もはや「新車みたい」!? 日産「“R34”スカイラインGT-R」が大復活! 25年以上前のクルマが裏の裏まで「サビ」も無しに? 日産サービスセンターの「フルレストア」モデルの仕上がりが“段違い”だった
くるまのニュース / 2025年1月22日 21時10分
「東京オートサロン2025」に展示されていた、一台のR34型「スカイラインGT-R」が話題となっています。オリジナルが現代に蘇ったといえるほどの神がかった品質でレストアされたR34GT-R。レストアしたのは、日産の子会社でした。
■26年落ち・10万キロ超え中古車が「550万円」で生まれ変わった!?
日産車の整備や修理などを行っている日産サービスセンターが、カスタムカーイベント「東京オートサロン2025」に1台のBNR34(R34)型「スカイラインGT-R」を出展しました。
この“R34”スカイラインGT-R、同社が立ち上げたレストア事業によってレストアされたものだそうです。
R34 スカイラインGT-Rのレストアを行ったのは、北海道、京浜、中部、阪神、九州、宮城の6拠点で運営される日産サービスセンター。
顧客に新車を納車する直前の最終チェックや車両整備、一般修理を行っている日産の100%子会社です。
100%子会社であることで車両の情報が入手しやすいという強みを生かし、同社は旧車のボディを限りなく新車状態へと近づけるレストアビジネスを立ち上げています。
今回展示されたR34スカイラインGT-Rは、昨年のオートサロン2024で発表した第1弾のレストア車(R32型スカイラインGT-R)に続く第2弾。
ユーザーから依頼を受けてレストアしている1999年式「Vスペック」で、走行10万キロを超えたうえ、雪国で使用されていたものらしくそれなりに錆なども進行していたようです。
なお現在は、引き続き第3弾に取り掛かっているといいます。
日産サービスセンターによるレストアは、他社が行うレストアの作業レベルとは段違いのクオリティを特徴とします。
最もダメージが蓄積されていく車体のレストアを中心に、錆びて鉄板が腐っているところは平板から切り抜いて、職人が板金して全てつくり直しているとのこと。
ぱっと見では錆がわからないところも、錆が浸食していないか、錆を追いかけて溶接を剥がしていくそうで、確認のしにくい、ポケット構造のサイドシルの中まで追いかけていくそうです。
長年の経験から、錆びやすい部位やその原因も分かっているので、徹底的に防水処理を行うことで車両寿命を大幅に伸ばすこともできるといいます。
切ったパネルを元通りに組み付ける際も専用治具を用いるため、組み立て精度もオリジナル並みの水準を誇ります。
このレストア事業を立ち上げた北海道支社長の越智 政之氏自身も、大好きで乗っていたR30型「スカイライン」の車体がやれたことで、泣く泣く手放した経験があるといいます。
ロールゲージやタワーバーなどを入れても効果がなく、クルマは車体が大切だと気が付かされたと話します。
なお現状だと年間にレストアできる台数は3台までで、今後待ちが増えていくようならば体制を変えていく予定とのことです。
※ ※ ※
日産サービスセンターによるボディレストアは、パッケージで550万円(消費税込み)のワンプライス。
価格が分かっていないレストアは、お客様としては怖いだろうということで、ひとまずこの価格としたそうです。
ボディ以外のオーバーホール、リメイクなどは別料金だそうです。
今回展示されていたR34のように、錆が進んでいるとこの価格ではビジネスにはならないとしながらも、越智さんは次のように話します。
「とにかく、長く乗れるクルマにしていくことが大切です。
長く乗ってくれるお客様に来て欲しい。日産の名車を残したい。というのが私のモチベーションにつながっています」
今後は、S130型やZ32型「フェアレディZ」、R30型やR31型スカイラインなど、自身が乗っていた1980年代から1990年代の日産車を中心に手掛けたいと話します。
過去の日産車には、今も愛され続けるような名車がたくさんあります。
こうして名車が輝きを取り戻すことは、現行モデルを手掛けるエンジニアにも励みになるはず。日産サービスセンターレストア事業の今後の活躍に期待したいです。
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