1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

外国籍でも「日本の免許」簡単に取得、なぜ? 「ホテルの住所」でOKは変わらずも…条件変わった? 「外国免許切替」の現状とは

くるまのニュース / 2025年1月27日 9時10分

訪日外国人が簡単に日本の免許を取得出来る制度と言えるのが「外国免許切替(外免切替)」です。その条件のひとつに「一時滞在したホテルの住所でもOK」というものがあり、非難の声も出ています。では現状はどうなっているのでしょうか。

■話題となった「外免切替」 何が問題?

 最近、「外国人が日本のホテルの住所で日本の運転免許証を取得している」という話が話題となりました。

 これは「外国免許切替(以下:外免切替)」という制度によるものです。

 そもそも外免切替とは、どのような制度で、何が問題となり、現状はどうなっているのでしょうか。

 2024年に日本を観光目的で訪れた訪日外国人(以下、訪日外客)は36,869,900人。過去最高だった2019年の31,882,049人を約500万人上回り、年間過去最高を更新しました。

 そしてJNTO(日本政府観光局)の調査統計では訪日外客の約7~8%が旅行の際の交通手段にレンタカーを利用していることがわかっており、2024年は約300万人の訪日外客がレンタカーを利用していると推測できます。

 日本で訪日外客が運転する場合、一般的には国際免許が必須です。

 国際免許にはパリ条約、ウィーン条約、ワシントン条約、ジュネーブ条約の各様式があり、日本で有効なのはジュネーブ条約(1949年)様式だけです。

 なお、ジュネーブ条約締約国であっても、ロシアやセルビアなどで発行される国際免許は、ジュネーブ様式ではないため日本では「無効(=無免許と同じ扱い)」となりレンタカーの貸し出しもできません。

 一方でジュネーブ条約を締約していないフランス、モナコ、ベルギーなどは日本との2国間の取り決めで運転できるようになっており、こうした国を合計すると世界約100か国となります。

 また、中国やベトナムはジュネーブ条約締約国ではないため、これらの国の訪日外客は日本で運転することはできません。

 しかし、中国やベトナムなどジュネーブ以外の国の人々が運転している情報は常日頃よく目にします。

 その理由が外免切替という制度のためです。

 これは外国で取得した有効な運転免許を比較的簡単な手続きで日本の免許に切り替える手続きのこと。

 自国免許の有効期間が残っていることはもちろんですが、運転免許を取得して3か月以上その国に滞在していることも必須条件となります。

 国によっても必要な書類や試験が異なっており、29か国では学科試験、技能試験いずれも免除されたうえで日本の運転免許に書き換えができます。

 外免切替を取得する手順は国によって異なっています。ジュネーブ条約締約国を中心に約30の国では筆記試験も技能試験も免除。

 基本は書類のやりとりだけの簡単な手続きで切替が終了しますが、中国やベトナムなど、ジュネーブ以外の国では筆記+技能試験が科せられます。

 なお外免切替の手続きに必要書類は下記の通りです。

ーーー
 1.有効な外国の運転免許証

 2.上記運転免許証の日本語による翻訳文
 この翻訳文は当該国の駐日大使館で取得してくるか、日本で取得する場合はJAFの他にジップラス株式会社での翻訳が指定される国々もあります。

 3.本籍(国籍等)が記載された住民票の写し(コピー不可)(住民基本台帳法の適用を受ける方)

 4.パスポート、外務省など権限のある機関が発行する身分証明書(住民基本台帳法の適用を受けない方)

 5.国籍が記載された日本の住民票または一時帰国(滞在)証明書
 ※こちらは免許申請上の住所に関し、居住地に滞在していることを証明する書類となります。知人や友人、親戚などの家の他、宿泊しているホテルに書いてもらう証明書でもOK。
ーーー

