ホンダが「凄い技術」公開! 経営統合や新プレリュードが話題だけど… 次期「フィット&ヴェゼル」に期待!? パワトレ×シャシ刷新で何が変わる? 話題のホンダが見せる今後とは
くるまのニュース / 2024年12月26日 16時40分
2024年の年末、ホンダ・日産が経営統合に向けた協議を正式に明らかにしました。そんな世間が注目するなかで、ほぼ同時期にホンダは今後のハイブリッド技術などを公開しています。これが中々期待出来そうなものでした。
■世間ではホンダ・日産の動きが注目されるが…実はホンダ、凄い技術を公開してました!
量産ハイブリッドカーであるホンダの初代「インサイト」が1999年に誕生してから、25年の月日が流れました。
ホンダはこの間、電動化技術の進歩を止めることなく身近なコンパクトカーである「フィット」から、世界初の量産スポーツハイブリッドとなった「CR-Z」、そしてスーパースポーツカーである「NSX」に至るまで、あらゆるシーンで技術を磨いてきた印象があります。
2050年にカーボンニュートラル達成を目指すことを発表して以来、そのスピードはさらにアップしていると感じますが、ここにきてその命運を握るであろう次世代ハブリッド技術がメディアに公開されました。
そこには「時代に名を残すハイブリッドカーをつくりたい」という強い想いがあり、そのためにホンダの独自性をもう一度見極めるところからスタート。
結果として掲げられたのは、圧倒的な環境性能の高さと高出力モーターによる上質で爽快な走りを両立する、ホンダならではの2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」をさらに磨き上げ、「五感に響く移動の喜び」を提供していくという目標です。
五感に響く技術とは大きく分けて、まず軽快感につながる技術。これはパワーユニットの技術進化や、車体の軽量化を示しています。
次にSDV化も欠かせない要素とされました。HondaSENSINGをはじめ、EVとの共通化によって進化可能なポテンシャルを確保。
とくに、つながる・見守る・進化するといった、生活の可能性を拡げる技術に注力するとしています。これらを多方から突き詰めていくことで、さらに魅力的な「五感に響く」技術を実現していくことが発表されました。
具体的にどのようにして実現していくのかというと、次世代e:HEVでは小型・中型の各システムでエンジンやドライブユニットなどの構成部品、制御技術を刷新。環境性能と走行性能のさらなる向上を目指すといいます。
まず、1.5L(小型用)/2.0L(中型用)の直噴アトキンソンエンジン、フロントドライブユニット、および統合冷却システムを新開発。
エンジンは今後のグローバル環境規制への対応も踏まえ、出力を低下させることなく、全領域において理論空燃費(ガソリンを燃焼する際に酸素と燃料の比率において最も燃焼効率の良い理想的な混合比の状態)を実現。
これは、出力性能を強化しつつも同じく新開発される次世代中型プラットフォームとの組み合わせで、10%以上の燃費向上を目指します。
とくに興味深いのは、1.5Lエンジンはトルクと回転数のバランスにおいて、エンジン回転数が高効率となる領域を現行に対して40%拡大し、大幅な燃費向上を実現するという点。
これまではエンジンに頼る領域を小さくしようと試みている印象がありましたが、そうではなくエンジンを磨いてその旨みを最大限に活用する方向へとシフトしているように感じました。
これこそが、ホンダの独自性につながる技術のひとつといってよさそうです。
さらに、各ドライブモードではエンジン直結時のトルク伝達効率の向上、走行中のバッテリーアシスト活用によって、高速クルーズ時の効率的なエンジンドライブモードの活用幅を拡大することで燃費向上を図ります。
もちろんEVドライブモード、ハイブリッドドライブモードについても、電力変換およびエンジンの効率向上を図ることで、トータルでエンジン燃焼率は1.5L/2.0Lともに現行の自社・他社ハイブリッドすべてを上回ると予想しています。
また、EVと共用可能な電動AWDユニットを次世代e:HEV搭載モデルから採用。
