1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

過去に死亡事故も!? 迷惑な「コンビニワープ」に「警察が無力」な驚きの理由とは 信号スルーで駐車場を爆走…悪質行為には恐ろしい「厳罰」

くるまのニュース / 2025年1月21日 14時10分

交差点の左折待ちをすっ飛ばすために、コンビニ敷地内に入ってそのまま左折先の道路へ抜けていくクルマが散見されます。いわゆる「コンビニワープ」と呼ばれる行為ですが、野放しになっている現状があります。どうして取り締まられないのでしょうか。

■コンビニの敷地を無断で通過

 交差点の左折待ちをすっ飛ばすために、コンビニ敷地内に入ってそのまま左折先の道路へ抜けていくクルマが散見されます。
 
 いわゆる「コンビニワープ」と呼ばれる行為ですが、野放しになっている現状があります。どうして取り締まられないのでしょうか。

 コンビニワープは左折ショートカットだけでなく、「渋滞の前へワープする」場合もあります。道に面して手前と奥に出入口が分散している場合、コンビニ敷地内を通り抜ければ、その距離の車列をまるごと追い抜かせるというわけです。

 ワープされたコンビニの気持ちとしては、売上になる買い物をするわけでもなく、自分の敷地を走りぬけられるため、迷惑な存在です。

 コンビニワープが常態化すれば、左折交通がひっきりなしに狭い敷地を通過していき、肝心のコンビニ利用者が恐ろしくて通路をなかなか横断できず、店舗を利用できなくなります。

 コンビニだけではありません。無断侵入の被害に遭っているのは、ガソリンスタンドや医院など、角地にある店舗施設は数多くあります。さらに、広大な駐車場をもつショッピングモールやスーパーマーケットでは、ワープ効果がより高いため、「本来の道路よりも交通量が多い」という状況にもなりかねません。

 なし崩し的に「信号スルーの左折レーン」化しつつある、コンビニワープの実態。では、道路交通法でこの行為をどう取り締まっているのでしょうか。

■「我が物顔で通過」どんな法律違反になる?

 実は、道路交通法はこの「コンビニワープ」行為について、特段の禁止項目を設けていません。

コンビニのイメージ(画像:写真AC)。コンビニのイメージ(画像:写真AC)。

 その理由は単純で、コンビニなどの敷地は、公道ではなく私有地だからです。道路交通法は不特定多数が行き交う公共の空間での危険防止が目的であり(第1条)、あくまで公道で適用されるものです。

 そして特に「コンビニワープ」を禁止するとなると、なかなか難しいのです。私有地内で取り締まりを行うことは無断であれば不法侵入ですし、公道上から監視するしかありません。

 では、敷地内に出入る瞬間をとがめるのかといえば、それ自体は客として利用する行為と違いがありません。そもそも「私有地内でのトラブル」は道路と全く関係ないトラブルで、一般的な刑法の範疇内でしょう。

 このように、交通ルールで「取り締まり」を行うには、コンビニワープは蚊帳の外であるのが実情です。

 ※ ※ ※

 しかし、道路交通法は何も取り締まりだけを目的としていません。「事故が起きた場合に、加害者の不法性をとがめる」という司法判断に、重要な役目を果たします。

 たとえばいくら私有地だとして、駐車場で飲酒運転をして重大事故を起こしたらどうなるのでしょうか。駐車場をはじめ「不特定多数が行き交う、なかばパブリックな空間」では、道路交通法を適用すべき扱いとなる可能性もあります。

 さらに道路交通法では、対人事故を起こした場合に行政処分が下されます。法の目的にのっとり「自動車の運転によって他人に不利益を与えた」ことを重大視しているからです。この場合は私有地であろうと関係ありません。

 道路交通法第103条では「道路外致死傷」の項目があり、被害者の状態によって免許停止もしくは免許取消となります。

 被害が軽い順番に、治療期間が15日以上30日未満で「停止30日以上」。30日以上3か月未満で「停止60日以上」、3か月以上もしくは死亡・後遺障害の場合は「取消+欠格1年」という重い処分になります。

 さらに重大・悪質な案件では「自動車運転処罰法」で取り扱われることとなります。過失運転致死傷罪(第5条)が適用されれば7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金。危険運転致死傷罪(第2条)が適用されれば、致傷罪で15年以下の懲役、致死罪で1年以上の有期懲役となります。

 ※ ※ ※

 では、コンビニ側で対策はできるのでしょうか。店を利用しないのに敷地内を通過するのは「住居侵入罪
」(刑法第130条)に問われる可能性があります。

 この場合、無断で侵入したという主張が通りやすくなるよう、あらかじめ敷地内外に「店舗利用者以外は通行をご遠慮ください」といった告知がなされることが多いです。

 とはいえ、いざコンビニワープの現場を目撃したとして、そのまま数秒で通り過ぎてしまうため、警察が来て「御用」とはなりません。

 とあるコンビニオーナーは「駐車場を有料化して、コンビニを利用した客のみ、無料精算とする方法も考えました。しかし有料駐車場施設の導入にも多額のお金がかかるということで、結局実現できていません……」と話します。

 しかしワープによる事故が多発しているのも現状です。2020年には大分県で、焼肉店の駐車場で死亡事故も発生しています。駐車場を使ってワープしようとした軽トラックに3歳の女の子がはねられました。

「事故を起こしたら厳罰」という仕組みでは、「自分は事故を起こさないのでセーフ」という考えに逃げられてしまうだけです。事故を未然に防ぐという視点で、新たなルール作りが求められていくこととなりそうです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください