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「暖機運転」本当に必要!? 「環境にやさしくない」の声も! 冬の「慣習」もはや「過去の話」なのか

くるまのニュース / 2025年2月13日 5時50分

ひと昔前までは、エンジンの始動時には「暖機運転」が必要だとされていましたが、最近では不要だともいわれてます。実際、現代のクルマの場合、暖機運転は不要なのでしょうか。

■かつては重要視されていた「暖機運転」……いまや「不要」に!?

「暖機運転」という言葉を耳にしたことがある人も多いでしょう。暖機運転というのは、クルマの発進前にアイドリング状態でしばらく放置しておくことで、エンジンを温めることです。
 
 かつてエンジンを保護するための基本的な手順として、暖機運転は広く実践されていましたが、近年では不要ともいわれています。実際のところ、どちらが正解なのでしょうか。

 特に1980年代以前の車両で主流だったキャブレター式燃料供給装置の特性が、この習慣を支える大きな要因となっていました。

 キャブレターは、エンジンが動作するために必要な燃料と空気の混合比を調整する装置です。しかしその仕組み上、エンジンの温度が低いと混合比が狂ってしまい、燃焼効率が低下するという欠点がありました。

 寒冷時やエンジン始動直後ではこの混合比が不安定になるため、エンジンの回転が不安定になり、場合によってはエンストを引き起こすことも。

 そのため、エンジンを十分に温め、部品が適切に動作する状態にするために、アイドリングでエンジンをしばらく動かし続ける暖機運転が欠かせなかったのです。

 しかし時代は進み、キャブレターに代わって電子制御式のフューエルインジェクション(EFI)システムが登場しました。この技術革新が、クルマにおける暖機運転の必要性を根本的に見直す契機となります。

 EFIシステム(メーカーによって名称が異なる)は、エンジン内部の温度や負荷、外気温などの情報をセンサーで感知し、それに基づいて燃料供給量を自動的に調整する仕組みです。

 これにより、エンジンが冷えた状態でも適切な燃料と空気の混合比を維持することが可能となり、暖機運転を行わずとも安定したエンジン始動と走行を実現できるようになりました。

 このように、技術進化の恩恵により暖機運転の必要性が薄れた現在では、そもそもの習慣自体を見直す動きが進んでいます。

■不必要な暖機運転は「燃費の悪化」「環境負荷」の原因にも

 暖機運転の必要性が薄れたとはいえ、その習慣が完全に無意味になったわけではありません。

 特に寒冷地などの特殊な条件下では、窓の曇りを除去するなどしないと安全に走り出すことができない場合もあり、暖機運転が必要となる場合もあります。

長時間のアイドリングによる暖機運転は避けるべき!?[イメージ画像:画像AC]長時間のアイドリングによる暖機運転は避けるべき!?[イメージ画像:画像AC]

 また、エンジンオイルが非常に低温になっている場合、オイルがエンジン内部でスムーズに循環し始めるまでには少し時間がかかります。こうしたことから、極寒地では短時間の暖機運転が有効な場合もあるのです。

 しかしそれでも重要なのは、長時間にわたるアイドリングの暖機運転を避けることです。

 エンジンが冷えた状態から短時間で温まるためには、むしろアイドリングを続けるのではなく、走行を通じて「自然にエンジン温度を上げる」ことが望ましいです。

 トヨタの公式ガイドラインでも、この「走りながらの暖機運転」を推奨しています。

 その際には急加速などを避け、エンジンに負荷をかけ過ぎないことも重要としています。

 加えて、長時間のアイドリングは排気ガスの排出量を増加させる要因となり、都市部や密集地では特に環境への悪影響が懸念されます。

 走行中にエンジンを温める方法であれば、必要最小限の燃料消費で効率よくエンジン温度を上昇させることが可能です。

※ ※ ※

 暖機運転の慣習は、極寒な地などの特殊な状況を除き、もはや現代車両には必ずしも必要ではありません。

 それよりも環境に優しい運転方法を実践し、クルマ技術の進化を十分に活用することが、これからのドライバーに求められる姿勢だといえるでしょう。

[編集部注記:本文中に誤記などがありましたので、2025年2月13日午前9:55に本文を一部修正しました。]

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