斬新すぎる「オートマのR32 GT-R」公開！ 700馬力「爆速R35ユニット」搭載なのにめちゃ快適!? “伝説”チューナーが考えた「“究極”のGT-R」が凄かった！

世界最大級のカスタムカーの祭典「東京オートサロン2025」で、「GT-R」シリーズのカスタムを手掛けるトップシークレットが展示した「TOPSECRET VR32 STEALTH」とは、どのようなクルマなのでしょうか。

■「ほぼR35」の「R32」!? しかも筑波1分フラット…

　2025年1月10日から12日にかけ、幕張メッセ（千葉市美浜区）を会場に開催された「東京オートサロン2025」。
　
　会場にはさまざまなカスタマイズカーやチューニングカーがところ狭しと展示されていましたが、多くの人の注目を集めていたチューニングカーが、「トップシークレット」ブースの「TOPSECRET VR32 STEALTH（トップシークレット VR32 ステルス）」と名付けられたクルマでした。

　このクルマは千葉市花見川区に店舗を構えるトップシークレットの代表、“スモーキー永田”こと永田 和彦氏自らが乗りたいクルマとして作り上げたもの。

　見ての通り、ベースとなっているのはBNR32型の「スカイラインGT-R」（以下R32 GT-R）。しかし中身はほぼ、R35型「GT-R」（以下R35）となっており、永田氏の考える「究極のGT-R」となっているのです。

　1990年代に国産スポーツのハードなチューニングで名を馳せた永田氏ですが、そうしたR32 GT-Rを日常的に乗るのは疲れてしまうということで、チューンドカーでありながら2ペダルでイージードライブも可能なR35のパワートレインを総移植してしまおうというのがそもそものきっかけ。

　そのため、R35に搭載の3.8リッターV型6気筒DOHCツインターボ「VR38」型エンジンはもちろん、トランスミッションもR35のものを使用しているので、当然ながらトランスアクスル（リアデフとトランスミッションが一体化していること）化。

　これに伴って、リアシート周辺のフロアは再構築され、リアの足回りはR35のものがそのまま搭載されています。

　実はフロントもR35の4WDシステムをそのまま使用しているため、駆動系と足回りはR35とR32のものをミックスした仕様に。

　R32 GT-Rの乗り味とR35の性能を併せ持つものとなり、R35のトレッドに合わせてボディもワイド化がなされています。

　そして圧巻なのがインテリアです。

　インストルメントパネルやメーターからセンターコンソール、ドアの内張りまでR35のものが移植されているのです。

　もちろんボディサイズが著しく異なるR32へはそのまま装着ができるワケもなく、ダッシュボードは切り刻んでサイズを調整し、ドアパネルはR32のものと組み合わせることで装着。

　しかも、単にR35のものを装着しただけでなく、メーターやナビ、エアコンといった電装品もすべて通常通り使えるようになっており、エンジン始動は「インテリジェントキー」でできるなど、パワートレイン以外の機能も“ほぼR35”となっています。

　このように快適なチューニングカーとなったトップシークレット VR32 ステルスですが、チューニングカーとしての性能も抜かりなく最高出力は700PSを発揮。

　さらに筑波サーキットでのラップタイムは、市販車ではかなり速いレベルでレーシングマシンでも十分速いといえる1分フラットをマーク。

　その一方で街中を快適に走れるよう、すべて公認車検を取得済となっているのもポイント。

　ただし、このクルマは前述したように永田氏自らが乗りたい「究極のGT-R」として、採算度外視で製作したということだそう。

　残念ながら、同じ仕様を作ってほしいというリクエストは全てお断りしているそうで、まさに世界に1台だけの究極モデルとなっているのです。