新型「スープラ」は歴代同様にトヨタのイメージリーダーになれるのか?
くるまのニュース / 2018年4月10日 6時20分
2018年3月、トヨタがついに次期型「スープラ」と言われるコンセプトカー「GRスープラ レーシング コンセプト」を発表しました。まもなく登場する新型スープラを前に、これまでの歴代スープラを振り返ってみます。
■登場間近! トヨタ・スープラの歴史を振り返り
2018年3月にスイスで開かれたジュネーブモーターショー2018で次期型「スープラ」をベースにしたと言われるコンセプトカー「GRスープラ レーシング コンセプト」が登場し、多くの話題を集めました。
まだスープラの市販車版は登場していませんが、今年の秋から冬ごろにかけて何かしらの発表があるのではないかと言われており、ユーザーからの期待も大きい車種と言えます。そこで今回、新型スープラ登場前に、過去のスープラを振り返ってみたいと思います。
そもそも「スープラ」という車名は北米市場で使われていた名前で、1978年に登場したセリカXX(ダブルエックス)の輸出名でした。
当時、北米市場では日産「フェアレディZ」が大人気車種となっており、そのマーケットにトヨタが送り込んだ車種だったのです。
スープラの意味はラテン語で「超えて」や「上に」というもので、その名前からも分かるように当時のスペシャリティクーペであるセリカの上級車種という位置づけ。スポーツカーというよりもグランドツーリングカーという性格が強い車種であり、搭載されるエンジンもすべて直列6気筒でした。
また、当時のトヨタラインナップでは最高級のスポーティモデルでもあったため、七宝焼きのフロントエンブレムや、「T」を模したフロントグリルなど、過去の名車であるトヨタ2000GTのモチーフがちりばめられています。
1981年に2代目へとフルモデルチェンジを行ったセリカXXは、高級スペシャリティカーというジャンルは先に登場していたソアラに任せ、よりスポーティな性格を持った車種へと生まれ変わりました。
「スポーティな直線美」と表現されたデザインの最大のアイコンはリトラクタブルヘッドライト。当時、多くのスポーツカーに採用されていたもので、その姿にあこがれた人も多かったのではないでしょうか?
2代目セリカXXのデザイン以外の特徴を開発関係者に聞いてみると、「装備面では世界初のナビゲーションシステム『ナビコン』を一部車種に設定。これは入力された目的地の方向と距離をマイコンが記憶し、常に正しい方向と距離を表示するもので、現代のカーナビゲーションに比べれば簡素なものでしたが、当時としては画期的なアイテムでした」と語ってくれました。今から37年も前にカーナビのはしりとなる装備を装備していたのです。
日本国内での名前もついに「スープラ」に統一された3代目の登場は1986年。前年にフルモデルチェンジされたセリカが前輪駆動になったことで、スープラはセリカの上級車種というポジションから完全に独立した1車種という形になりました。
開発コンセプトは「ハイパフォーマンス・スペシャリティーカー」であり、サスペンションはトヨタ2000GT以来の採用となる四輪ダブルウィッシュボーンを採用。ポルシェやフェラーリにも対抗しうるリアルスポーツカーを目指して開発がなされた車種だったのです。
デビュー当初は5ナンバーサイズのボディのみでしたが、1987年には輸出仕様と同じワイドボディを追加。1990年にはトップグレードのエンジンを2.5リッターツインターボエンジンの1JZ-GTE型に変更しています。このエンジンは当時の自主規制値いっぱいの280馬力を発生しており、トヨタのMT車としては初の自主規制値到達車でもありました。
■最後のスープラとなる4代目(日本は2代目)モデル
そして1993年に現時点では最後のスープラとなる4代目(日本では2代目)モデルが登場します。
排ガス規制で生産が終了した最後の4代目スープラ
先代まで多くのラインナップがあったエンジンも直列6気筒3リッターの2JZ型に一本化(ターボとNAの2種類)。開発のコンセプトは、新しいスポーツカー「パフォーマンス」の実現と、人、そして社会を大切に考える「優しさ」の具現化を挙げ、スポーツカーらしいハイパフォーマンスを実現しながらも安全の追求や環境への配慮も備えた新しいスポーツカー像を提案していました。
マニュアル車には国産市販車初となる6速をおごり、94年には輸出仕様にあった17インチ&大型ブレーキをオプション設定。97年にはターボエンジンが可変バルブタイミング・リフト機構のVVT-iを備え、最大トルクがアップされるなど、スポーツカーの冠に相応しく改良が続けられていました。
しかし、「平成12年度自動車排出ガス規制」に対応できなかったため、2002年に生産を終了し、スープラの名前は途切れることになったのです。
このように歴代のスープラはトヨタのフラッグシップスポーツカーであり、トヨタのイメージリーダーでもある車種でした。生産終了から16年が経過し、その印象がやや薄れつつありましたが、そういった経緯も含めて新型スープラがレクサスブランドからではなく、トヨタブランドから登場するのも納得できるのではないでしょうか?
ちなみにスープラの車両型式は初代がA40系からスタートし、最終型がA80系となっています。そして「GRスープラ レーシング コンセプト」に付けられたゼッケンは「90」ということで、次期スープラの型式を示唆しているのかもしれません。
■GR Supra Racing Concept主要諸元/スープラ年表
●主要諸元(社内測定値)
全長4,575×全幅2,048×全高1,230mm
ホイールベース 2,470mm
タイヤサイズ:フロント 30/68-18 / リア 31/71-18
駆動形式:FR
2018年3月に発表されたGR Supra Racing Concept
●「スープラ」年表
1978-1981:初代(A40/A50型)「Supra」北米で発売。日本国内では「セリカXX」として販売
1981-1986:第2世代(A60型)北米で発売。日本国内では「セリカXX」として販売
1986-1993:第3世代(A70型)世界各国で発売
1993-2002:第4世代(A80型)発売
2002:生産中止
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