は、これらを思い出していっそうの安全運転を心がけましょう。
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