中国の水産物検査に懸念伝達 政府「科学的措置」申し入れへ

原発処理水放出計画を巡る主な動き

　中国が今月始めた日本からの輸入水産物に対する全面的な放射性物質の検査を巡り、日本政府首脳は21日、中国外交当局に対して懸念を表明し「適切に処理するよう伝えた」と明らかにした。複数の日中関係筋によると中国税関当局は日本政府による説明要求を拒否している。日本政府は実態把握を急いでおり、事実関係を確認でき次第、中国側に対し「科学的根拠に基づく措置」を取るよう外交ルートで申し入れる方向で検討している。

　東京電力福島第1原発処理水の海洋放出計画に強硬に反発して日本との対立が激化する中、中国が検査導入の根拠を説明せず、不透明な形で事実上の輸入規制を進めていることが浮き彫りになった。日本政府は検査の全容や検査に伴う税関での水産物の留め置きに関し中国各地で調査している。

　中国税関総署は7日、処理水の海洋放出について「事態の推移を見ながらあらゆる必要な措置を取る」との談話を発表。この後、税関当局は放射性物質検査を抜き取り検査から、一つ一つチェックする形に厳格化した。