現役書店員が開く、コンテナ一つの本屋 「時間をかけて味わう」選書、宇都宮
共同通信 / 2024年2月27日 7時2分
宇都宮市の中心部に今春、貨物用コンテナ一つに収まる小さな書店が誕生する。店長は地元の書店チェーン社員の高田直樹(たかだ・なおき)さん(49)。売れ筋を中心に品ぞろえをし、効率よく利益を上げる書店業界の潮流に違和感を覚えたことがきっかけで、新たな店では「じっくり時間をかけて味わう本」を選んで販売する。
場所は宇都宮市の繁華街を流れる釜川沿い。幅6メートル、奥行き2.4メートルのコンテナを利用した「KMGW BOOKS」(カマガワブックス)だ。文学や音楽、思想などの新刊や古本千冊を並べ、コーヒーや軽食も提供する。
高田さんがこうした書店を構想したのは、会社に就職して20年超が過ぎた2018年。業務上、売り上げを求め実用的で話題性のある本を扱ってきたが、自分が良いと思う本とはずれが出てきた。「何度も繰り返し読み、人生を見つめ直す。効率とは無縁の本こそ届けたい」。そんな思いが日増しに強まっていった。
意を酌んだ勤務先の了承を受け物件を探し始めた。宇都宮市での開店を目指したが、新型コロナウイルス禍で計画は停止。それでも2021年10月、栃木県那須烏山市の自宅の納屋を改装し「NAYA BOOKS」(ナヤブックス)を開店した。
月4~5日、本業の休日に営業する。3人入れば窮屈な店内で、幅広い年代の人に自分が選んだ本を手渡す営みに、これまでにない手触りや喜びを感じた。
宇都宮市での計画は2023年、街づくり団体「釜川から育む会」などの協力で再始動。施設は団体側が用意し、高田さんが店長として采配を振る。
現在は開業支援金を募るクラウドファンディングを実施したり、古本買い取りを進めたり。開店準備の真っ最中だ。
書店ゼロ地域が増えるなど業界を取り巻く環境は厳しいが、高田さんは「本や読書の持つ意義は変わらない」と言い切る。「本や本好き同士が出会う場所を各地に作りたい」。書店を始めたいと志す人がいれば相談に乗り、後押ししたいと考えている。
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