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クルマの「暖房」は“無料”って本当? それとも「燃費」が悪化する? 愛車の“航続距離”が短くなる「残念なエアコンの使い方」とは!

くるまのニュース / 2025年1月29日 16時10分

カーエアコンの「暖房」は燃費には影響しないという話も聞きますが、これは本当のことなのでしょうか。その構造や使用時の注意点、EV(電気自動車)の場合などについて解説します。

■クルマの「暖房」は“無料”って本当?

 燃費に影響するかしないか意見が分かれる、クルマの冷暖房。
 
 果たして正解はどちらなのか、一般的なエンジン車から、エンジンを搭載しないEV(電気自動車)の場合まで含めて解説します。

 まずエンジン車の場合ですが、「冷房は燃費に影響し、暖房は燃費に影響しない」が正解。

 エンジン車の暖房の仕組みは、エンジンから発生する熱を使用して、温まった冷却水に風を吹き付けることで、適温の空気を車内に送り出します。

 つまり、厳密には“エアコン機能による暖房”を搭載しているわけではないため、燃料は使用せず、本来は燃費には影響しません。

 しかし現実問題として、燃費に影響する暖房の使い方が存在するのも事実です。

 それは、暖房のつもりで「A/Cスイッチ」をオンにした場合。

 エンジン車のエアコンの内部には、冷気を作り出すための「コンプレッサー」という部品があり、A/Cスイッチはコンプレッサーのオン・オフを切り替えるスイッチです。

 オフのままでも暖かい空気が出てくることを知らず、多くのユーザーは冬に暖房をつけようとしてA/Cスイッチをオンにし、エアコンを作動させます。

 コンプレッサーはエンジンの動力で動くため、A/Cスイッチをオンにしてエアコンを作動させると、燃料が消費され、「暖房をつけると燃費が悪くなる」という誤解が生じるのです。

 ただし、外気との温度差や、車内の湿度が高いなどの理由で窓が曇ってしまう場合には、エアコンを作動させて除湿する必要があるので、状況に応じて使い分けることが必要です。

■「EV」は暖房が走行距離に影響する?

 ここまで解説してきたとおり、エンジン車は燃料を消費することなく暖房が使えますが、EVの場合は話が変わり、蓄えたエネルギーを消費します。

「EV」は暖房が走行距離に影響する?「EV」は暖房が走行距離に影響する?

 EVの暖房の仕組みは、「電気を使って新たに熱を作ることで車内を暖める」というものであり、暖める方法は電気ポットのように水を沸かして循環させたり、電気ストーブのように温めたりするヒーター方式や、空気を圧縮して熱を作り出すヒートポンプ方式など、様々です。

 しかしどのような方式で暖めるにしろ、駆動用のエネルギーである“電気”を使うことに変わりはないため、航続可能距離は当然短くなります。

 EVの暖房にかかるエネルギー量は、EVの全消費エネルギー量の半分以上を占めるともいわれており、エンジン車とは事情がまったく異なるのです。

 対策としては、「シートヒーター」のような部分的に温める機能を使うことで、エアコン暖房にくらべて消費電力は10分の1程度に抑えられます。

 もしEVにシートヒーターが搭載されている場合は、エアコンよりも優先的にこの機能を利用すると良いでしょう。

※ ※ ※

 このように、カーエアコンの暖房は単純に車内に暖かい風を送るだけであれば燃費に大きな影響はありませんが、除湿のためにコンプレッサーを動かすとガソリンを使うため、冬でも燃費は悪化します。

 そしてEVのエアコンは、電気を使って新たに熱を作る必要があるため、航続距離が短くなります。

 冬場の燃費が気になるという人は、カーエアコン作動時にA/Cボタンを切り、窓が曇らないよう適時換気するなど工夫してみると良いでしょう。

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