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「警察官のボーナスになる?」 違反した人のお金は“約400億円”!? 集まった反則金はどこへ行く? 元警察官が語る「使われ方」とは

くるまのニュース / 2025年1月28日 8時10分

基本的に、ドライバーが違反点数3点以下の比較的軽微な交通違反で検挙されると、警察官から交通反則告知書(いわゆる青切符)と反則金を支払うための納付書が交付されます。では、交通違反者が納めた反則金は一体どのように使われるのでしょうか。

■そもそも交通違反の反則金ってどんな制度?

 交通違反をして警察に検挙されると多くの場合、反則金の納付を求められます。

 この反則金に関して「警察官の給料やボーナスになるのでは」という噂が巷で流れています。

 では、交通違反者が納めた反則金は一体どのように使われるのでしょうか。

 基本的に、ドライバーが違反点数3点以下の比較的軽微な交通違反で検挙されると、警察官から交通反則告知書(いわゆる青切符)と反則金を支払うための納付書が交付されます。

 たとえば違反点数2点の一時不停止違反をすると反則金は普通車で7000円であり、違反の種類や車種に応じた反則金の納付を求められます。

 そして、納付書を使って期限内に反則金を納めれば刑事罰に問われることなく交通違反の処理が完了する仕組みです。

 なお警察庁によると、2022年度における反則金の納付率は98.5%であり、ほとんどの違反者が反則金を納付している状況がうかがえます。

 この反則金をめぐっては、SNS上において「一体何に使われているの?」という疑問の声のほか、「警察官の給料やボーナスになるのでは」といったウワサがたびたび聞かれます。では、一体どのように使われているのでしょうか。

 結論から言うと、納付された反則金が警察官の給料やボーナスとして支払われることはありません。

 反則金の用途に関しては、北海道警察のホームページ「交通違反反則金のよくある質問 Q&A」において次のように説明されています。

「納付された反則金は、まず国(国庫)に納められ、交通安全対策特別交付金として、毎年交通事故の発生件数や人口の集中度などを考慮して都道府県や市町村に交付されています。

 この交付金は、『交通安全対策特別交付金に関する政令』に基づき、交通信号機や横断歩道、道路標識・標示、歩道、ガードレール等、道路における交通安全施設の設置と管理等に要する費用に充てられ、目的外の使用はできないようになっています」

 つまり交通違反の反則金は最終的に各都道府県や市町村に交付され、信号機や道路標識、ガードレールを設置したり、壊れている道路設備を修繕したりする目的などのために使われています。

 また総務省の文書「交通安全対策特別交付金の交付決定」によると、2024年3月には196億3600万円、2024年9月には204億7900万円が交通安全対策特別交付金として各都道府県(市町村)に交付されており、1年間で約400億円以上が全国に配分されている計算です。

 さらに2024年9月期の交付金をみると、交付金額が大きい都道府県は上から順に東京都(13億600万円)、愛知県(7億4800万円)、大阪府(7億2800万円)、埼玉県(6億4800万円)、神奈川県(5億6400万円)と続きます。

 交通事故の発生件数や人口などを考慮した結果、都市部への交付が多くなっているといえるでしょう。

■反則金を納付しない人はどうなる? 最悪の場合は…?

 このように納付された反則金は道路上の安全施設の設置・管理に使用されますが、違反者の中には交通違反の検挙に納得できない、納付するのが面倒といった理由で反則金を納付しない人もみられます。

 一般的には反則金を納付しなかった場合、次のような流れとなります。

ーーー
 1 交通違反の際に交付された納付書で反則金を納付しなかった場合、警察に出頭して新たな期限の納付書を受け取ることが可能。

 その新たな納付書で反則金を支払えば、その時点で違反の手続きは終了。

 2 交通違反の際に交付された納付書で反則金を納付せず、なおかつ警察にも出頭しなかった場合は、違反者の自宅に反則金相当額と送付費用を合わせた「納付書」が郵送される。

 この納付書で反則金を支払えば違反の手続きが終了。

 3 上記2の時点でも反則金を納付しなかった場合は刑事訴訟手続きがとられる。
ーーー

反則金を納付しない人はどうなる? 最悪の場合は…?反則金を納付しない人はどうなる? 最悪の場合は…?

 そのほか警察からの再三の呼び出しに応じなかったり、故意に出頭しなかったりした場合には、逮捕といった強制的な手続きがとられるケースもあります。

 仕事や家事などの都合で反則金が納付できない場合であっても、警察の連絡には応じるべきといえるでしょう。

 また、反則金の納付自体は代理の人でも可能なことから、違反者自身が納付に行けない場合は、他の人への依頼を検討すると良いかもしれません。

※ ※ ※

 交通違反者が納めた反則金は「交通安全対策特別交付金」として各都道府県に配分され、交通安全設備のために使われています。

 ただし交通違反は事故を引き起こす原因になることから、平素は交通違反をしないよう安全運転に努めることが大切です。

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