どうなる「ホンダx日産」まさかの「エリシオンxエルグランド」「e-POWERxe:HEV」はあり得る? 2社の「研究開発機能の統合」検討で期待膨らむ…今後の行方
くるまのニュース / 2024年12月27日 9時10分
2024年12月23日に行われたホンダ、日産、そして三菱の3社合同記者会見を現地で取材したのですが、最も驚いたのは「研究開発機能の統合」という部分でした。今後どうなるのでしょうか。
■さてホンダ・日産の関係はうまくいく? 相手に惚れた理由は曖昧だったが…
ホンダ、日産、そして三菱が経営統合に向けた協議を始めました。
2024年12月23日に都内で行われた3社合同記者会見を現地で取材したのですが、最も驚いたのは「研究開発機能の統合」という部分です。
ユーザーにとって、その影響は少なくありません。
さて、今後はどうなるのか? この3社の行方は
今回の発表では、「本経営統合により想定されるシナジー効果」として7項目を挙げていますが、そのうちのひとつが「研究開発機能の統合」です。
ホンダ社員の視点でみれば「さらにまた、大規模組織再編なのか!」と思うでしょう。
ホンダは2020年4月に、四輪事業運営体制を大きく変更したのですから。
具体的には、本田技術研究所における量産車開発を丸ごと、本田技研工業(ホンダ)の四輪事業本部に移管させました。
その後も本田技術研究所は継続していますが、新たなモビリティやロボティクス、そしてエネルギーなどの新価値製品や技術の研究開発にリソースを集約しています。
ホンダ創業者の本田宗一郎氏が築き上げた、技術部門を本社と完全独立させるというホンダ独自の経営体制を、時代の流れを受けて抜本的に変更した形です。
こうした、ホンダの四輪事業本部と本田技術研究所が、神奈川県内にある日産の総合研究所と日産テクニカルセンターを含めて統合を検討するということです。
さらには、北米などグローバルでの研究開発拠点も統合の対象になります。
日産の技術者にとっても、今後の組織体制が大いに気になるでしょう。
ホンダと日産は3月に「電動化・知能化に向け、戦略的パートナーシップの検討を開始する覚書」を提携しています。
続く8月には、そうした関係から「次世代SDVプラットフォームに関する基礎的要素技術の共同研究契約」を締結するなど、段階的に2社の研究開発部門が近づいてきました。
それを今回「本経営統合後においては、これら(次世代SDVや次世代EVなど)の領域に限らず、基礎研究・車両適用技術研究等を含めた研究開発機能全体」での統合を協議するとしています。
「重複開発を統合することで開発費も削減する」という、研究開発領域における本気の「リストラクチャリング(リストラ)」に踏み切る構えです。
こうなると、ホンダと日産で「重複開発」されているどの分野のどの技術が統合され、それがどのようなモデルとして登場するのか、ユーザーとして気になるところです、
まずは、ハイブリッドです。
2社のこれまでの動向を振り返れば、日産にとってハイブリッドの導入が急務である北米市場向けに、ホンダの次世代e:HEVを採用することは、ほぼ決まりと言ってよいのではないでしょうか。
ホンダが2024年12月中旬に栃木県内の自社施設で開催した「次世代e:HEVに関する事業・技術説明会」で公開された、次世代プラットフォームと排気量2.0Lエンジン搭載の中型・次世e:HEVが、その候補となることは間違いないでしょう。
「アコードxアルティマ」や「CR-Vxエクストレイル」という相互補完がイメージできます。
では日本においては、売れ筋であるミニバンや軽自動車をどうするのか。
ミニバンについては、現時点で次期「エルグランド」登場の噂がありますが、経営統合となると仕切り直して、「エリシオン復活x次期エルグランド」となるのか。
それともこうしたモデル融合は、次のフルモデルチャンジ期になるのか、気になるところです。
軽自動車については、三菱がホンダ・日産連合の経営統合に向けた協議参加を決断した段階で、日産・三菱による合同企業NMKVが解散に向けた準備に入ることが考えられます。
量産効果で見れば、次世代Nシリーズが次世代日産・三菱の軽自動車全体をのみ込むが予想されます。
こうした研究開発機能の統合による、モデル開発の相互補完が進む中で、ユーザーにとしては「ディーラーはどうなるのか?」も気になります。
そこで、筆者は今回の会見で、ホンダの三部社長と日産の内田社長に次のように質問しました。
「経営統合によるシナジー効果として販売金融機能統合の可能性を挙げています。
また、内田さんからはバリューチェーンの変革必然とのお話もありました。
その上で、日本及び、海外市場で、販売網の再編や統合もあり得るのでしょうか?」
これに対して、両社長の回答は、会見内容を改めてなぞったり、または一般論にとどめて、販売網やディーラーという言葉を使うことを避けていた印象がありました。
経営統合は、メーカーや部品メーカーなど、製造側であるサプライチェーンの変革であると同時に、メーカーからディーラーに卸売り販売された後のバリューチェーンの変革が伴うことは当然のことです。
ユーザーにとってのクルマとは、こうしたバリューチェーンにおけるクルマを指します。
クルマづくりの中核である、ホンダ・日産・三菱の「研究開発機能の統合」が今後、バリューチェーンにどのような影響を与えるのか。
3社の協議の動向を注視していきたいと思います。
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