約40年の歴史に幕! 青山のシンボルが建て替え… 本田宗一郎氏の想い込められた「青山ビル」とは
くるまのニュース / 2025年2月6日 8時50分
2025年度に取り壊されるホンダの「Honda青山ビル」。その普段入ることが出来ない内部はどうなっているのでしょうか。
■ホンダ青山ビルツアー! 本田宗一郎のこだわりとは
ホンダは所有する「Honda青山ビル(以下、青山ビル)」を建て替えることを明らかにしており、2025年でその歴史に幕を下ろします。
1985年の建設から2025年までの40年間、青山のシンボル的存在だった同ビルですが、その普段入ることが出来ない内部はどうなっているのでしょうか。
青山ビルは、1985年当時の国際化や情報化といった時流に対応し、本社機能の充実、効率化を図るために、ホンダとして2代目の自社ビル本社として建設されました。
この青山ビルにはホンダのクルマづくりの考えとなる「安全性」をはじめ、「省エネルギー」、「居住性」、「操作性」、「機能優先」などのデザインが導入されています。
では、このビルにはどのような特徴があるのでしょうか。
元々、青山ビルがあった場所には複数の所有者による建築物があったと言います。
なかでも赤坂御所の対面に位置する角地には当時、印刷会社のビルが経っており、まだ建設から10年と新しいものだったと言います。
それでもホンダはこの土地にこだわり、当時の原宿本社の代わりとなる新本社を建設するため、印刷会社に対して同等の物件を探し、ビルの解体費用も負担。
解体時には近隣住民への影響を最小限にするため、お金と時間を掛けて騒音を減らし解体するなど徹底していたと言います。
さらに青山ビルの建設時には、当時決められていた範囲以上の住民に対して説明会を行うなど、とにかく近隣住民への影響を考慮していました。
また近隣住民に対する配慮は、建設から40年が経過した現在でも見ることが出来ます。
それは、ホンダの青山ビルは道路からオフセットするカタチで建設されており、ビルの前には広い空間が広がっている点です。
平時にはそこにホンダ車が展示されていますが、災害時の際にはその空間で炊き出しをすることが可能で、地面には炊き出し用のガス設備などが備わっていると言います。
普段は入ることが出来ないバルコニー部分
さらにその空間の安全面として、青山ビルのバルコニーにはガラスの落下を防ぎ、歩行者の安全を確保する細心の配慮がなされているのも特徴です。
こうした近隣住民への配慮と安全性は、創業者でもある本田宗一郎氏が建設計画に対して幾度となく要望していたことだったと言います。
他にも本田宗一郎氏の想いは残っており、ショールームである「Hondaウエルカムプラザ青山」にて無料配布される水は、青山ビルの地下3階にある計2つのカナダ産ヒバの大樽(各35トン)に貯水された水です。
これは「宗一郎の水」として災害時の飲料水としての役割も担っていると言い、いまでこそ災害時に対する対応は当たり前ですが、それを40年前からやっていたというのがホンダらしい部分と言えます。
地下3階にあるヒバの大樽
そんな青山ビルですが、前述の通り40年の歴史に幕を下ろします。
今後、Hondaウエルカムプラザ青山を2025年3月31日で休館し、その後は同ビル内での業務を2025年5月で終了。
2025年度内に解体し、同地には新たなビルを2030年度完成目標として建設を予定しています。
そうしたこともあり、今回「Honda青山ビル 建築ツアー」がメディア向けに開催されました。
今回は、普段は見られないビル内部を、大阪公立大学教授で建築史家・倉方俊輔氏の解説で見学することに。
前述の地下3階のヒバの大樽や、防災備蓄庫、バルコニーなどを見学しつつ、そこに散りばめられた本田宗一郎氏の想いやホンダの安全への配慮の解説を聞きながら巡っていきます。
圧巻だったのは最上階となる16階の応接室。
間接照明や角が取れた細部の作り込みなど、高級感のあるホテルのような雰囲気でした。
またそこからの眺めは赤坂御所を上から見ることができるなど、普段まず見られない貴重な体験でした。
なお当時のエピソードとして、英国王室のチャールズ皇太子とダイアナ妃が来日した際に休憩場所として提供されたなど、まさにおもてなしの場となっていたようです。
最上級の応接室はモダンな印象を受ける
そんな青山ビルですが、今回建て替える背景についてホンダは次のように話していました。
「社会や産業が急速に変革に向かう中で、ホンダは将来にわたり人々や社会から『存在を期待される企業』であり続けることを目指しています。
そのために『イノベーションを生み出す変革と発信の拠点』となるグローバル本社機能を構築することが必要だと考え、それを実現できる新たなビルへの建て替えを行います」
※ ※ ※
今後、新たなホンダの青山ビルがどのような姿となるのか。2030年が待ち遠しいです。
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