登場から8年経ったトヨタ「ルーミー」なぜ今でも販売好調? “軽じゃないスライドドア車”のニーズにハマった!? 2025年中に全面刷新か?
くるまのニュース / 2025年1月29日 17時10分
登場から8年が経過したトヨタ「ルーミー」ですが、今でも販売が好調です。どのようなところが人気を得ているのでしょうか。
■スライドドア装備の小型車で使い勝手最高!
2024年販売ランキングの上位車種を見ると、大半が2020年以降に登場したモデルが占めていることがわかります。クルマの売れ行きは、発売から5年以上を経過すると徐々に下がるため、設計の新しい車種がランクインすることが多いのです。
そんななか、2016年に発売されたトヨタ「ルーミー」は、8年以上を経過しながら現在も販売が堅調です。
ルーミーは2023年から2024年に掛けて、ダイハツの認証不正問題のために出荷を一時的に停止しましたが、2024年の販売総数はトヨタの「ノア」や「ヴォクシー」に近く、2024年10月などは「ヤリスシリーズ」や「カローラシリーズ」に次ぐ好調な販売を記録しました。
出荷停止後の反動で納車が増えた事情もありましたが、発売から8年を経過したクルマでは立派な売れ行きです。なぜルーミーの人気は根強いのでしょうか。
まずルーミーの実用性の高さが挙げられます。ボディサイズは、全長が3700mm(標準ボディ)、全幅は1670mmと小さく、最小回転半径も大半のグレードが4.6mに収まります。前後左右ともに視界が優れ、混雑した街中でも運転しやすいです。
その一方で全高は1735mmと高く車内も広く確保。身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ3つ半に達し、ボディはコンパクトなのに、居住空間の前後方向には圧倒的な余裕があります。
また、後席にミニバンのようなスライドドアを装着したことも特徴です。横開きドアに比べると、開閉時に外側へ張り出しにくく、狭い場所でも容易に乗り降りが可能。電動開閉機能も備わり、子供を抱えていたり、両手に荷物を持っている時でもスイッチ操作で開閉できます。
後席は背もたれを前側に倒すと座面も連動して下がり、後席を格納した時の荷室も広いです。路面からリアゲートの開口下端部までの高さは527mmと低い部類に入り、例えば自転車を積む時も、前輪を大きく持ち上げずに済みます。
荷室床面のボードの裏には汚れを落としやすい素材が貼られており、反転させて使うと、タイヤの汚れた自転車を運んだ後の清掃もしやすいです。
収納設備が豊富なこともルーミーの特徴。インパネのカップホルダーには、さまざまなサイズに対応できる調節機能が備わり、500mlの紙パックも収まります。ボックスティッシュが入るオープントレイや、前席の背面に装着される格納式シートバックテーブルなど工夫を凝らしました。
以上のようにルーミーは運転しやすいコンパクトカーでありながら、背の高いボディで車内は広く、スライドドアの採用で乗降性も良いです。
後席を格納すれば、自転車のような大きな荷物も積みやすく、収納設備も豊富で日常的な使い勝手も優れています。ルーミーは実用性の高さに特徴があり、高い人気を得ました。
ルーミーは価格も割安で、LEDヘッドランプや両側スライドドアの電動機能を備えた標準ボディの「G」が193万9300円です。ヤリスの1.5リッターエンジンを搭載した「G」の195万3000円よりも少し安く、買い得感が伴うことも魅力でしょう(価格は全て消費税込み)。
■2025年中に全面刷新の可能性も!?
トヨタの販売店ではルーミーの人気をどのように見ているのでしょうか。
「ルーミーはいろいろなお客様から選ばれています。ヤリスのようなコンパクトカーを使うお客様に子供ができて、ルーミーに乗り替えることがあります。
ルーミーなら、ベビーシートやチャイルドシートを装着しても車内に余裕があり、スライドドアで子供と一緒の時でも乗降性が良いです。
また子育てを終えたお客様が、3列目シートが不要になり、(ミニバンの)ノア、ヴォクシー、シエンタからルーミーに乗り替えることもあります。
乗車人数の違いとボディの大きさを除けば、ルーミーの使いやすさはミニバンに近く選びやすいです」
トヨタ「ルーミー」
ルーミーは背の低いコンパクトカーからの乗り替えと、ミニバンからのダウンサイジングという、2つの需要に支えられています。
そしてルーミーのような全高が1700mmを超えるスライドドアを備えた車種は、軽自動車に多くラインナップされ、いずれも販売が好調です。
筆頭はホンダ「N-BOX」で、2017年から2024年まで、大半の年で国内販売1位を獲得しています。また、軽自動車で販売2位のスズキ「スペーシア」、3位のダイハツ「タント」も、全高が1700mmを超えるボディにスライドドアを装着しています。
そうなるとN-BOXやタントに魅力を感じながら、エンジン排気量などに余裕のある小型車サイズのコンパクトカーが欲しいということで、ルーミーを購入するユーザーもいるでしょう。
特にトヨタは、2024年の国内販売において、小型/普通車市場のシェアは50%、軽自動車を含めた4輪車全体でも33%(レクサスを含む)を占めました。小型/普通車の大規模メーカーとなるトヨタの信頼性に魅力を感じて、コンパクトカーのルーミーを買ったという人も多いはずです。
さらに全高が1700mmを超えるスライドドアを装着した車種は、軽自動車には豊富ですが、小型車はルーミーとOEM供給元のダイハツ「トール」、スズキ「ソリオ」とそのOEM車などに限られています。
ホンダは「フリードクロスター」に2列シート車がありますが、全長は4310mmですからルーミーよりも約600mm長く、全幅もクロスターは1720mmなので3ナンバー車です。
つまりスライドドアを装着する背が高くボディの小さなクルマを軽自動車以外で探すとなると、実質的にルーミーとソリオしかなく、選択肢が少ないという事情もありってトヨタブランドのルーミーが根強い人気を得ているのです。
ソリオは軽自動車のイメージが強いスズキ車とあって、販売面では不利ですが、同社の小型/普通車では国内の最多販売車種となっており、設計が新しいこともあって商品力は高いです。後席の座り心地、走行安定性、静粛性、乗り心地、燃費、安全装備などではルーミーを上まわります。
その一方でルーミーは、汚れた時に清掃をしやすい荷室、インパネ周辺の豊富な収納設備など、使い勝手が優れています。
スライドドアを備えた背の高いコンパクトカーのルーミーとソリオは、日本の使用環境に適した少数精鋭のモデルとなっており、この2車を比べて選ぶと良いでしょう。
※ ※ ※
設計の古くなったルーミーでは、フルモデルチェンジが気になりますが、販売店によると「現在のところ(2025年1月時点で)フルモデルチェンジの話は聞いていません。納期は約3か月で注文も入れられます」とのこと。
先に述べたダイハツの認証不正問題により、開発と発売が延期されている可能性も高いです。
それでも発売から8年以上を経過するため、2025年中には次期ルーミーが登場すると思われます。
ボディの基本的なスタイルや特徴は踏襲されますが、プラットフォームやパワーユニットはコンパクトSUVのトヨタ「ライズ」/ダイハツ「ロッキー」と同じタイプに刷新され、先に述べた走行安定性や乗り心地などの欠点が解消されるはず。
ライズ/ロッキーと同じハイブリッドを用意する可能性も高く、期待の新型車になるでしょう。
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