機械式AWDで培った前後駆動力配分制御をさらに進化させ、加速時は後輪配分をアップ、旋回時は後輪配分をあげすぎないなどの最適な駆動力配分を行います。
加えて高精度で応答性の高いモータートルク制御を緻密にコントロールですることで、ライントレース性や操縦安定性を向上。最大駆動力も高まり、機械式AWDと比べて発進加速性能は40%アップしつつ、安心・安定した走行を実現します。
そしてこれらの次世代技術を受け止めるのが、全面的に刷新された次世代ハイブリッド車向けプラットフォームです。
高い操縦安定性と軽量化を実現する、新しいボディー剛性マネジメントを採用し、旋回時に車体をしならせる挙動を与えるという発想が見どころ。
これにより、タイヤへの荷重をコントロールする新たな指標を採用し、五感で感じる軽快で気持ちのいい走りを実現します。
また、新設計方式や新軽量骨格ボディーなどの採用で現行モデルより重量を約90kg軽量化。
クラストップの軽量プラットフォームを目指すとともに、モジュラーアーキテクチャー構想を採用することで、さまざまなモデルで60%以上の共用化を目指すことも発表されました。
ここに、すでにプレリュードプロトタイプの試乗でもレポートした、次世代技術である「Honda S+ Shift」を追加。
これはタコメーターなどの視覚、アクティブサウンドコントロールなどによる聴覚、変速フィールなどの体感によって、ダイレクトな駆動レスポンスと鋭い変速を意のままに操ることができる機能です。
■次期フィットやヴェゼルはどうなる? ヒントは?
今回、この次世代e:HEVの小型用システムを搭載したプロトタイプに、クローズドコースで試乗することができました。
試乗車の外観は現行のコンパクトSUVであるヴェゼルそのものですが、次世代e:HEVシステムとトランスミッションのS+ Shift、次世代電動AWDを搭載しています。
プロトタイプに試乗する直前に、現行のヴェゼルそのものでも同じコースを走り、軽やかでキビキビとしながら上質感もあるところに感心していたのですが、次世代e:HEVの試乗車で走り出すと、まず発進から電動の走行領域が拡大しているため、スルスルと伸びやかな加速が続いていきます。
エンジンがかかるところもスーッと静かで、気持ちのいいハーモニーを奏ていくような印象。
S+Shiftはアクティブサウンドコントロールは入っておらず、エンジンの原音が聴こえてきますが、それはそれでリニアで高揚感を高めてくれます。
ワインディング路に入ると、加速時のシフトアップや減速で回転を合わせてくれる感覚が楽しく、吠えるようなワイルドな音が響いて先ほどの現行ヴェゼルとはまったく別のクルマのよう。
コーナリングでは切り始めからスッと荷重移動がスマートに行われ、立ち上がりに後ろからトラクションがかかって安定させてくれるところなど、電動AWDの恩恵を感じるシーンもありました。
高速周回路ではがっしりとした接地感と安定感、加速の伸びのよさに感心。
今回の取材会では「プレリュード(プロトタイプ)」と「次世代技術」を体感
今回はまだ、次世代e:HEVと次世代電動AWDを搭載しただけで、このボディとの細かなセッティングは出していないということでしたが、それでもここまで違いが感じられるとは驚きでした。
今回は、新開発される次世代プラットフォームは中型のみの発表でしたが、近い将来には小型プラットフォームも開発されることでしょう。
そのときにはいったいどんな魅力的なモデルが登場するのか、とても楽しみになりました。もしかすると次期「フィット」や「ヴェゼル」に搭載されるかもしれません。
このほかホンダは、シリーズ開発による取引先から工場までの一貫したものづくり体質の強化、改革にも取り組んでおり、これまで見過ごされてきた多くの無駄を省いて高収益化するとともに、環境性能や従業員へのベネフィット向上なども実現するはず。
※ ※ ※
今まさに、日産・三菱との経営統合検討などで現場も揺れているかもしれませんが、ホンダらしさが凝縮して次世代に残っていくような道筋になることを願います。
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