トヨタ新「“ミッドシップ”スポーツカー」初公開! 新開発「2リッターエンジン」×4WD採用! 史上初の「GRヤリス M コンセプト」なぜ誕生したのか
くるまのニュース / 2025年2月6日 12時50分
トヨタは東京オートサロン2025において、「GRヤリス」に開発中の直列4気筒2リッターターボエンジンをミッドシップにマウントした「GRヤリス M コンセプト」を初公開しました。どのようなモデルなのでしょうか。
■モリゾウの一言から
トヨタは「東京オートサロン2025」において、スーパー耐久で「GRヤリス」の更なる可能性を追求するため、開発中の直列4気筒2リッターターボエンジンをミッドシップにマウントした、「GRヤリス M コンセプト」で参戦することを発表しました。
東京オートサロン2025のオープニングプレゼンテーションでモリゾウ10大ニュースの第2位に、“2000ccエンジンが走り出した”。そして1位が“ミッドシップが走り出した”というものが挙げられました。その2つがこのクルマに込められています。
レースという極限の環境下で“壊しては直す”をくり返し、モリゾウやプロドライバー、ジェントルマンドライバーなどからのフィードバックを反映する“ドライバーファーストのクルマづくり”を実践するためにこのクルマが開発されました。
GRヤリス M コンセプトの開発の背景についてある開発担当者は次のように語ります。「通常クルマの開発はラインオフした時点で終わってしまうことが多いんですけれど、我々の場合、例えばGRヤリスは出てからもあちこち手を入れ続けています」と常に開発・改良の手を緩めていないことを明かします。
そうした中で、「フロントタイヤがとにかく辛いのをどうにかしたいというところで、サスペンション形式をいろいろ変えて試すことをこの数年やってきたんです」とフロントの荷重をいかに減らせるかに苦心していた様子。
「フロントのタイヤが減るのと、どうしてもアンダーステア(遠心力でクルマがコーナーでまっすぐ行こうとする状況)は消えないんです。コーナーの入りのところでリアをナーバスにすればリアを出す(オーバーステアの状況で前輪を軸にリアが外に出ていく状況)ことはできるのですが、それはごまかしであって、クルマの素性としては良くないんですね。
それを直すには単純明快なやり方、エンジンをリアに持っていったらどうか。そういうことをやってみたいと話したら、モリゾウさんに『やってみたら』といわれたので、早速試してみたのがこのGRヤリス M コンセプトです」とのこと。
振り子の原理を考えると、コーナーを曲がるときに前や後ろに重いもの(エンジン)がぶら下がっていると遠心力の影響を受けやすく、曲がりにくい(ステアリングを切るとまっすぐ行こうとするアンダーステア)、あるいは曲がり過ぎてしまいます(前述のオーバーステア)。それをクルマの中心点に近いところに置けば曲がりやすくなるわけです。それを解決しようという取り組みがこのクルマなのです。
■リアミッドの4WD
エンジンをクルマの中心に置くと人の乗る空間がなくなってしまいます。そこで、前後のタイヤの中間ではなく少し後ろ側、リアタイヤの車軸よりは前にエンジンを搭載する、このレイアウトをリアミッドシップ(MR)といい、それを採用したのです。
しかし、前後のバランスでいうと、やはり後ろが重くなりますのでオーバーステア気味になりがちです。そのあたりはどうバランスをとろうとしているのでしょう。この開発担当者も、この状況は、「MRの悪さだともちろん認識しています。しかしリアが出てもフロントで引っ張っていけばいいと考えて、前輪も駆動します。そうするとリアが出てしまった時に前で引っ張ることができるので、姿勢を安定させることができるのです」と説明してくれました。
そして現在の電子技術、例えばVSC(ビークルスタビリティコントロール:横滑り防止装置。コーナーで横滑りが発生した際、エンジントルクを絞ったり、いずれかのタイヤにブレーキをかけることでその状態を安定させるシステム)を搭載することで、「腕のある人はリアが出たら踏んでいける。
そこまでのテクニックがなければVSCで止められるんです。その結果として電子技術と機械の良さの両方を今の時代だと持たせられる可能性があるので、これから探っていきます」と語っていました。
つまり、もし市販化にされた場合はこういった制御をオンオフできるようにすることで、「腕に自信のある人はMRの奥深さを知ってもらいたいのです」とコメントしていました。
実はいま、このGRヤリス M コンセプトは完成したばかりでほとんど動かせてはいないそうです。ただ、ハンドリングに関してはあくまでもニュートラルステア(ステアリングを切ったらまるでレールに乗っているかのようにコーナリングする)を目指したいと述べていたのが印象的でした。
ただし、「このクルマに可能性があるかどうかは、今年のレースに出ながら決めていきますので、もしなくなったら来年ごめんなさいってなるかもしれません」と話してくれましたが、「エンジニアからすると(GRヤリス M コンセプトを作り上げることは)とんでもなく嬉しいことです。ミッドシップは20数年やっていませんし、MR四駆も初めてですから」と語っていましたので、ここからじっくりとこのクルマを磨き上げていくことに間違いはないでしょう。
最後に、「皆ぜひみんな欲しいって言ってくださいね!」とお話をしていましたので、ファンの声が大きければ大きいほど市販化の道が近づいてくるようですので、楽しみなクルマの1台です。
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