 なお外免切替に関しては2024年10月頃から話題となっており、とくに上記5.の「ホテルの住所でOK」という部分は多くの日本のユーザーから非難の声が出ました。

 実際に日本のユーザーからは「1泊しただけのホテルでも一時帰国(滞在)先として申請できる」、「二択の学科試験が10問中7問正解で合格」などの事実により「外免切替で日本の免許を簡単に取得できるのはどうなのか!」と非難されています。

 なお技能試験はほどほどに難しいとされており、合格率は3割程度です。中には何度も受ける外国人も存在しています。

 もうひとつ、問題視されるのが「日本語がほとんどわからなくても道交法の知識が不十分でも外免切替という制度を使えばどんな国の人でも日本の免許が取得できてしまうこと」です。

 外免切替は国際的なルールや日本の免許制度で認められた合法的な手段とはいえ、納得がいかない人も少なくないでしょう。

■実際の状況は? 外免切替のルールが変わった? 警視庁ではより厳しく!?

 外免切替という制度により、日本で運転する訪日外客が増えているようですが、実際の状況はどうなっているのでしょうか。

 利用客のほとんどが訪日外客という神奈川県のレンタカー会社にたずねてみました。

「2024年6月頃に中国籍のお客様が手続きの際、日本の免許を出されたのでとても驚いたのを覚えています。

 弊社ではこちらが初めての『外免切替』のお客様でした。

 免許証の住所欄にはホテルの名前が記載されていてとても驚きました。

 中国はジュネーブ交通条約の加盟国ではないため、日本で有効なジュネーブ様式の国際免許を発給することができません。

 このことはもちろん知っていましたが、外免切替で日本の免許を取得すれば中国籍でも日本で運転できることをその時に初めて知りました。

 そのお客様は外免切替を効率良く取得するために入念に準備をし、数か月かけて取得されたそうです。

 以前、日本の会社に勤めていた人だったので情報をお持ちだったのでしょう。

 その後も数名が外免切替で取得した日本の免許で借りに来られました。

 すべて中国籍の人でしたが、数としてはごくわずかです。中国籍の人は香港で国際免許を取得される人が多いようです。

 香港はジュネーブ様式の国際免許を発給できますから。それで日本で運転している人が多いと聞いています」

あまり聞き慣れない「外国免許切替」あまり聞き慣れない「外国免許切替」

 このような実態の中で、2024年10月頃から希望者が多い地域で外免切替の希望者に対して受付方法などが「先着順→予約制」になっています。

 これは希望者が多くなり先着順の混雑を避けるためだと考えられます。

ーーー
1. 2024年10月18日から大阪・門真試験場での外免切替手続きの受付方法が先着順から電話での予約に変更

2. 2024年11月1日から東京・府中試験場でも同様に先着順から予約制に変更

3.  2025年1月14日から福岡・筑豊試験場で書類審査が指定日制に変更
ーーー

 他の地域でも手続きの受付方法などが変更されている、またはこれから変更される可能性があります。

 また、おそらく警視庁管内だけかと思われますが2024年12月1日から「一時帰国(滞在)証明書」に関して大きな変更がありました。

ーーー
・一時滞在先として知人や親せき宅を指定する場合、証明人は世帯主に限る(以前は世帯主以外でもよかった)

・世帯主の住民票を提出する(以前は免許証のコピーなどでよかった)

・申請時に証明人に試験場まで「同行」してもらうことが必須(以前は同行の必要無し)
ーーー

 なお一時滞在先がホテルの場合、ホテルの住所が免許証に記載されることになり、更新のお知らせなどもホテルに通知はがきなどが届くことになります。

 それらを了承した上で一時滞在証明書を書いてもらうことが重要です。

 なお、ホテル支配人の身分証明書を提出することや、申請時に試験場まで同行する必要はありません。

 ちなみに、今回「一時滞在先の証明人」に関わる部分が少し厳しくなったのは、不正な手段や虚偽の情報で一時帰国(滞在)証明書を入手する例が増えたからだと考えられます。

 外免切替に関する警視庁の公式サイトにおいても、新たに「証明書に虚偽の記載をした場合は、処罰の対象となることがあります。」という一文が追加されています。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください