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トヨタ新「アクア」がスゴイ! 上質ブラウン内装の「小さな高級車」仕様“ラフィネ”も追加! 「大人気コンパクトカー」の進化とは

くるまのニュース / 2025年1月8日 8時10分

2021年にフルモデルチェンジを実施した現行型(2代目)のトヨタ「アクア」は、初代と比べどう進化したのでしょうか。モータージャーナリストの藤島知子氏が、使い勝手や室内の居心地を中心に紹介します。

■「“2代目”アクア」は初代とはキャラクターが異なる!?

 トヨタのハイブリッド専用コンパクトカー「アクア」は、2021年のフルモデルチェンジを機に大きく進化を遂げました。バッテリー性能の向上のみならず、質感や快適度も大幅にアップしているのです。
 
 そんな現行アクアは、初代と比べどう変わったのでしょうか。使い勝手や室内の居心地を中心を紹介します。

 ハイブリッド専用のコンパクトカーとして2011年に登場した初代アクアは、量産モデルのガソリンエンジン車で世界一の燃費性能を追求したモデルとして注目されました。

「プリウス」などの車種に採用されてきたトヨタのハイブリッドシステム(THS-II)を小型軽量化して搭載し、圧倒的な低燃費を実現。フレンドリーなデザインもあいまって、たちまち大ヒットモデルとなりました。

 初代アクアが低燃費を追求するうえで、空気抵抗係数(Cd値)を低減することが求められ、ルーフはリアに向けて絞り込まれたフォルムになっている点も特徴的でした。

 アクアらしいユニークさが表現された機能的デザインである一方で、後席に乗り込む乗員からすると、「頭上の空間が少し窮屈に感じる」という意見も。

 一方で、内装は環境車として大切にしたい軽量化やリサイクル性が考慮されたこともあって、硬質な樹脂パーツが目につき、どちらかというと、質感の高さというよりは、シンプルで素朴なものでした。

 2021年、アクアは2代目へとフルモデルチェンジ。

 低燃費性能の追求はさることながら、世界戦略車であるコンパクトカー「ヤリス」にハイブリッドモデルが登場したことで、アクアは初代とは違った使命を請けて誕生しました。

 2代目アクアの広告のキャッチフレーズに使われた言葉は「いい。」

 日本国内専用モデルとなった2代目は、毎日のドライブシーンで扱いやすく、くつろげる空間を提供し、使って嬉しい機能性、安全性を充実させたモデルとして生まれ変わったのです。

 中でも大きく変化したのがキャビンの居心地の良さ。

 絞り込まれたスタイリングのヤリスは、前席を主役として軽快な走りを楽しませてくれますが、後部座席の広さはあまり期待できません。

 対する2代目アクアは、乗員みんなが快適に過ごせる室内空間を備えます。後席のヘッドクリアランスにも余裕があり、ドアの開口部は広く、乗り降りする際にストレスを与えません。

 また、全長がコンパクトなわりに前後の座席の間隔に余裕があるため、大人でも無理なく座ることができます。

 さらに2WDモデルには後席にドリンクホルダー付きのアームレストが設定されていることも、このクラスのモデルとしては贅沢な装備といえるでしょう。

■視界の良さが安心感と快適な居心地を生み出した

 2代目アクアの荷室は、荷物の積み降ろしがしやすいように開口幅や奥行きを拡大。エンジンやトランスミッションの他にハイブリッド専用の駆動用バッテリーやコントロールユニットを詰め込んでいるわりに容積が広くとられていることに驚かされます。

 後席の背もたれは6:4の分割可動式で、たくさん荷物を載せたいときに手軽にアレンジできます。

運転席からの視界も良好なトヨタの2代目(現行型)「アクア Z」[写真は2021年登場時のモデル]運転席からの視界も良好なトヨタの2代目(現行型)「アクア Z」[写真は2021年登場時のモデル]

 さらに、荷室の壁面にはAC100V・1500Wまでの家電製品を利用できるアクセサリーコンセントを標準装備。

 ガソリン満タン、400Wの家電を使う状況であれば、非常時にアウトドアで一般家庭の約5日分の電力を供給できるというのも、停電時など、いざというときに心強いポイントです。

 そんな2代目アクアの前席に座った時に「居心地の良さ」を感じさせる理由のひとつは、視界の良さにあります。

 フロントウインドウを支える柱が視界の邪魔になりにくく、ドアミラーとの間には隙間が設けられています。

 車内は明るいだけでなく、運転時の死角を減らせることで障害物を発見しやすく、安心感を高めてくれます。

 安全装備の面では、予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)」をはじめ、衝突リスクを減らす先進安全機能を多数用意しています。

■上質な仕立て! もはや「小さな高級車」の域に

 そして初代アクアと比べて大きな違いを感じさせるのは、内装のデザインと質感へのこだわり。

 立体的な造形で構成されたインパネはアクセントカラーを用いたパネルを組み合わせており、派手すぎないこなれた色遣いで大人が乗りこなしやすい落ち着いた雰囲気を演出しています。

トヨタ「アクア」特別仕様車「Z“Raffine”」の上質な内装トヨタ「アクア」特別仕様車「Z“Raffine”」の上質な内装

 エアコンの送風口は車内に風が回り込みやすい場所に配置されているだけでなく、家庭用の空気清浄機などでお馴染みの「ナノイーX」が搭載されていることも快適な空気環境を求めるうえで嬉しいところ。

 ウイルスや菌の繁殖の抑制や脱臭効果が期待できそうです。

 また10.5インチのディスプレイオーディオは、手持ちのスマホアプリと連携することができます。

 マップアプリに目的地を設定して地図をモニターに表示すればナビゲーションとして活用できるほか、「Amazon music」や「Sportily」などの音楽アプリで気分に応じた曲を再生すれば、ドライブ気分をさらに盛り上げてくれることは必至です。

※ ※ ※

 このように、もはやアクアは単なる環境車ではなく、ドライブの安心や居心地の良さ、快適性、さらには実用性まで欲張りに詰め込んだ、日本の環境においてベストを追求したコンパクトカーであることがわかります。

 2024年8月には、特別仕様車「Z“Raffine(ラフィネ)”」も登場。

 ブロンズカラーを内外装に施したオシャレなモデルで、フランス語で「上質」を意味するネーミングからもわかるように、2代目アクアのキャラクターをさらに高めた、いわば「小さな高級車」ともいえる仕立てが嬉しいところです。

 クルマづくりは幅広いユーザーニーズを捉えながら企画されるものですが、アクアはその隣にヤリスが居てくれることで追求できた価値があることはいうまでもありません。

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