キノコ菌糸から国産マッシュルームレザー 長野の企業、動物革より環境優しく商機に
共同通信 / 2024年2月29日 7時3分
キノコの菌糸を培養し、革に似せて仕上げた素材「マッシュルームレザー(ML)」の国内生産に、長野県の新興企業が乗り出した。菌糸が生み出す唯一無二の色合いに加え、牛など動物由来の皮革製造より環境に優しいのが特徴だ。新たな商機につながるとみて、MLの実用化を目指す。全国有数のキノコ産地から新たな挑戦が始まった。
取り組むのは長野県小諸市のマイセルジャパン。キノコ関連の国内3社が、シンガポールとインドネシアでMLの研究開発や製造を担う企業と共同出資し、2022年7月に設立された。
マイセル社取締役の小渕皇太(おぶち・こうた)さん(35)は、群馬県みなかみ町でキノコ栽培袋などの製造販売を手がける。「国内外の技術が集結すれば『食』だけでなく『衣』『住』の分野にも広がる可能性を感じた」と振り返る。
ML作りは、糸状の細胞の集まりである菌糸の培養から開始。成長した菌糸の表面をすくい取り、動物の皮をなめすような工程を経て、革の質感に似た生地が出来上がる。菌糸の生育状態で白と茶色のまだら模様は全て異なる。
動物の皮に比べ、加工時に環境へ与える負荷は小さく、使用する水は4分の1程度。100%天然で、羊の革に匹敵する耐久性を持つとされ、小渕さんは「究極のエコ素材」と太鼓判を押す。
2023年11月に小諸市の工場が稼働。日本初のMLの量産態勢が整い、アパレルやインテリア業界から問い合わせが相次いだ。経年変化や手入れ方法の研究といった課題はあるものの、小渕さんが次に見据えるのは、キノコ生産者にMLの製造工程を一部提供するフランチャイズ化構想だ。
培養に必要な機材やスペースは生産者の手持ちでほぼ対応でき、新規参入のハードルも低い。「キノコ業界や農業の活性化に一役買い、食文化も守りたい」。小渕さんの夢は膨らむ。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
いちご生産・ジャム製造発祥の地! 長野県小諸市のふるさと納税返礼品「こだわりのジャム」9選
マイナビニュース / 2024年4月27日 8時0分
-
開始1日で500%達成!Makuakeで大盛況中のマッシュルームレザー製名刺入れ、体験型ストア b8ta Tokyo - Yurakucho / Shibuya にて出品開始
PR TIMES / 2024年4月9日 15時15分
-
パイナップルの葉がランドセルに!? セイバンが開発、廃棄素材の葉を活用 ナチュラルな色合いや質感特徴
まいどなニュース / 2024年4月5日 20時20分
-
190年の歴史を持つ漢方薬局「本草閣」監修・厳選!生薬の質に注目した『本草霊芝胞子』 漢方サプリメントが一般発売開始
PR TIMES / 2024年4月5日 12時15分
-
「キノコの菌糸から生まれたレザー」「廃棄衣料が化石燃料に!?」最新サステナブル製品が集結!
PR TIMES / 2024年4月4日 14時51分
ランキング
-
1自民集会で岸田首相退陣求める声
時事通信 / 2024年4月27日 19時52分
-
2墜落した2機の海自ヘリ、潜水艦探知の高度な戦術訓練中に衝突か…闇夜の低空飛行は計器頼り
読売新聞 / 2024年4月27日 21時0分
-
3日本人はプラ削減意識が低い? 国際調査で「最下位」
共同通信 / 2024年4月27日 15時52分
-
4パイプ銃を自作し所持した疑い、逮捕の男「こんな国にした者らを攻撃することを想像していた」
読売新聞 / 2024年4月27日 15時7分
-
5雪が解けて発見に至ったか 巻機山山頂付近で中年男性とみられる遭難者を発見 その場で死亡確認
BSN新潟放送 / 2024年4月27日 12時12分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください