放置された柿の実をおいしいリキュールに 富山の酒造会社、クマ被害の軽減に期待も
共同通信 / 2024年1月20日 7時1分
富山県砺波市の「若鶴酒造」が、収穫されずに木に残された柿の実を漬け込んだウイスキーベースのリキュールを2023年10月から販売している。実の有効利用に加え、山から下りてきたクマの餌となることも防げるとし、同社は「クマの被害軽減につながれば」と期待する。(共同通信=金森純一郎)
リキュールに使われているのは、同県南砺市の山あいで生産される「三社柿(さんじゃがき)」。実が大きくて渋みが強いが、収穫後に皮をむいて乾燥させると、しっかりした歯応えと甘みのある干し柿になる。贈答用として人気だ。
富山干柿出荷組合連合会によると、現在約140軒の農家で年約400万個の柿を生産しているが、干し柿に加工できる量が決まっているため約10%が木に残されたり、処分されたりしていた。
同社は新商品の開発を模索する中、生産者との意見交換で大量の柿が廃棄されていることを知り、2020年から収穫されなかった柿を使ったリキュールづくりを始めた。
「柿を使ったリキュールは前例がなく、配合に苦労した」と製造担当の村井俊之(むらい・としゆき)さん(50)。原料となるグラニュー糖の量の微調整を重ね、蒸留所を訪れた客にも意見を聞くなどして、約3年で販売にこぎつけた。
商品名は「KAKISKY(カキスキー)」で、柿の甘さを感じることができ、若い女性のほか、ウイスキーの一大消費地・台湾から訪れた観光客にも好評だ。企画マーケティング課の篠田凪沙(しのだ・なぎさ)さん(27)は「寒くなるこれからは、お湯割りで楽しむのがおすすめ」と語る。直営店のほか、ウェブでも取り扱っている。1本、300ミリリットルで1045円。
富山県では2023年、ドングリ不作の影響で、柿などを求めて人里に出てきたクマの目撃件数が急増。渋柿でも食べるとされ、県は対策として実を取り除くか、木を伐採するよう住民に求めている。
稲垣貴彦(いながき・たかひこ)社長(36)は「製造を通じて柿の有効利用とクマ対策、二つの社会課題に取り組みたい」と意気込んだ。
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