「世界へ」大阪の中小企業が万博へ意欲 独自技術の新製品を披露
共同通信 / 2024年5月5日 18時4分
植物をまとった服、食べられる昆布のフィルム―。2025年大阪・関西万博の「大阪ヘルスケアパビリオン」で、開催地大阪府の中小企業が独自の技術を駆使したユニークな新製品を披露しようと準備を進めている。「会社や事業を知ってもらうきっかけにしたい」と知名度向上を狙う。(共同通信=河添結日)
3月下旬、大阪府箕面市で、繊維や化粧品を扱う4社の関係者ら約20人が集まり、植物をまとった服の製作方法を話し合った。「大阪に緑を増やしたい。誰も見たことがないものを作ろう」。各社の強みを生かして、保湿性のある化粧成分を閉じ込めた生地の使用を検討しているが、落下しないようどう植物を植え付けるかが課題だ。万博来場者に試着してもらうことも視野に入れている。
大阪で事業を展開し、服のデザインを担当する「マツオインターナショナル」の谷口直樹さんは、国内の繊維産業は高齢化が深刻で設備投資が難しい工場もあると話し「伝統的な独自技術を守り、未来に残していきたい」と切実な思いを明かした。
「和食のだしに欠かせない昆布。いろんな可能性を世界に伝えたい」。大阪市の昆布加工会社「舞昆のこうはら」は、昆布のぬめり成分のアルギン酸に着目し透明性の高いフィルムを開発。水に溶ける顔用のパックを作り、万博の来場者にサンプルを配りたいと考えている。そのまま食べることができるカップ麺のかやくの袋やお弁当の仕切りなど、食品用にも活用を進める。
研究開発室の湯浅祐輔室長はごみの削減につながるとして「コストを下げて量産化したい」と語った。50年までに計画している大阪湾で昆布を養殖する事業についても紹介する。
大阪府と大阪市が出展する「大阪ヘルスケアパビリオン」では一部エリアで中小企業や新興企業約400社がグループごとに週替わりで展示。企画運営する大阪産業局の井上光樹プランナーは「自分たちが世の中をつくるという姿勢をアピールし、次世代につなげていきたい」と述べた。
▽2025年大阪・関西万博
大阪市の人工島・夢洲で2025年4月13日~10月13日に開く国際博覧会。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」で、自治体や民間企業の他、海外の国・地域がパビリオンを出展する。「大阪ヘルスケアパビリオン」では、生まれ変わりや再生を意味する「リボーン」をテーマに、健康や医療分野の最先端技術を紹介する。
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